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魔法への冒険3: 自分への思いやり

私が自分のネガティブな部分を隠さずに周りの人に打ち明けられる様になったとき、よく皆んなは私に「自分をもっと大切にすればいいのよ」とアドバイスしてくれました。よくカリフォルニアのスピリチュアルなインフルエンサーが言うみたいに、「love yourself first (自分を愛して)」とよくアドバイスされました。でもね、私にはとても難しくて、あまりの難しさに、もっと自分に批判的になってしまいました。「なんで自分を大切にしなきゃいけないんだろう?自分を大切にすることすら失敗しているのに。」と、負のループに入っていました。

それもそのはず。エレーヌ・フォックスさんが書いた「Rainy Brain, Sunny Brain.」 The New Science of Optimism and Pessimismという本に、何もかもうまくいかないと思いこんでいる極端な不安症の人や抑うつ症の人はもちろん、もっと程度の軽い人まで、悲観的な人はみな、人生の明るい部分よりも、暗い部分に目を向けがち、難題にぶつかるとそれを、何かのチャンスとしてではなく、障害としてとらえてしまう脳のパターンが反応しやすくなっています。だから明るい絵と暗い絵を同時に見ても、ネガティブな人は暗い絵に反応しやすくなってしまっているし、その習慣を変えるのは難しいです。だから、私にとってはそんなアドバイス、全然役に立ちませんでした。そんな時、「セルフコンパッション(自分に向ける思いやり)」というアイディアに出会いました

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セルフコンパッションとは、自分への思いやりを意味します。元々仏教伝来の概念であり、”あるがまま”を受け入れるための心のあり様のことを指します。分かりやすく例えると、他人に対する思いやりを想像して見てください。大切な友達が傷ついているとき、批判をしたり怒ったりして、悪い結果にだけ注目しませんよね?きっとその友達の様々な感情や思考を受け入れ、ネガティブな経験は人間である以上避けられないことであることを理解し、その苦しみから解放される様にそっと側で慰めてあげるのではないでしょうか?この心のあり方を自分自身に向けることがセルフコンパッションです。悪い結果から目を逸らせて「self-love」と言うのではなく、それを受け止めた上で「人間だもん、しょうがないよ」と温かく接することです。

競争社会の中で、私達の物の見方は必要以上に自分自身に対して批判的になってしまったと思います。効率的な人間だけがあたかも評価されるようにメディアは私達にコミュニケーションします。そんな効率的な人間だけを目指すなら、人間じゃなくてコンピューターでも良さそうですよね(笑)。それに、一見良い事を言っているような宣伝文句も、実は私達に自分に批判的になるように促している場合も多くあります。例えば「ありのまま」を歌っているキャラクターは若い白人の美しい女性です。「ありのまま」で社会に受け入れられる為には、あそこまで美しくなければいけないのでしょうか?そんなこんなで知らずの内に私達は批判的になってしまいました。私も例外ではありません。

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更に最近の私達の社会は著しく変化しています(COVID-19の後なんて、ニュー・ノーマルに慣れていくだけで精一杯じゃないですか)。変化を経験する時、つまり新しい経験をする時、当然ながら失敗も増えます。その際に今までの様な批判的な目で自分自身を見てしまうと、その時に起こる怒りや悲しみは形を変えて他人に当たってしまったり、または自分を責め鬱になったりしてしまいます。だからこそ、ネガティブな感情を優しさで消化する方法が個人の中に必要なのに、私達はその反対をして、自分達をどんどん批判的に攻めてしまいます

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私が出会ったネガティブな感情の消化方法は、セルフコンパッションでした。セルフコンパッションは3つの要素から成り立ちます。それは、”①自分への優しさ”(失敗をした時に厳しい言葉ではなく、自分に優しさを持って接する)、”②マインドフルネス”(過剰に否定的に現実を捉えるのではなく、ありのままを捉える)、”③共通の人間性”(人間にとって悲しみというのは避けて通れない、ごく自然なことだと理解する)です。流行りの「self-love」みたいなのでは説明されてないけど、この3つのポイントってすごく大切なんです!悲しいとき、私が過食症で酷かったとき、私は自分の過食症の影響を過度に評価していました。「このまま健康被害が出て、仕事も出来なくなって、食べるためのお金もなくなって、友人や家族から見放される」と本気で思っていました。でも、そうではない。優しい声で辛いときに自分に「今は辛い時なんだ。」と言い聞かせてあげました。そして、その辛さを過剰に捉えるのではなく、そのまま辛さを柔らかい声で受けいれる。そして、その辛さは人間である以上避けられないことで、みんなと繋がっていることを再認識します。これは全て本当のことだし、だから私の脳も変に拒否反応を起こさずに受け入れられました。何だか自分の中に温かさが産まれた様な感じがしました。

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そしてこれを繰り返す内に、実は自分自身の中にその声がもともとあることに気づくようになりました。。。❤︎これが私の一番の魔法の力の存在で、このパワーから振る舞うと私は魔女のようなマジックを自分の中に感じました


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