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RFM分析を使用したユーザーセグメント設計

この分析が必要になるケース

ToCのビジネスにおいては、自社のユーザーにはどんな特徴のあるユーザーがいて、その構成はどんなものであるのかを把握する必要がある。
健康診断のように定常的にそのセグメントごとのユーザーの変化をウォッチすることで、自社の状態を正しく評価したり、ユーザーと適切なコミュニケーションがとれるようになる。

ユーザーセグメント設計の流れ

セグメントに使用する指標を決める

RFM、会員ランク、購入商品カテゴリ、エリアなどビジネス戦略に合うものであれば何でも良い。
基本集計を色々と試してみて、ビジネス戦略に適したセグメント分けができそうなものを探る。
ただ基本的にはどのビジネスも最終的に売上を伸ばすことを目的としているため、RFMの指標を使ったセグメント分けに落ち着くことが多い。
そのため、このあとの説明ではRFM分析を使用したセグメント設計の流れについて解説する。

アクティブユーザーとみなす期間(対象とするRの範囲)を決める

ビジネスモデルに合ったアクティブユーザーの期間を決める。

  • 購入頻度のあまり高くない商材であれば1年

  • スマホアプリなど、利用頻度の高いサービスなどであれば6ヶ月

など。
その期間、購入・利用がないユーザーは離脱ユーザーとする。

アクティブユーザーをFMを使用してセグメント分けする

アクティブユーザーを対象にセグメントを設計していく。

①FMをそれぞれ軸にしてざっくりユーザーの構成を把握

  • 商品の単価の金額帯が大体同じの場合

    • FとMの増加が比例するため、斜めのラインにユーザーが集まる傾向にある

  • 一回当たりの購入金額に差があるような場合

    • Fが高いがMは低い、またはFは低いがMは高いユーザーも存在するため、3つのゾーンにユーザーが分かれて存在する傾向にある

②セグメント分けを決める

  • 商品の単価の金額帯が大体同じの場合

    • FとMは比例するため、Mのみ(もしくはFのみ)でセグメント分けすることができる

    • 基本的なユーザーの購買パターンをもとに、それよりも少ない・多い場合で分けるとユーザーの行動を反映しやすいことが多い

例:消費財メーカー
  • 一回当たりの購入金額に差があるような場合

    • FMどちらも使ってセグメント分けする

    • 基本的なユーザーの購買パターンをもとに、Fの分類を決め、F×単価でMの分類を決める

例:配達サービスアプリ

セグメントの動向を観測するためのダッシュボード開発

セグメントの定義が決まったら、そのセグメントの動向を定常的に観測できるようにダッシュボードを開発する。

①過去のデータも含めてユーザーごとにセグメントを割り振る

月次スナップショットでユーザーごとのセグメントを付与したテーブルを作っておく。

データ例

②ダッシュボード化する

セグメント別のユーザー数、セグメント間の遷移、エリア別など何かの集計軸と掛け合わせたユーザー数などを可視化しておく。

補足

セグメント設計には今後のビジネス戦略をどうしていきたいのかという意思を反映させる必要がある

例えば、高価格帯の商品のユーザーを増やしていく、などといった計画がある場合は、それを考慮してMの閾値などを決めていく必要がある。

セグメント設計は定期的な見直しが必要

ビジネス戦略の変更や環境の変化などによって、自社のユーザーをどう構造化するのが適切かどうかは変わってくる。



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