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魔法への冒険3: みんな精一杯

優しい声で辛いときに自分に「今は辛い時なんだ。」と言い聞かせてあげる。そして、その辛さを大げさに捉えるのではなく、等身大の辛さを柔らかい声で受けいれる。そして、その辛さは人間である以上避けられないことで、このネガティブな感情においても(ポジティブな感情だけではなくて)みんなと繋がっていることを再確認する。私の心の中で辛さを感じる度に、始めは難しかったけど、少しずつ心を大きな温かい思いやりのお風呂に入れてあげました。すると少しずつ、自分の中に魔女の様な女神の様な、いつも優しい言葉をかけてくれるそんな存在がよく現れる様になりました❤︎

過食症になる前までの自分は「私ってポジティブな人!」「私って社交的な人!」「私って意外と頑固な人」という様な色々なセルフイメージがありました。過食症になってからは、ディズニー映画のモアナの伝説と海に出てくる心を失ったモンスターの様に、自分の中が大荒れになっていました。そんな時、このセルフコンパッションを持つことは魔法の呪文の様に、私の中に眠っていたテ・フィティ(モアナの伝説と海に出てくる女神のキャラクター)を呼び起こしてくれました

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心理学で有名なInternal Family System(内的家族システム療法)と呼ばれる心理療法のアプローチでは、私達の心は変わらない一定のものではなくて、多くの服人格(「パーツ」と呼ぶことにしましょう)からなっていると考えられています。例えば、私の場合過食症になる前と後で大分性格や心の状態が変わった様な気がしました。でもそうではなくて、元々私達の中には多くの「パーツ」が存在していて、私達の周りで変化が起こると、それに連なっていくつかの「パーツ」が活性化します。だから、環境の変化と共に(私の場合は大学生から社会人への大きな変化と共に)、心に現れる「パーツ」が変わったのだということです。だから、その時に心に現れる「パーツ」について知れば知るほど、実は私の本質は全く変わっていなくて、偶然その時だけある「パーツ」が活性化していたんだなと実感することができました❤︎

もし私達の頭の中の認識できる部分(無意識下ではなくて意識下)が、下の絵の様なリビングルームだったら、外の環境で起こることによって、このリビングに登場する「パーツ」は異なってきます。ある時は赤ちゃんの様に甘えたいパーツ、違う時は悪魔の様に意地悪がしたくなるパーツ、あるいはとにかく過食をしてしまうパーツなどです。これらのパーツは時と場合によって登場したりしなかったりします。そして、もう1つ重要なことは、本当はリビングではない他の部屋に(無意識下に)常に違う「パーツ」もいるということです

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更に、この1つ1つの「パーツ」はそれぞれのストーリーを持っています。そして、そのストーリーを聞けば聞くほど、彼らはみんな私達を助けようとしていることが分かります(感動)

自分の過食にまつわる本当に色々なストーリーがあるのですが(笑)、良い例になると思うので、その中から1つあるストーリーをお伝えしたいと思います。私の過食ですが、実は寂しい時によく起こります。過食をするパーツを「ハングリーモンスター」と呼んでいるのですが、このハングリーモンスターに彼女のストーリーを聞いてみました。すると彼女は彼女の視点から見たストーリーを私に教えてくれます。

ハングリーモンスター:会社に入ってから、あなたの身体はとっても痛みを感じている。慣れない新しい環境に入って、誰にも友達がいない上に、上司や周りの人から批判されて、ピリピリしているよ。身体は疲れ切っている一方で、頭はどうしていいかわからないくて疲れ果てているよ。誰の前でもリラックスできなくて、でも誰か温かい存在に見守られながら身体をリラックスさせたいし、それを考えると余計寂しくなるし、どこかで発散しなきゃヤバいかも。これは緊急事態。私が身体の疲れを癒して、頭を砂糖でいっぱいにして、考えなくていい様にしてあげる。よし、過食!

ハングリーモンスターは、実は一生懸命私の身体の疲れと頭の疲れから救ってくれようとしていました。更に寂しさのあまり孤独を感じていた私にも、甘いお菓子を使って心身共にリラックス出来るスペースを作ってくれようとしていました。これが理解できる前まではハングリーモンスターを自分から追い出したくて、とても批判的な対応をしていました。だからそんな時、私は私の中でいつも批判することを担当する「厳しいマダム」さんを呼び出していました。

厳しいマダム:ハングリーモンスターが出てくると、Emilianaの周りからの評価が下がるの。批判されて昔とても辛い思いをしたの。そんな辛い思いはもうさせない!だから、私がハングリーモンスターを追い出してあげなくちゃ。今からいっぱいお仕置きをするから、もう戻ってこないで。

厳しいマダムは私のことを他者から批判され無いようにを守ってくれようとしています。でも、そのやり方が批判をすることなので、私の心の中は実は余計荒れてしまっています。この様に、多くの「パーツ」は本人を救うために小さい頃から発達し、出来上がります。セルフコンパッションを持ってこれらの「パーツ」に話かけると、その「パーツ」がどの様に本人を守ろうとしているのか、そしてどういった背景でその役割が出来上がったのかを知ることが出来ます。当然ながら、私達の中に対立するパーツがいくつか存在します対立が続く限り、過食症の様に、私達の心の中に平和を作ることはできません

ここであの魔女だか女神だかの温かい存在の出番です。思いやりと好奇心を持って「パーツ」の話を聞きますそしてそれぞれの「パーツ」に何をして欲しいか聞きます。大抵の場合、「パーツ」は過去のトラウマをもう一度起こさないために、トラウマから本人を守るために発達します。でも、子供の時に考えつき発達した本人を守るための機能は、不十分なものが多いです。だから、その守るための行動が(私の過食症の様に)私達に傷をつけるようなものもあります。そんな時は魔法の温かい存在のアドバイスを聞きます。すると、それは「パーツ」に「あなたはEmilianaを助けようとしてくれているね。ありがとう。でも今のやり方はあまり効果的じゃないみたい。だから一緒に他のやり方を考えよう。」と話しかけ、そっと寄り添ってくれます。このプロセスを通して、私の心はずっと平和になりました。例えば、私の行動を律することで家族との繋がりを持とうとしていた「罪悪感のパート」は、「許しのパート」となり、間違いを許すことで家族との繋がりを持とうとするという役割に変わりました。このプロセスを経て、私は自分の中に実はいつも居たマジカルなパワーを持つ温かい存在に守ってもらう方法を覚えました❤︎

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