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恐怖との対峙

やっちまったーっっ!!


あぁーーーっ
なんてこった


この道さえ通らなければ
あいつと合わずに済んだのに

不快な思いをしなくて済んだのに

何で今日に限ってこの道を通ってしまったんだろう


確かにちょっと急いでいたよ

待ち合わせに間に合うようにと。。。



あいつ とは
近所に住んでいる気が狂っていると思われる男性だ

なぜ あいつが嫌なのかと云うと


越して来て間もない頃(コロナ禍)

夜寝ていた時のこと

真夜中である (午前一時頃だ)

部屋のすぐ外で 男の人がブツブツ話している声が聞こえてきたのだ

真夜中に だよ


部屋のライトを消したままで
外の様子をのぞき観たら

男の人が長い斧? スコップ?をもって
木を切り倒そうとしているのだ


おいおい
真夜中に何してんだあいつは??

しかもブツブツ言っているのだ。。。。


ああ  やばい。。。
危ないやつがいる



変質者?だと思って


すぐさま
スマホを手にとり
110に電話したんだ


警察  「どうされましたか?」
わたし 「お願いです! すぐに来てください 変な人が
     家の隣の土地の木を伐り倒しています」

    「ブツブツ言いながら」

警察  「あなたの住所は?」
    「あなたのお名前は?」

わたし 「住所は〇〇」
    「名前は〇〇」

警察  「分かりました 見回りに行きますが 見回った後の様子を
     報告しますか?」

わたし 「それは大丈夫です 見回っていただければ  お願いします」
     (報告されることで通報したことが分かってしまうのが嫌だった)



しばらくして
パトカーが来たのが分かった



家の横の道路にパトカーが停まり
警官が男性に職質を始めたのが分かった

(聞き耳を立てる)


警官 「こんばんは  何しているの?」
男  「(何か言っていたが 聞き取れない)」

問答が始まる

しばらくして
男の大きな声が聞こえてきた


男  「わたしはね 紀尾井町で育った 坊ちゃんなんだよ」

   「おたく(管轄の警察署)の署長の〇〇さんはよく知っているから
    あんたら わたしにこんなことしたことを言いつけるからな」


   「わたしを誰だと思っているんだ おいコラ!」


警官 「(体のいい受け答えをしたのだろうか?よく聞こえない)」


少ししてパトカーは去って行った

民事不介入だから???



その後
男は帰ると思いきや。。。



怒鳴り声が聞こえてきた

男  「おいコラ!  てめぇ 警察呼んだん誰だ!?」

   「お前だろ! コラ  とぼけてんじゃねぇぞ!」


それからすぐに

ドンドンとドアを蹴るような音がした


男が近所の家のドアを蹴り
大きな怒鳴り声とともに怒りを爆発させたのだ



男  「おいコラ!  お前ただじゃおかねーからな 覚えてろっ」
 
   
   「(人種差別的発言)〇〇人のくせに コノヤロー! 
    おい! 出てこいコノヤロー!」



警察に通報し 見回りをお願いしたのはわたし

でも とばっちりを受けて迷惑を被っている人がいる


ああ なんてことをしちゃったんだ


あの家の人は悪くないのに

わたしが通報したばっかりに。。。


それでも
怖くて 謝りに行くことができなかった



ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい


ひたすら
心の中で近所の住人に謝り続けた



あなたは悪くありません
通報したのはわたしです

ごめんなさい


それ以来
その男は四六時中
朝からその家の前に居座り 大声で暴言を吐きまくり
昼には一旦帰って
夜にまた来て怒鳴り散らす


朝家を出るときは
その男の姿が見えないのを確認してから
逆の道を選び遠回りしていくのだった

それは二か月ほど続いた


ご近所さんは ご老人が多く
毎日のように 繰り返されるその出来事は  さぞ 恐怖と不安を
与えてしまったことだろう


本当にごめんなさい



あの男が伐採した木は
枝葉が乱暴に切り落とされ
かわいそうに切り株状態となって寂しげだった

切れた小枝や落ちた葉っぱはそのまま
無残に置き去りにされていた



それ以来
男性の大きな声や怒鳴り声に
わたしは敏感に反応してしまうのだ

恐怖であり
不安でしかない



その男
たまに家にも来たりして
両親と立ち話をしては帰るのである


その男が来る度に
二階にいる
わたしを恐怖と不安な気持ちに陥れ
カラダが緊張するのである




その度にわたしの心の声が叫ぶ

早く帰れ!
二度と来るな!
あっちへ行け



心が乱され
感情が暴走する

恐怖と怒りでいっぱいになるのだ




今日 その男と

道でばったり会ってしまったのだ


もちろん
その男はわたしがどこの家の者だとは知らないし

わたしもその男を正面から見るのは今日が初めてだった


その男が自宅から出てくるのが見えて気づいたのである


なぜなら
その男を観るときは
いつも後ろ姿か 横からの姿

そして
その男はサングラスをして鼻から下を布で覆い
全く顔を見せないのである

おまけにいつも
派手な色の服をきて目立つから
あいつだ!って すぐに分かるのだ



わたしの心の声が
嘆く

なんでこの道を通ってしまったの?
あいつにばったり会うのが怖いから
いつも遠回りしてたよね?

なんで?


しょうがないじゃん!
もうこの道きちゃってるんだから(# ゚Д゚)

引き返したら
変に思われるよ?

あいつに。。。


一気に全身に緊張が走る
カラダは臨戦態勢だ


別に話しかけられるとか
追いかけられるとか

そんなことはないだろうに。。。


怖いという気持ちと
不安という気持ちが
早くここを通り過ぎよう
早く離れよう


そう云ってじぶんを安心させるように

あの男に注意を払いながらも

速足で通りすぎたのだ





角を曲がる

はあ 一安心


振り返って 背後を確認


だれもいない 



わたしの年上の男性への恐怖心は
どこからきているのか?



分かっている

それは
分かっている


でも
今はココに書けない


分かっている
まだそれを書けない











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