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アラサー留学生の保育だより Vol.4~心理学者に学ぼう~

アルバート・バンデューラ(1925ー2021)

 『社会的学習理論』『自己効力感』を提唱したカナダ出身の心理学者。
ボボ人形を使った実験がとても興味深いです。(賛否両論あるらしいですが・・・)

『ボボ人形実験』

実験に参加したのは、72人の子どもたちと成人男女(ここではモデルと呼びます)。
子どもたちを3つのグループに分け、それぞれに違うモデルを見せます。

・グループA(24名)→ボボ人形に攻撃的な行動を取る男女のモデル
・グループB(24名)→ボボ人形に攻撃的でない行動を取る男女のモデル
・グループC(24名)→ボボ人形のみ(モデルなし)

子どもは「真似」をする(=社会的学習論)

バンデューラの行ったボボ人形を使った実験では、
子どもたちは「モデル」となる大人を真似し、全く同じ行動するという結果が出たそうです。

【実験結果】
・グループAの子どもたちは、B・Cの子どもたちに比べて、ボボ人形に攻撃的になった。
・女の子は、モデルが男性であった場合、殴る蹴るなどの「力での暴力」が多く、モデルが女性であった場合、「言葉での暴力」がより多かった。
・男の子は女の子に比べて、同性のモデルを真似していた。
・男の子は女の子よりも「力での暴力」が多かった。
・「言葉での暴力」に男女の差が少しあった。

男の子の方が力が強く、女の子は口数が多いのでなんとなく理解できる結果ですよね。
おもしろいなあ、と改めて思います。

社会的学習理論「4つのステージ」

子どもたちが「他者を真似をする」までには細かく段階があるそうです。

ステージ1:Attention(注目、興味関心)
 子どもたちは、自身の観察対象となる人物が、「何をしているのか」をよく観察することに集中します。

ステージ2:Retention(維持、保持)
 子どもたちは、観察対象が、「どんな行動を取ったか」を覚えます。

ステージ3:Reproduction(模倣)
 子どもたちは、自身が観察して記憶した行動を真似します。

ステージ4:Motivation(動機付け)
 子どもたちは、自身の行った行動に理由を付けたり、または真似をしたことで得られる報酬(褒め言葉など)をきっかけに、欲求を満たすために観察して学んだ行動を取ります。

こうして子どもたちは、周りの大人やお友達、またはテレビのキャラクターなどを観察対象に、日々ありとあらゆる行動を観察して真似していきます。(観察されている・・・ひいい・・・笑)

大人の言動はしっかり見聞きされている

園生活中、子どもたちを見ていると、誰一人として同じ言葉遣いをする人はなく、行動も何もかもが違います。
「○○ちゃん、今日こんなこと言ってましたよ~」と子どもの口癖などを伝えると
「家で私がそんな風に言ってます・・・(恥)」と言う保護者。
子育て中のパパママ含む子どもと関わる人は、
「子どもたちがよく見ている・聞いている」ことは体感している方が多いと思います。
子どもたちおもしろいですよね。

学校の授業でも先生から
「保育士は子どもたちのロールモデルですよ!!!」
と耳タコなくらい言われます。
ポジティブな言動で子どもたちと接すること、十分なサポートをすること。

私が常々実践しているのが、とにかく「肯定文を使う」こと。(めっちゃ頭使う泣)
「○○しないで」よりも
「○○してくれると嬉しい」「○○してほしい」
と要望を簡潔に伝えること。そして伝え続けることが大事!

保育中、子どもたちへお願いしないといけない場面は多々ありますが、そのたびに自分自身の言動を見つめ直して、子どもたちのお手本となる大人でありたいと思います。

この心理学での学びを通して、よりいろいろと考えさせられます。

(しかーし、心理学おもしろい楽しい!)

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