別れの予感
ふとした瞬間に、「あぁ、この人と関係は終わったんだな」と感じる時がある。
まだ蜜月の日々を送っていたとしても、何かの折に、今までとは異なるエネルギーを相手から感じ取り、そのエネルギーが今の自分には適さないと察した瞬間、「あっ・・・」と悟るのである。
こうした「別れ」の予感は、大抵は当たる。
悲しいけど当たっている。
その場合は、執着しないでさらり手放す。これに尽きる。
最近も、それを感じる瞬間があった。
だけど、別に悲しくもなく、淋しくもなく、そろそろ別々の道へ別れなくてはいけないのだな・・・と思った。
長いこと生きていると、様々な出会いを体験し、また様々な別れも体験する。
完全にバッサリ切らなければいけない別れもあれば、一時的に流れを断ち切るだけの別れもあり、また、自然消滅でスーと消えていく別れ方もある。
いろんな出会いと別れを体験しながら、人はその自らの体験を通して「人を見る目」を養い、人間関係のスキルを高め、判断力と決断力を鍛え育み、精神的に自立した大人へと成長していく。たくさんの人のなかで暮らし、人にもまれながら、人は社会性を磨く。そして成長する。生きていく上で「出会い」と「別れ」は、人間の人生には無くてはならない大切な要素だ。これがあるからこそ、人生はドラマチックに展開するのだ。
だから「別れ」を決して忌み嫌ってはいけない。別れは決して悪いことではなく、尊い経験なのだ。相手を手放すことで、自分の中に「何か大切なこと」がコロンと芽生え、新しい気づきへと導いてくれる。
人生で起きる出来事に良いも悪いもなく、自分にとっても相手にとっても、全ては「必要な経験」なのだ。必要なことならば、潔く受け取るしかない。逃げることも避けることも、どちらも不自然だし、遅らせたり誤魔化すことも不自然。一番は、自然の流れに乗っかり、素直に事実を受け入れて、流れに合わせて行動していくことだ。
ならば、終わりを感じたのなら、そのまま終わる。流れに逆らわず、流れに身を任せる。そして手放す。執着しないで潔く手放すのだ。
こうして「終わり」を迎えた関係は、その形は消えてしまっても、あの時あの瞬間に放っていた「光」となり、私たちの魂に「記憶」として刻まれている。思い出として懐かしく輝かしく・・・。
ありがとう、さようなら。
そっと手放した後も、私たちの人生はそれぞれの道へと続いていく。
心に刻まれた「美しい光」を汚さないように気をつけながら、私たちは強く生きていく。過去に執着しないよう「今の自分」に集中し、それぞれの未来に向かって生きていくのである。
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