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4.季節に合った生活と食事

鍼灸治療を紹介する小冊子を作成しました

10月に鳥取県八頭郡八頭町で鍼灸院を開設しました。
鍼灸治療院が少ない地域のため、鍼灸施術を受けたことがない方が多いです。
そのため、はりきゅうについて知れるようなものを作って欲しいと
リクエストいただき作成した小冊子。

内容を少し編集して、Instagramとnoteに投稿しようと思います。
『元気な身体のつくりかた 〜心身の健康と東洋医学〜』
1.健康とは
2.西洋医学と東洋医学の違い
3.鍼灸治療について
4.季節に合った生活と食事
5.呼吸と運動
6.こころ



【4.季節に合った生活と食事】

食事について

まず初めに、食事について。
私はお料理教室が大好きで20代の頃から数えきれないくらい通いました。
現代栄養学的なお料理教室や、それからマクロビオティックのお料理教室まで。

マクロビの調理方法をするようになってからは、毎日の料理ではお砂糖を使わなくなりました。
玄米は食べたり食べなかったり。
お肉とお魚を毎日食べなくても良いと身体が感じるようになってからは、お野菜が多い食事です。

お砂糖を摂取する量が多すぎると、やっぱり身体が怠くなります。でもすごーく疲れている時には甘いものが食べたくなるので我慢しません。
鳥取に来てからは、それもすごく減りました。

いろんな健康に関する食事の考え方がありますが、食べたいと思うものを食べるのが良いと思います。

「これは身体に良くない」「これをもっと摂らないといけない」と頭で考えて食べるより、楽しくて心が満たされる食事や食事空間の方が、元気が出ます。

“食事は心が満たされるもの”

なんでもある現代では、「お腹の前に心が満たされる」ことを基準に食事を選択するのが大事かなと思います。
外食してお店で食べるのでも、お家で手作りのご飯を食べるのも、スーパーのお惣菜を食べるのも、ただお腹を満たすためだけに食事を摂ると考えるより、自分の心が癒されて満たされるものを選んでみて欲しいです。

何を食べても満たされないと感じるなら、それは健康な状態ではないのかもしれません。

毎日の食事を楽しみにしてくれるお店の方や、料理を作ってくれる家族、食品の生産者の方に、それから、それを食べられる自分の身体に、感謝して食べることを習慣にしたいです。

呼吸を大切にしていると、食事の味わいも変化します。
呼吸については、また別のページで。

ここからは季節のお話

季節の移り変わりは、身体に大きな影響があります。
人の身体は自然と一体だからです。
病がどの季節に発症したか、鍼灸師は必ず患者さんに確認します。

春 目覚めの季節

4月上旬 八東川のほとり

寒い冬は内にこもっていた動植物も、気温の上昇とともに芽吹き、
冬眠から起きてきます。

人の身体機能も春の気候と同様に、内側から外側に向かって働くため、
身体の中にため込んでいた老廃物が出てきやすく、
花粉症や皮膚の湿疹を起こす人が多くなるようです。

春に取れる山菜は苦みが特徴的であり、
苦み渋みは身体にとってイヤなものなので
身体の毒素と一緒に外へ排泄してくれる作用があると言われています。

また、気分的には「何かを新しく始める」という気分になりやすく、これも外向きの気候の影響です

日本の学校は4月が新学期ですが、この感覚に違和感を感じないのは
春の芽吹きの季節のおかげかもしれません。

夏 成長の季節

8月上旬 智頭町の「小鳥のcafe Quince」

熱い夏は成長の季節。
汗をかくことや活動することで、エネルギーを広げて、人間としての器を大きくすることが大事です。

本来は自律神経の働きで体温調節をしますが、現代はストレス、睡眠不足など、生活習慣の乱れで機能が失調している人が多くなっているようです。

汗が上手くかけず体温を調節出来なくなると、夏は命の危険を伴います。

異常気象により災害が増え、気温は高くなりすぎて、屋外で過ごすのも危険に感じてしまうような夏の期間が多くなりました。
このまま夏を存分に楽しむことが減ってしまうと、とても悲しいです。
どうすれば豊かな自然環境を戻せるのでしょうか。

夏は新鮮な野菜、水分が豊富で身体を冷ましてくれる食べ物が旬になります。
身体は冷える過ぎると巡りが悪くなりますので、過剰に冷えすぎないように気を付けてください。

秋 実りの季節

11月下旬 八頭町はフルーツの町

春夏と外向きに活動した自然界と人間。
その後は収まらなければなりません。

広がりすぎると世界はバラバラに、散ってなくなってしまうからです。
拮抗するエネルギーの力で、この世界は保たれています。

内側へ内側へと気が動くので、秋になると気分が沈む人は心が自然のエネルギーと同調しているからです。
自分自身の内側を見る(内観)には秋冬がちょうど良い季節です。

次の春の芽吹きの時期に向けて、自分自身のことを深く考える時間にしたいです。

また、夏に成長した植物たちはたくさん伸びて成長をして、秋にその成長を止めて、ギュッと実を結びます。

成長が止まり実を結ぶと、青々としていた葉は赤くなり、茶色くなり、
やがて土と同じになって、自然に返っていきます。
 
秋は少し悲しい季節ですが、その分、無事に実った果実や作物の恵みを楽しみたいです。

冬 蓄える季節

12月下旬 南天の木に雪が積もっていて美しかった

様々な動植物が、種を残すために、次の春にたくさん芽吹くために、
エネルギーを蓄えるのが冬の季節です。

ジャンプする前の、グッと脚を曲げてしゃがむ動作のようです。
少し後戻りしたり、振り返ったり、次のために準備する時間。

寒くて何も出来ないように感じる人、不安に思う人もいるかもしれませんが、必ず来る春を穏やかに待ちましょう。

冬はさまざまな感染症が流行します。
『風邪を引く』と言いますが、
この「引く」という表現には「引き込む」という意味があります。
風邪(ふうじゃ)を身体の中に引き込んでしまうと『風邪を引く』のです。

冬に風邪を引き込んでしまわないようにするためには、適度に身体を動かして、身体を温めます。
活動しすぎたり発汗させすぎると身体が冷えてしまうので気を付けたいです。

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