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やもり日記 vol.13 (前編)

今回は、恋人と私の出会いから今に至るまでのお話です。ちなみに、2人とも女性です。

それは、遡ること、昨年の10月。渋谷区とミクシィさんが共催し、ジャーナリストの堀潤さんが登壇されたアライ向けのLGBT講座の様なイベントでのこと。アライ側の視点から見えるものってあるんだろうな、知りたいな、といった気持ちからチケットを取った私。しかしながら、誤って2枚チケットを取った私は、あたふたと開催日の前日夜に1枚キャンセルの連絡をしました。

一方、恋人。タイムラインを眺めて知った上記のイベント。気づいた時にはチケットは売り切れていました。残念だな、と思いつつもイベントの前日の深夜にサイトを覗いてみると・・・1枚のチケットが残っていました。    そう、それはまさに私がキャンセルをした1枚だったのです。恐らく、ですが、偶然の連鎖はここから始まっていたのかもしれません。

さて、イベント当日。その日は雨、風が強い日でした。私は、ラグジュアリーな雰囲気の空間で行われたイベントを通じて、当事者が故にセンシティブに捉えがちな、アライ、という感覚をフットワーク軽く捉えることの大切さ、などを学んだ様に思います。ツイッターで #にじはち (渋谷区のLGBTへのシンボルキャラクターの犬です。)をつけた実況ツイートをしながら。

一方、恋人。携帯電話の不調から充電は残っていたにも関わらず、イベントに向かう道で、気付くと電源が落ちる、というハプニングにもめげず、いざ、イベントへ。携帯なんとかならないかなー、と思っていたらトーク中に奇跡の復活!ツイッターから流れる #にじはち のタイムラインを覗きながら、繰り広げられるトークを熱心に聞いていました。すると、その中に、ふと見たことがあるアイコンが目に入ってきたのです。

そんなイベントも終わりに近づき、懇親会の時間となりました。いざ、懇親会、とはなったものの・・・気づいてまわりを見渡すと私は1人ぼっちでした。いただいた缶チューハイを片手に、だれかに声をかけてみようかな?、お食事をいただきつつ今日の内容を整理しようかな?、あ、堀潤さんや登壇された渋谷区の永田さんとお話をしてみようかな?、などとぼんやりと思いながらも時間が過ぎて行きました。なんとも居心地がよい、とは言えないな、と正直思い、帰ろうかな?といった選択肢が頭をよぎった、その時。

一方、彼女。懇親会になったはよいものの、お酒も飲まないしなー。そう、彼女も1人ぼっちで時間を過ごしていました。そんな中、ツイッターのタイムラインにいたアイコンの中の人のことを思い起こしました。見覚えのあるアイコンの人物は、以前、宇野常寛さんの持論でもある #飲み会行かない に関する彼女が発信したいくつかのツイートに反応を示していたのです。「あ、あのアイコンの人会場にいるんだ。確か、マイクで喋ってたあの人だ。」自然と足が向き出しました。

そう、私は実況ツイートを堀潤さんに拾われたことから、イベント内で自分の見解について、そして、自分が当事者であること、などを会場でマイクを片手に話していたのです。緊張したものの、今となってはなくてはならない機会でもありました。

さ、帰るか、否か、悩み出した私の背後から「あのー。」という声が聞こえました。運命の扉が音を立てて開き始めたことを、まだ2人は知りませんでした。

(中編へ続く。)



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