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自分を見つめつづけた1か月【南伊豆ローカル×ローカル 学生インターンを終えて】


不安、不安? 不安。

2023年7月10日、月曜日。インターン初日。

静岡県南伊豆町のゲストハウス ローカル×ローカルで学生インターンをするため、宮城県から来た私は、近くの料理店『海老しか勝たん』で夕食をいただいていた。

私の両隣には、同じ学生インターンの2人。どうやら、これから1人ずつ自己紹介をするらしい。

「10月から就職するんですけど、とにかく不安なんです。不安が100%占めていて…。きっと、うまくいかない予感がしているんです。早々に、諦めて辞めちゃうんじゃないかなって。」

自己紹介中、ぽつぽつと吐露される不安、不安? 不安。

南伊豆に来た理由はさまざまあるけれど。
最も考えたかったのは、これから訪れる就職、自分の未来についてだった。

1か月では、解決することではないかもしれない。
不安なんて、そもそもあって当然なのかもしれない。

でも、自分では抱えきれないくらい、大きくなってしまった。
どうにか、就職に抱く不安と、折り合いをつけたかった。
せめて、これからの足懸かりになるものが見つかれば。

そんな思いを抱え、南伊豆での生活がはじまった。


自己紹介もなく、突然文章がはじまり。
驚いてしまった方がいたら、すみません。

あらためまして。

2023年7月10日から、8月9日までの1か月。
静岡県南伊豆町のゲストハウス ローカル×ローカル(以下:L2)で学生インターンとして暮らしていた、おぼちゃんと申します。

学生インターンと言いつつ…。
実は、大学を3月に卒業していまして。
就職時期を10月に控えた、大学生以上社会人未満なひとです。

noteでは、千と千尋方式でつけた”梨”という名で、日常のあれこれを書いています。書くことが好きです。
そんなnote上で、私はL2と出会いました。縁ってふしぎ。

(L2のインターンに参加した理由は、こちらにまとめてあります。)


南伊豆で過ごした、この1ヶ月。
本当に、"濃い、濃い、濃ーい" 日々でした。

1ヶ月だと思えないくらい、いろいろな出来事が訪れて。しかも、そのどれもが新鮮で、楽しくて、面白くて。

留職生のポジさんが企画。
筆ペンで思い思いの文字を書こう!の回。
同じ道具を使ったけれど、3人の個性が光る作品になったことが、ふしぎで面白かった。


そのすべてを書き出して、ぶ厚い1冊の本を完成させて、町で配り歩いて、たくさんの方に読んでほしいくらい…
心がうごいた瞬間は、山ほどあったのですが。

得られた気づきは、今後の記事でもちょこちょこ書くことにしておいて。

今回は、学生インターンを終え、特に忘れたくないことを中心に、書いていこうと思います。


ひとのあたたかみに、心ほぐれる


振り返って、真っ先に思ったのは、

”ひとに、ひとは救われる”

ということです。

この1か月間、だれかの言葉や存在に励まされた場面に、なんども経験しました。

なかでも、印象的だったのは、学生インターンで買い出しをしたときのこと。

料理店『海老しか勝たん』の店主 まことさんから車をお借りし、下田へ向かった日。

車がごった返していた駐車場で、
エイヤっと、ハンドルをぐるぐると回しきり、そのまま駐車。
1時間ほどで買い物を済ませ、車のエンジンをかけようとした時。

カチャカチャ。カチャカチャ。

いつもはかかるはずのエンジンが、かからない。
何度やっても、かからない。

うだるような暑さの車内。増幅する焦りをあらわすように、身体からあふれ出す汗。

光溢れる車内とは反対に、焦りでどんよりと曇っていく私の心。


どうやら、ハンドルロックからのバッテリー上がりをおこしてしまったようで。

へこむ気持ちをとおり越し、自分に呆れてしまっていたところに、まことさんが到着。

何もなくてよかった。
いやーおぼちゃん、逆についているね。
この後お祝いする?

