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栃尾江美(とっちー)
2016年10月19日 14:30
※この物語を、10月16日で7歳になった息子へ贈ります。土曜日の朝起きたら、家族が誰もいない。パパもママも弟もいない。みんなで先に起きちゃったのかなと思ってリビングに行ってみたけど、やっぱりいない。トイレも、お風呂も、ベランダも。いくら探し回っても、どこにもいない。玄関の戸を開けて外をのぞいてみたけど、やっぱりいない。僕を置いて出かけてしまったんだろうか。ずるいし、ひどい。確かに僕は寝
2016年10月2日 08:19
初めて清美を見たとき、あまりの美しさに言葉が出てこなかった。一緒にいた女友達が「すごいきれー」と口にすると、清美の表情は突然曇り、目をそらせて右手をパタパタした。「ちがうちがう」とでも言うように。清美と仲良くなってから感じる。彼女が一番美しくないのはその美しい造形を褒められたとき。私は、初対面で彼女の容姿をうっかり褒めなかったがために、彼女のお気に入りになったようだった。そうとしか考えられない