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魔法の使い方

ここまで、27年間の私の人生の中で一番大変だった過食症を通して考えたことや発見出来たことを、私のオリジナルな表現方法で(笑)書き綴ってみました。本当はもっともっとあるんですけど、とりあえずこれ位で。

これを書くに辺って、自分が21世紀の日本の社会で女の子から女性になるに当たって体験した様々な経験と見解をどうしても自分より少し年下の方々に伝えたかったという思いが強くありました。なぜかというと、私が中高校生や大学生の時、社会に流されるのではなくて、強く自分の意思と経験からアドバイスをくれる人が欲しかったからです

社会で生きていく上で、私達は様々な影響を知らずのうちに受けています。私は以前文章の中で、人によってチャレンジは違うけど、そのチャレンジとはその人が持つ思いこみが見直されるべきタイミングにあるとき(またはその人の可能性を狭めているとき)に訪れると書きました。私の中にあった思い込みの1つに「私は何か努力をしていないと価値のない人間だ」というのがありました。きっとこの思い込みは私だけのものじゃないと思います。むしろ、今読んでいらっしゃる方の中に、「それ普通じゃない?」と思い込みとすら思っていない方もいらっしゃるかもしれません。当時の私は社会に受け入れられる為だけのために、着たくもない洋服を着て、したくもないダイエットをして。人生の多くの時間を他の人から認められるためだけに使っていました。特に私の問題は食べ物にあったので、少しこのテーマについて書きたいと思います。

私が過食症になった理由は、周りからの私の見た目への批判が原因でした。まぁよくよく今考えてみれば、「他人の意見は正しい」というのも、「他人から受け入れられなければいけない」というのも思いこみにすぎないのですが。話が少しずれてしまいましたが、当初は「他人から指摘されるということは、努力が足りないんだな」なんて思ってダイエットをしていました。徐々に体重は減ったのですが、それでもその「自分は努力していないと価値がない」という信念は消えず(だってその考えを見直そうとしなかったから)、結局そのダイエットに身体が耐えられなくなり過食症になってしまいました。そし本当にやらなければいけなかったのは、きっとその「努力が足りない」とか「私は何か努力をしていないと価値のない人間だ」とかの思い込みを見直すことだったのですが。

でも、こんな風なループにハマる人は沢山いると思うのです。だって今の社会はこのループにハマるようにある程度デザインされているから。例えば、よくメディアが女性の見た目に過剰に価値をおいているといいますよね?これ、本当にそうだと思います(笑)。

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心理学の分野でセルフ・オブジェクティビケーションというコンセプトがあります。これは、人が自分自身を人間として捉えるのではなく物として捉えることを意味します。メディアなどが人を人間としてではなくて物の様に扱うことを促すと(例えば、メディアで女性の身体を男性の快楽のために使っているシーンなどを流すなど)、それが今度はメディアを観ている側の人がそれを自分自身の考え方に当てはめ、自分自身のことを人間ではなく物として捉える様になると言われています。私達が人間としてではなく物として見られるのであれば、痩せていて美しい方が価値があるし、きっと効率が良い方が価値があるのかもしれません

でも、なんでメディアはこんな情報を伝えたがるのでしょうか?誰もそんな情報なんて本当は聞きたくないですよね?実は資本主義の社会のシステムと関係があるんです。様々なリサーチでマテリアリズムとセルフ・オブジェクティビケーションには相関関係があると言われています。どういうことかというと、物質主義(物を持ったり買うことを評価する考え方)の人の方が、自分のことを人間というより物として捉える傾向が多いということです。なぜかというと、もし自分自身のことを人間ではなく物として判断していたら、自分の価値を上げるためにはより高価だと思われる物が必要になるからです。もし高い物を身につけていたら、自分という物の価値も上がると考えるのです。資本主義の社会を発展させるためには、この様なメディアの情報の伝え方が必要だったのかもしれません。これを知った当時の私は社会に対してとても腹が立っていました。最近メディアで「アンチ・ダイエット」などのタグで、今までのメディアの考え方に対して批判をする人達がいます。実は私も「アンチ・ダイエット」の考え方に賛成していたのですが、自分の魔法の存在を知ってからはそうじゃなくなりました

この魔法の存在は、どんなことに対しても思いやりと好奇心を持って接しられる存在です。もしこの様な内容を作るメディアにその魔法の存在が「どうしてこんなことをしたの?」と聞いたら、何と答えるでしょうか?私は案外ポジティブな物なのではないかなと思います。もし仮に、本当にメディアが資本主義のシステムを保つためにこの様な情報を流していたとしたら、それはきっとある意味、私達のためだったんだと思いますだって資本主義のシステムがなかったら、きっとスーパーに行っても食べ物が今みたいに揃ってないだろうし、最新のテクノロジーだってなかったと思います。きっともし魔法の存在がそんなメディアに話かけるとしたら、そのポジティブな役割を理解して、そしてその上で新たな役割やバランスを考えるんだと思います

そんなこんなで、とにかく書きたいことを綴りましたが、少しでも楽しんで頂けていたらいいな❤︎と思います。これを機に、心理学の色々なテーマでオンラインで講座を開講しようと思うので、是非遊びに来てください。

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では皆さん、HASTA LUEGO❤︎

【謝辞】実はこの本は、豊田自動織機の社長・会長を歴任なさった故豊田芳年様の次世代への思いを元に設立された「心豊かな社会をつくるための子供教育財団」から頂いた助成を元に書き上げました。ここに感謝の意を表します。


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