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暗唱できるほど何度も声に出して読みたい本『猫がいなきゃ息もできない』#毎日note6日目

斎藤孝さんの著書『声に出して読みたい日本語』をお風呂で声に出して読んでみました。

この本は、「目で黙読するのではなく、大きく声に出して詠みあげること」を目的に作られているそうです。

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「どっどど どどうど どどうど どどう」
宮沢賢治の『風の又三郎ほか』
「まだあげ初めし前髪の」
島崎藤村の『初恋』
「石炭をば早や積み果てつ」
森鷗外の『舞姫ほか』

「腹から声を出す」「あこがれに浮き立つ」「リズム・テンポに乗る」「しみじみ味わう」「季節・情景を肌で感じる」「芯が通る・腰肚を据える」「身体に覚え込ませる・座右の銘」「物語の世界に浸る」

テーマごとに、様々な名著の一部が掲載されています。

全部読んだことがなくても、その一部分を声に出してと、物語の世界観にぐっと入り込める感じがしました。

お風呂の中で声に出してよむと、声も響いて楽しくなります。

斎藤孝さんは、はじめにの中で「暗唱・朗誦すること」についてこう話しています。

ここにとりあげたものは、日本語の宝石です。暗唱・朗誦することによって、こうした日本語の宝石を身体の奥深くに埋め込み、生涯にわたって折に触れてその輝きを味わう。こうした「宝石を身体に埋める」イメージで楽しんでください。

んー!おっしゃる通り!

声に出して読むって身体全部で物語を味わえる感じがして、読書の体験が広がるようでした。

この本には載っていませんが、個人的に何度も声に出して読みたい本を紹介したいと思います。

猫がいなけりゃ息もできない

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「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズなどの作家、村山由佳さんの『猫がいなけりゃ息もできない』です。

タイトルと帯のコメント「もみじ、もみじ、愛してる。早く着替えて、また戻っておいで。」だけで、涙が出ます。

今は軽井沢の大きなお家で、5匹の猫さんたちと暮らす村山由佳さん。

”人生の荒波をともに渡ってきた、盟友<もみじ>17歳”。

もみじとのさいごの一年を、リアルタイムでつづったエッセイです。

もみじが、とっっってもかわいい。

そして、村山由佳さんと一緒に生きてきた、一日一日の日々がとても愛おしく、やさしく、チャーミングにつづられています。

NHKの人気番組「ネコメンタリー猫も杓子も」に、もみじが出演したときのセリフ。このセリフが載っていて、何度も何度も声に出して読んで泣いて。いつも間にか暗唱していました。

※「ネコメンタリー」をまとめた本、『もの書く人のかたらわには、いつも猫がいた』にも掲載されています。

なあ、かーちゃん。いっつもうちに訊くやん。あんた、かーちゃんとこへ来て幸せやった? って。うちには、幸せ、てようわからん。けど、これだけはわかるで。かーちゃんは、この世でいちばん、うちのことが好き。うちは、この世でいちばんかーちゃんが好き。ソウシ、ソウアイや。ええやろ。……な?


人間も生き物だから命に限りがあるとわかっているけど、正直まだリアルに実感は持てていない。

でも、ねこは人間より寿命が短くて、きっと私たちより先にいってしまう。

ちょろ(愛猫)はまだ5さいだから、まだまだこれからいっぱい一緒にいられる、そう思うけど、永遠には一緒にいられないんだということも感じる。

今を大切にしようと、思い出させてくれる頼もしく愛おしい存在だ。

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     (写真は冬支度でもふっとしてきたちょろさん)

愛おしい気持ちは、元気が出る。

声に出して読むことで、元気が出る。

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