炎天下。自己嫌悪におちいりそうな私に、まことさんがかけてくれた言葉。

いやっ、本当に。
こんな言葉をかけられると思っていなくて。

自分の車がこわされたかもしれないという状況で、他者を思いやるような言葉をかけられたことに、びっくり仰天してしまって。

この言葉があったからこそ、失敗に過度におちこまず、その後も過ごすことができたのです。
もちろん、お借りしたものを丁重に扱うよう、これからも気をつけますが…。

こんな風に、誰かの言葉や存在が、自分の気持ちをすーっとかるくしてくれて。

無理な背伸びをすることなく、自分のペースで南伊豆のくらしを送ることができました。

まことさんだけでなく、イッテツさん、まりこさん。
ともに闘いきった(?)学生インターン1期のりゅうちゃん、りなちゃん。
今、南伊豆を満喫しているであろう2期のみんな。
いつもやさしく接してくれた留職生のポジさん、せりなさん。

そして、南伊豆で私と出会ってくださった皆さん。

焦りと不安で、心もからだもギューギューに押しつぶされそうな私を、いつも見守ってくれて、あたたかい言葉をくれて。

本当に。本当に、ありがとうございました。

両手ではこぼれてしまうくらいの、たくさんの思いやりに触れ、こり固まっていた私の心も、ほぐしてもらったように思います。

1期企画の卒業パーティーの記念写真。ランダムで配られたポーズでパシャリ。いい写真だ~。


いいご縁を、これからも


うれしいこと続きだった1ヶ月。なかでも、心躍った出来事があって。
それは、noteを拝見してひそかに憧れていた、あまのさくやさんにインタビューできたこと。 

※あまのさんのnote。軽やかで、やさしい文章が、すごく好きです。


「この方、すっごく好きで!」 

と、L2の本棚に置かれていた、あまのさんの本を見つけ、たまたま話したことがあったのですが。

イッテツさんがつなげてくれたおかげで、1時間ほどのインタビューが実現。

この出来事も、また別の記事で書こうと思っていますが…。

たまたま発した言葉から、まさかこんな機会が訪れるなんて想像もしていなくて。
自分の思いを伝えることの大切さを痛感しました。

こういった1つ1つの発信が、次の機会をつくり、その次の機会につながっていく。

イッテツさんがたびたび話されていた、"広義な編集"とは、まさにこういうことかと、腑に落ちた経験でした。


でも、広義な編集を体現するには、まだまだ道のりはながく。

最近も1つ、私の伝え方のせいで、途切れてしまった縁がありました。
伝えたいことはあるのに、うまく話せなくて。
くやしさが、どんどんと募っていって。

結局、互いの誤解がとけないまま、その場をはなれてしまいました。

どうしても、価値観が合う合わないはあるとは思うけれど。
自分の価値観に合うひとと、これからも合っていきたいと思っていて。

そのために、どんな発信を心がけたらいいか。
そもそも、どういう人でありたいか。

もう少し、自分の殻を破って、誰かに伝えていく必要があるなと感じています。


夢を語る言葉から

そうそう、誰かに伝えることのなかでも。

私、ほんっとに、夢を語ることをさけてきて。

夢は、一つに絞れだとか。
何も行動できていないのに、おっきな夢を抱くなとか。
一度話した夢を諦めることは、ダサくてかっこ悪いとか。

自分のなかで、誰かの否定的な反応を想像して。
その反応で自分が傷つきたくないばっかりに、夢を語ることから、逃げてきました。

でも、南伊豆では、いたるところで夢を語る自分があらわれた。

きっと、ずっと、誰かに聴いてほしかったのだと思います。

特に、ともにインターン生として過ごした、りゅうちゃんとりなちゃんは、脈絡のない私の話をじっくりと聴いてくれました。

朝の習慣の1つ。相互インタビュー。自分の想いを具体化する練習になりました。


そうやって話していくうちに、

"夢を否定するひともいれば、肯定してくれるひともいる"

