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日本サッカーがループしないために

2010年南アフリカワールドカップから、2014年ブラジルワールドカップへのサッカー観の転換は失敗に終わった。

ポゼッションサッカーを志向したものの、グループステージを突破できず、やはり日本はサッカー後進国だ!弱者の戦い方をするべき!と塩漬け手倉森サッカーやデュエル信者ハリルに手を染めた。そこからのショートカウンター西野を経て強度マシマシ森保にたどり着く。そしたら、またポゼッションが必要なのでは、という意見が選手たちからふつふつと湧き上がっている。

このループを止めなくてはいけない。その主役は堂安や久保っちだろう。タイムリープの経験者的ポジションに本田圭佑がいるのは胸熱展開である。

ここで、素人的に思ったことを書いてみる。

このポゼッションなのかカウンターなのかといった、スタイルやビジョンに論点が行ってしまうのが問題なのではないか。

今回のワールドカップで悔しい思いをした点は、攻撃の部分だ。それはコスタリカ戦にもクロアチア戦にも言える。とはいえ、今回のワールドカップで点が取れなかった訳では無い。日本代表も点を取ることはできる。

ということは、ここで重要なのは今回のワールドカップで得点したような形を多く作り出せるようにすることだろう。

スペイン戦のように、いかに堂安が(どんな相手にも)「あそこは俺のコース」と言える場所で左足を振り抜けるのかを追求するべきである。いかにポゼッション率を高めるかではない。

ゴールに辿り着ける筋道を多く持っておくことのほうがスタイルより重要

今までのゴールシーンからスタイルが構成されていくボトムアップ型のスタイル論が現実的なのではないかと思う。そのためには、今までのゴールシーンを精緻に分析し、膨らませていく。守備に関しても同じことが言える。何をすればどんな相手でもゴールシーンを再現できるのか、何をすればどんな相手にもクリーンシートを再現できるのか。

ハイラインでプレッシングをかける守備や低い位置からの丁寧なビルドアップがこれまでの勝利の再現性を高めるならそうするべきで、ブロック守備や、セカンドボール狙いのロングボール攻撃が再現性を高めるならそうするべきだろう。


そもそも技術があれば、どうやったってポゼッションしてしまう論はあると思う。

カウンター志向の強豪国も相手が弱小国となれば、ポゼッション率は高まる。(コンテスパーズは除く)

ロシアワールドカップで優勝したフランスはベルギー相手に支配率36%だった。しかし、グループリーグではオーストラリア相手に55%、デンマーク相手には68%だ。(ペルー相手に43%なのは黙っておきたい)(カタールワールドカップではデンマーク相手に48%なのも黙っておきたい)

こちらは個の技術は圧倒的にあるが、相手は個の技術はない上に雑なビルドアップと雑なプレスを仕掛けてくるとなれば、奪いやすく奪われにくくなる。そうなれば自然とポゼッション率は高まる。だから、スタイルとしてやろうとする必要はなく、個々の技術がとんでもなくなれば、ボールを持たせてくる相手にはボールを持つし、ボールを持たせてくれない相手にはボールを持たないというサッカーで応戦が可能だ。

GKにアリソン、ディフェンスラインに怪我をしない冨安が4人、中盤にクロースカゼミロモドリッチ、前線に三笘とハーランドとメッシが揃う日を待ちたい。そのためにもサッカー協会は育成を頑張れ。


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