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赤ちゃんの存在が涙を笑顔に変えてくれた#生後197日目。

里帰り4日目。
PCR検査で陰性証明が取れ、対面でおばあちゃんに会えることになった。

施設に入っている92歳の祖母。
数日前から食事を摂れなくなり、先が長くないと聞き、娘なーちゃんと二人、急遽北海道へ帰ってきた。

看取りだから面会はいつでもできると聞いていたけど、市外から来た人は陰性証明がなければダメと…
初日は結局LINE通話での再会。
急いで検査に行って、今日、対面で会うことができ、本当によかった。


先に面会した従兄弟たちから、目も開けられなくなったと聞き、急いで向かった。

部屋に入って話しかけると、おばあちゃんの目が力強く開いて、こちらをしっかりと見てくれた。
母は、「きっと最期の力を出してくれてるんだね」と言ってこらえきれない涙が溢れていた。


祖母は、母が12歳のとき病気で夫を亡くし、一人で八百屋を切り盛りしながら二人の子どもを育て、大学まで送り出した。

強くて厳しい人。

祖母のイメージだ。
就職で上京して、転職を何度もしたり、九州に移住したり、遠くでなかなか落ち着かない暮らしをする私は、いつも心配されていた。

強くて厳しい祖母。
痩せて寝たきりで声も出なくて、
それでも力強い眼差しでしっかり見てくれて、なーちゃんを見てニッコリ優しい顔で微笑んでくれて、声は出ないけど、こちらの話す声に反応してくれて、「えみちゃんしっかりやるのよ。がんばりなさいね」と言っているような姿に、涙を止めるのが難しかった。


そんな中で、なーちゃんは天真爛漫にニコニコしながら、声を出しておばあちゃんにお話かけている。手を伸ばしてお顔を触ったり。おばあちゃんも嬉しそう。

もうすぐ最期かもしれないと感じる悲しさや寂しさが漂う中、そんなことは何も感じず、真っ直ぐにおばあちゃんと向き合うなーちゃんの純粋なニコニコエネルギーが、その場にいたみんなをいっぱい笑顔にしてくれた。

おばあちゃんの築いてくれた道が、これからも続いていくことを体現してくれている。

希望をいっぱい感じさせてくれた。

会えてよかった。
なーちゃんを一目と言わずたくさん、見てもらえてよかった。

会いに来れて、よかった。

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