The HAMIDA SHE’S"銀河大衝動"の歌詞考察【気狂いピエロのネタバレ有】
いつもありがとう😊。音楽愛好家の悠真 Suzukiだ。
今回は京都ライブシーンで注目のJ-pop系パンクバンド「The HAMIDA SHE’S」の1st シングル”銀河大衝動”の歌詞について考察する。作詞はVo.Gt.の小関奏太で(レコチョク情報)歌詞はレコチョクで公開されているものから確認した。
是非最後まで。
歌詞を整理すると、「僕」と「君」の二人が登場し、「僕」が「君」を追いかける物語となっている。
このストーリーラインの映画を私は知っている。ジャン=リュック・ゴダールの「気狂いピエロ」である。
この映画の概要を恋愛面のみを強調して説明する。序盤に、ミステリアスな過去の恋人に再会した男は、現在の家族のいる退屈な生活から逃げたいと思っていたことと女に魅力を感じていたので、女と社会から逃げ出す。中盤で逃げ出した先の自然の中での生活に嫌気がさした女は男から逃げる。逃げた先で女は人殺しをして金を得たが、男は女を信じる。終盤で男は女に言われギャングに加担するが、再び裏切られ女は男から逃げる。最後男は女を殺す。
この映画に類似していることを前提に歌詞を再び見ると気づくことがいくつかある。
「星降る街」
「舞い散る光たちが君の頬照らす」
「登場人物は僕と君の2人きり なのにいつも喋ってるのは僕だけ」
「降り注ぐ太陽が君の頬照らす」
「そう思ってたのは僕だけだっったようだ」
「街と緑の不思議なハーモニー」
「闇夜の中君はどこにいる?」
「明日僕は君を探そう」
「暗黒星雲を旅しよう」
「裏切っても見捨てても良い」
「でも今日だけ抱きしめて良いかな」
「ぼーっと眺めている」
「オレンジに染められた君は何を思う」
これら一つ一つについて、「気狂いピエロ」との共通点について考察、説明する。
まず一番重要なポイントは「裏切っても見捨てても良い」という部分だ。
私は「気狂いピエロ」の恋愛面でのテーマの一つに「男は女に騙されていているとわかった上で愛し続けられるか」というものがあると考える。男は映画の中で、女に見捨てられて逃げられたり、女に裏切られギャングから拷問を受けるが、そんなことは愛があるので問題ないという姿勢が見られる。逃げた女と再会したとき男は女を抱きしめる。
この歌詞の主人公と映画の主人公は似た恋愛観であると考えられる。
「登場人物は僕と君の2人きり なのにいつも喋ってるのは僕だけ」という部分に注目すると、「気狂いピエロ」の主人公の男は文学が好きで常に考え、引用した詩や考えたことを喋っている。女は無口ではないし、注目して見ると女が喋っているシーンも多くある。しかし、全体を通して、男が喋り、女はうんざりしていた印象を受ける。
これは男は女に構ってほしくてたくさん無意味に話し、女は返事や必要なことなどを話しているからだろう。女は無視しているわけではないが、男が女を追いかけている印象になる。
「星降る街」「舞い散る光たちが君の頬照らす」
これは暗い中運転しているシーンのことである。
「降り注ぐ太陽が君の頬照らす」
これは海辺で生活しているシーケンスで南仏の太陽が女に降り注いでいるシーンのことである。
「オレンジに染められた君は何を思う」
これは最初のパーティーで演出として色のついた照明で照らされていたシーンのことであるとも捉えられる。
「街と緑の不思議なハーモニー」
気狂いピエロは社会と自然(非社会)を若者が行き来する物語でもある。これはそれを表している。女が男にディスコに行きたいと海辺で行っているシーンなどは、社会から逃げたがっていた女は非社会に出たら、社会に戻りたいと感じているシーンでもある。今の生活に満足していない若者は社会(街)と非社会(緑)の調和(ハーモニー)を探していることを表している。
この特徴的な主人公の恋愛観は作詞の小関奏太の恋愛観が反映されているのだろう。また、気狂いピエロの主人公にも共感したのでその要素も取り入れていたのだろう。
曲はアップテンポでロック調であるが楽器の音量は控えめで、特に歌詞を聴かせたいことが伝わる。
あくまで考察です。
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