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彼氏が死んだかもしれない

私には付き合って半年ほどの彼氏がいます。
マッチングアプリで出会った5歳歳上の方です。
すごく真面目で几帳面で気遣いもできる、良識のある堅実なサラリーマンです。
見た目もまあまあで、身長も高く顔が小さい。
大手企業に勤めているので収入もそこそこあると思うのです。詳しくは知らんけど。
…条件とても良いよね?なのに、どうしてその年齢まで独身?
本人は結婚願望があり、女遊びなどするタイプでは全くない。
これまでも結構コンスタントに彼女がいたっぽい。
なのに何故…?

そのことがずっと疑問で(まさか何か大きな秘密があるのか!?と不安だった)何度か彼に尋ねてみたことがあるが、理由は不明確。
ただ、向こうからフラれることが多いっぽいことは分かった。

少し前までその理由が疑問だった、最近になってなんとなくその答えのようなものが見えてきた出来事があった。

まず、付き合いたてはそこまで感じてはいなかったが(というかあまり分からなかった)、最近になって、一緒にいる時間が退屈に思うようになった。(というかもはや苦痛まできてしまっている)
その理由は、
彼が話し下手でこっちが話題を探さなきゃいけないことに疲れたとか、
趣味も仕事も違って共通の話題がなかったりして話していても面白いと感じないとか、
家でもテレビばっかり観てるから一緒にいる意味をかんじないとか、
色々あるが、要するに「つまらない」。
これまでの彼女たちもそれを感じて別れを切り出したのではないか…

そんなことを思ったりしてモヤモヤしていた日々の中、時間は起きました。

その週末、彼と会う約束をしていた私は、どこで何時に会おうかと彼にLINEを送りました。
しかし、返事は来ない。
でも、私も彼からのLINEに2、3日返事をしないことはよくあったので、返信がないことは責められない。
責められないどころか、もしかしたら怒ってる…?とも思ってとにかく返事が来るのを待ちました。
ところが待てど暮らせど一向に彼からの返信はなく当日を迎えました。
さすがに何度か追い連絡をしたり電話したりしましたが、返信はなく、それどころか既読にすらならないのです。
結局週末の間に既読になることはなく、週をまたぐことに。

そこで私は気付いたのです。
「彼のLINE以外の連絡先を知らない」

「しまった」と思いました。
今まで電話もLINEで、それで不自由していなかったから聞くこともしなかったけれど、LINEが何らかの理由で使えなくなったら一瞬で音信不通になる。
その危機感があまりなかったことに後悔を感じてももう遅い…

ただ、私にはもう一つ彼と連絡を取る手段があったんです。
付き合いたての時に、彼と名刺交換をしていたんです。
特に彼を疑っていたとかそういうことではなかったけれど、出会いがアプリだし、こちらの身分を明かして信頼関係を築く意味でもしておいた方がいいなと。

喧嘩してて既読スルーとかならまだしも、何の前兆もなくいきなり既読にすらならないのはさすがに心配。
恐らく携帯を壊したとか無くしたとかでLINEが使えなくなったんじゃないかなと予想していたが、だとしたら私も彼に名刺を渡しているんだから、会社携帯に電話してくるはずなのでは…
だって会う約束をしていたのに連絡もせずそのままドタキャンなんて、普通に考えたらあり得ない。
なのに会社携帯にも連絡はなく、そのまま日々が過ぎていく。

これはただごとではない。というか、たぶん携帯どうこうの話じゃなくて彼自身に何かあったんだと感じました。
事故に巻き込まれて病院に運ばれた。
もしくは自宅で倒れている。
確実にその二択だと思った。

怖くなった私は彼の会社の携帯に電話をかけました。
しかし、何コールかすると「〇〇さんの電話はお繋ぎできません」という自動音声が流れた。
何度かかでも同じ結果。
これは…彼が無事である可能性は低いのではないか。
とにかく怖くて心配で、友人にも相談して、ついに彼の会社に電話をすることにしました。
会社に電話するのはさすがに…と躊躇していたけれど、もし事故により連絡が取れないのだったら、共通の知人などがいない私がその事実を知るのはもうこれしか手段がない。
というかもしかしてからはもうこの世にいないのではないか…その最悪の結果も想像していました。

大量に手汗をかき、意を決して電話をかけると受付の女性が対応してくれました。
正直に「知人のものだが、連絡がつかなくなり心配だから安否確認をしたくて電話をしました」と話すと丁寧に対応をしてくれた女性。
そして返ってきた答えは、


「〇〇は、ただいま席を外しておりますが、出社はしております。」


………はい?


丁寧にお礼を伝えて電話を切った後、混乱する頭を一生懸命整理して考えました。
普通に出社して働いている…?どういうこと…?

さらにしばらくすると彼の会社携帯から折り返しの電話がかかってきました。

「ごめんごめん、LINEが何故か使えなくなっちゃって、問い合わせてるんだけど直らないんだよね。乗っ取りとかではないらしいんだけど」

彼の声を聞いて安心した私はもう涙ボロボロ。
「生きてて、よかった!本当に死んだかと思った」と安堵の言葉のみ伝えてその電話は終わり。

しばらくして冷静になった私は、徐々に安堵の気持ちよりもむくむくと生まれてきた怒りの気持ちが勝ってきました。
生きてたのはとりあえずよかった。それは本当に。
ただ、LINEが使えなくなったのであれば何故私の会社携帯に電話をしてこない?
2、3日連絡が取れなくなっただけならまだしも、会う約束をドタキャンしていてさらに1週間近くも連絡がとれなくなっていたのだ。
会社携帯に電話するのを躊躇する気持ちは分かるけれど、今回は緊急事態だから普通するだろ?
さすがにドタキャンして連絡も取れないなんて相手が心配するとは思わなかったのか?

その日にLINEは復旧して彼は謝ってはきたが、私ほど重くは捉えていなかったようで、すぐに普通の雑談をしだす次第。

これは…
マイペースすぎるのか、めちゃくちゃズレているのか、
とにかくちょっと人間を疑う…


そんな大事件を経て、やはり私は彼のこと知っているようで知らなかった。そして、彼はちょっとやばいのかもしれない。
というモヤモヤがさらに増幅したのでありました。

長くなりましたが、マッチングアプリで出会った方とお付き合いされている皆さんには是非共通の知り合いを作っておくことと、複数の連絡手段を確保しておくことをおすすめします。
私はそれ以上に彼の人間性についても明らかになりましたが、以上が私のつまらぬご報告でした。


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