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日々の仕事と創作を両立させるには(3人の例)

かつて大学でミステリ作家の北村薫先生の授業をうけていたとき、印象的だった言葉があります。

「就職してください」でした。

ここ最近、twitterで「どうやったら日々の仕事(労働)と創作を両立していけるのかな」と考えて色々読んだりしてツイートしていたので、改めてまとめてみます。

1 川崎昌平さんの場合

そもそもタイトルのテーマを改めて考えるきっかけになった本です。元はコミティアで発行された同人誌。

あくまで労働者が、自分を殺さずに充実した生を送るために、マンガを描くことを推奨する本です。

マンガ家になろう!ということを提唱しているわけではありません。

「あなたがマンガから得られる収入は、労働者として働き続ける中で得る額よりずっと少ないだろう」ということも書かれています。

独立してやっていけばいい、と言うのは簡単ですが、誰もが食べていけるような状況ではないのが現実。

あくまで趣味として、労働以外に創作をする。そうすることで仕事に殺されず、少しは楽しく生きていける。そういうことを提唱した実用的な本です。私はマンガを書きませんが、小説に当てはめられる部分も多くて刺激的でした。

川崎さんの提唱する両立のコツ

・6時間は睡眠時間を確保する

・有給休暇を消化する

・貯金をする

・あまり出世しない

・昼に頭を動かし、夜に手を動かす

2 飛浩隆先生の場合

兼業作家は珍しくありませんが、賞を取り、名前を聞くような作家さんは、サラリーマン仕事をやめてしまうことが多いように思います。

寡作なSF作家として知られる飛先生は、個人的に偏愛している作家の一人でもあるのですが、ずっと地方公務員として働かれている傍ら、小説を書かれています。

フルタイムの正業は容赦なく心身のリソースを奪うから、問題は、執筆に振り向ける力をどれだけ残して帰宅できるか、ですね。これも秘訣はありません。しかし作品を書いているあいだはつねに頭の一部が「問題を解いている」状態にあるので、それを大事にしてやることですかね。職場のデスクでコーヒーを飲みながら小説の続きを思ったり(しっかりと考えるのではなくぼんやり思いを馳せる感じ)、昼休みにメモを取ってみたり。

やっぱり川崎さんと同じく、昼間にそれとなく頭を動かし、夜に創作をしている様子がわかります。

3 私の場合

まだまだうまく両立できているわけではないのですが、一例として。

同人活動は4年めですが、その間ずっとフルタイムで働いています。残業があるかは年によってかなり違いがありますが、休日出勤もあるなどそこそこ多いときもありました。

意識しているのは下記のような点です。

・徹夜はしない

・早い時期からちょこっとでいいので手をつける(dropboxにフォルダを作ってとりあえず始める)

・細切れにたくさん作業する(通勤電車の中でiphoneを使って書く)

・表紙を依頼して退路を断つ

・ご飯はちゃんと食べる

・仕事が忙しい時期は平日に作業しようとしない(ネタだけ頭の中で考えておいて、土日にカフェ等で短期的に作業をする)

たぶん、前例のお二人と同じく昼間に頭を動かして何となくネタを固めているところがあるので、仕事をまったくせずに、一日創作をするとなっても、今以上に書くことはできないんじゃないかなと思います。

難しいですが、できるだけ無理をせずに両立させていきたいです。


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