と、体感することができました。

もちろん、否定というのは、私の身を案じて言ってくれる場合がほとんどで。
どちらが良いとか悪いとか、そういうことを言いたいわけではないのだけれども。

肯定してくれるひともいると気づけたのは、私が夢を話せたことがきっかけだと思っています。

だから、夢が実現しそうか、できなそうか、なんて関係ないって。
そう、臆病な自分に言い聞かせて。

りゅうちゃんにならって、私も宣言しとこうと思います。

『聴く・書く・撮る・つくる人として、暮らすこと』が、今の私の理想です。

"聴く"は、日常の対話だけでなく、誰かの人生を聴くインタビュアーとしても。

"書く"は、日常の内省だけでなく、誰かに発信するライターとしても。

"撮る"は、日常の記録だけでなく、誰かの一瞬を映し出す写真家としても。

"つくる"は、日常の息抜きだけでなく、誰かのこころの支えとなる作り手としても。

二兎を追うどころか、四兎も追おうとしていて。
今の現状からすると、想像もつかないおっきな夢で。

そもそも、10月から就く仕事で、この夢を叶えられるかも、よくわからず。
やりたいことを実現するには、並大抵でない努力が必要なことも、周りで夢を叶えた人を見ていれば、十分にわかっています。

それでも。
一旦は、この夢を追いかけて、一つずつ実現できたらと考えています。

やりたいと思ったら、早めにやった方がいいよ。歳をとってもできるけど、早めにやって損はないよね。向いているか、確かめられるし。

シュノーケル体験でお世話になった南伊豆町民、和さんの言葉


道にまよったときは、和さんの言葉を思い出して。
臆病な自分の背中をびしばしと叩きながら、おそるおそるでも良いから、一歩前へ。

8月9日(水)1期卒業式。1人ずつ、1か月の学びと今後の抱負を語る。


そうしていつか、お世話になった方々に、良い報告ができたら嬉しいけれど。

できなくとも、がんばった証は残したいな、と思っています。


どうなる?私

冒頭の文章でも載せたように、
私の心の大部分を占めているのは、10月からの就職のことです。

さて、南伊豆での1か月を終え、今の心境は? と言いますと…。

正直、不安は、消えてはいません。
私のこころに、がっちりとしがみついて離れてくれないようです。

ここからは、もっと冗長な文章になってしまうかもしれませんが…。

もう、しょうがないなって、今は思っています。

やってみて、ダメだったら、次を考える。私の場合は、1000日ちょうどでやめるって決めて、カウントダウンしてた。

シブヤ大学で活動されている、まどかさんの言葉。
精力的に活動されているような方でも、不安や迷いを抱えていた時期があるのだと気づきました。

結局。
私が憶病というのも、大いにあると思うけれど。
未知に対して不安を抱くのは、誰しも経験することなのではないか、と思ったんです。

大学時代から、現在にいたるまで。
まどかさんから、さまざまなお話をお聞きすることができました。


だから、まどかさんの言葉のように。
うまく行ったときも、ダメだったときも。
次、どんな行動をとるかが大切なのではないかな、と。

もちろん、失敗したときは、反省も大切だけれど。
いつまでも、くよくよと、めそめそとしているより。
少しでも、自分が楽しめるような工夫を考えたほうがいいんじゃないか、と。

まどかさんのように、自分でゴールを定めることかもしれないし、
他にも、いろいろと工夫の余地はあると思います。

目の前の出来事を、いかに楽しめるか。

振り返ってみると、南伊豆で出会った方々には、この考えを体現している方が多かったような気がします。


まずは、目の前の不安を、ちゃんと受けいれて。
自分の道を、歩んで行きたいです。


さいごに

りゅうちゃんも言っていたけれど。

ともに1か月を過ごした、りゅうちゃん、りなちゃんは、
”戦友” と思っています。

友だちとも違う、また新たな関係が築けたこと。
2人がどこかで頑張っているから、私も頑張ろっと思えること。

それは、私の人生において、すごく貴重な経験でした。感謝してもしきれないくらい、素敵な関係性だなと思います。


そして、イッテツさんをはじめ、南伊豆町でお世話になった皆さま。
宮城からポンっと来た私を、やさしく包み込んでくれて、本当にありがとうございました。

自分をずーっと見つめつづけたこの1か月は、
まちがいなく人生のターニングポイントだと思っています。

noteを中心に、今後も自分の文章を発信していこうと思っているので、見守っていただければ嬉しいです。

自らを信じて。たがいに、進んでいって。
いつか、また、南伊豆でお会いできることを、心待ちに。

自分のペースで、がんばりますね。

















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