世界の終わり #2-10 ギフト
「どういう……ことでしょう」
不安げな声で利塚が尋ねた。小獣舎は七番目の檻で再度途切れ、荒れ地を挟んで八番目以降の檻が続くが、先の檻は一ヶ月以上使用していないので確認するまでもない。
「檻から逃げだしたわけではなかったのか」
「そのようですね」
「柵が破られ、敷地内にグールが侵入してきたか……もしくは」
「もしくは?」怯えた声で利塚が尋ねる。
掛橋は勿体ぶった間をあけたのちに、己の考えを言葉にした。
「死亡した彼は、敷地の外で襲われたのかもしれません。グールの追撃から逃れ