自称「名士」の醜態
「自分は〜〜(その近辺の住民しか名前も知らずイメージも勿論湧かない地方)の名士と呼ばれた血脈の子孫で」「自分は〜〜地方の士族階級の出で」と、こちらから聞いたわけでもないのに何の文脈もなく言い出す人をたまに見かけるが、あれは何なのだろうか。明治期の四民平等どころか現代では(原則上)みな平民だというのに。
おまけにああいう輩に限って自らの血統を自慢したいのかすぐ人を見下してくるので、関わっていてものすごくストレスが溜まる。(人のこと言えないが)明治期の四民平等で割を食ったとかそういう話は流石に聞かないが、それ以外の暴言がとにかくひどい。中国系・コリアンほか外国人に対してはもちろん(ただし白人には一般に下手に出るようだが)、アイヌや沖縄人、貧困層、女性一般、障害者、被差別部落出身者といった日本では被差別階層として扱われる人々だけではなく、かつてのその他平民(特に他地域出身者)まで叩いてくる。それにしても何もあなたには生まれた家の「かつての」属性により他人を蔑視する権利があるとは誰もいっていないのですけれど。
彼らの暴言の中でも一番印象に残っているのが「うちの家系は中部地方某所の名士の家で朝鮮人の血は入っていない。戦前は裕福だったが戦後のGHQの農地改革と共産党に先導された小作農が土地を奪い取ってきた。終戦後のどさくさに紛れて朝鮮人が各地都市部の国鉄駅前の土地を略奪したように、小作人どもがうちの土地を占拠してきたのだ」という言葉。前半部分で一発退場ものであるが、後半も事実かどうかは知らないがいかに自分が「生まれにより特別扱いしてほしい」という自己愛に塗れているかお分かりいただけるだろう。
ちなみにこういう家系や、場合によっては学歴や所属など属性一般を鼻にかけて他人を侮辱してくる輩は、大概が(自他称)人生うまくいっていない人である。そのため「俺はこんな家系の出身なのに何で割を食わねばならんのだ」→「妖怪…じゃなくてマイノリティのせいなのね」という発想に至り、他人に悪口を吐きかけるのだ。
また精神障害当事者を侮辱するつもりはないが(その前に彼らの方が当事者らを見下しているものね)、彼らの一部は常人には理解されないような言動を取ったり他人を不快にしている自覚がなかったりして、その結果「頭のおかしな人」認定されている者がいたりする。例えばインターネットに限っても、同じ文章を掲示板やWebサイトやブログにbotのようにマルチポストするとか、SNSで片っ端から企業や官庁の公式アカウントや芸能人のアカウントにクソリプをするとか、もちろん他人を云われなく誹謗中傷するとか。この統一性は何なのだろう。
ああいう他人を叩いて満足する自己愛の強い人(本当は自信がないけど他人を叩くことで自分を高められると思う人)は、このつぶやきのスレッドを100回くらい声に出して読んでほしい。学問的業績ではなくこの場合は「血統」であるが。
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