アスリートとトラウマ①過去の経験は今の自分に影響します
今回はまず以前の記事を訂正しなければなりません。
どんなに楽しみな事でも一番最初はやっぱり緊張感あります
の記事で例として「ちぃかわ」と言う漫画を取り上げたのですが、
漫画の1巻をちゃんと読んでみると、
実は初めてだったから緊張していたのではない
ということがわかりました。
なので、例としては不適切だったのですが、
漫画の内容を考えると別の側面が見えてきたので
訂正も兼ねてここで取り上げることにしました。
どういうことかと言うと、
実はハチワレは過去に、
あるカメラで写した被写体が消えてしまうと言う
恐ろしい体験をしていたのです。
だから自分でお金を貯めて買った新しいカメラで
写真を撮ることをすごくためらっていたのでした。
そりゃそうですよね?!
友達消しちゃったらとんでもないですから。
“撮ったものが消えるカメラ”なんて一度体験したら,
普通のカメラとわかっていても
大丈夫かなと思ってしまいます。
人間は進化の過程で
記憶することで,
危険の回避ができるようになったのですが,
残念ながらそれは良いことばかりでなく
覚えているがために
過去の経験に影響を受けて
今は大丈夫なのに,
不安になったり,怖くなったりしてしまいます。
はじめての事は過去の経験が全くないがゆえに
何が起こるかわからないと不安になって
身構えてしまいます。
つまり,緊張します。
過去に悪い経験がある場合には
また,起こったらどうしようと
身構えて緊張します。
どちらにしても、
過去の経験が今の自分に影響を与えていると言う点で同じです。
ただ,特に身体を使って競技をするアスリートとなると、
この過去の悪い体験の影響は深刻になることもあります。
例えば,試合で大ケガをした時,
怪我は治ってもなかなかパフォーマンスが元に戻らない。
あるいは,傷は治っているのに痛みが残っている。
医学的に身体に問題が無いのもかかわらず
不調や痛みが続くとしたら,
怪我した時のことがトラウマ的に
心身に残っている可能性があります。
怪我でなくても
大事な試合で失敗したり,
自分のミスでチームが負けたり
そのために,SNSで心ない言葉を受けたり,
いろいろなことがトラウマとなって
今の自分に影響を及ぼすことがあります。
そんなことはアスリートやってたら
当たり前に経験することで
いちいち気にしてたらダメだと思うかもしれませんが,
いくら意識のレベルで過去のことと割り切ったつもりでいても、
無意識レベル,つまり身体の方に残っていたら
パフォーマンスは影響を受けます。
なぜなら高度な動作になるほど
無意識レベルで自動的に行っているからです。
だから,怪我は治っていると言われても
上手くいかないのを自分の弱さと
責めなくてもいいんです。
痛むのは気のせいではありませんから。