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私たちの出会い

 私たちの出会いは高校です。

 同じ学科、同じクラスでした。

 私たちがいた学科は1クラスしかないため、おのずと3年間一緒になります。


 特にすることはないのですが、私は小学生の頃から、人が少ない時間に登校するタイプでした。

 人がいっぱいいる中にいたくなかったのかもしれません。

 毎朝、私よりも早く登校して、窓側の柱の席で腕を組んで下を向いてる男子がいました。


 それが今の主人です。


 眉間にシワを寄せて、何を怒っているんだと思うような怖い顔で、腕を組んで下を向いているのです。

 主人にも言ったことがありますが、声をかけたら殴られるのではないかと思うほどに怖い顔をしていました。


 「絶対に声はかけちゃダメだな」


と、毎日ビクついてたのを思い出します(笑)


 それでも話すようになったのは、そんな遅くもなかったと思います。


 選択授業(音楽・書道・美術)があったのですが、移動教室だったので教室に入るまでは、誰が同じ授業を受けるか私はわからなく、少しワクワクしていました。


 そんなワクワクの中、教室に入るとあの強面男子が既に着席しているではありませんか。

 まさかの強面男子…同じ選択授業………。

 「うわぁー…この人同じだったんだ」と思いつつ、黒板に貼ってあった席順を確認すると…


 まさかの通路を挟んで隣り…


 正直「終わった…私の人生終わった………」と思っていました(笑)


 だからと言って「隣りが嫌なので座りません!」なんて言う訳にもいかないので、黙って座って授業が始まるのを待ちました。


 始まるまでずっとビクビクしてましたが、授業が始まって、そんなことも忘れかけてた時に、メモをとるのに筆記用具をあさっていると

 「ねぇ」

隣りの強面男子から声をかけられ、怖がってたことを思い出し、心底ビックリして隣りに顔を向けると

 「シャープ貸してくんない?」

と言われ「あっ、うんいいよ」と貸してあげました。



 これが主人との初めての会話でした。



 この話しをすると「ひどいねぇー!俺、そんなんじゃないし(笑)」と言われます(笑)


 当時、腕を組んで下を向いてたのは、低血圧で眠かった上、メガネを外して見えてなかったので、そんな顔つきになったということ。

 選択授業の時は、私にずっと声をかけようと思ってたけど、どう声をかけていいかわからず、ようやく出た言葉が「シャープ貸して」だったそうです。

 意外とシャイなんですよね(笑)



 まさか、そんな関係からこう夫婦になるとは思ってなかったと、未だに思います。

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