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詩画集 『ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール』 (海の襟袖)

書籍情報

詩画集『ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール』(海の襟袖)
詩・訳 エリザベト怜美(高田怜央)
絵 モノ・ホーミー

90mm×143mm 30P
リソグラフ印刷(レトロ印刷)
表紙2色×本文2色刷
表:英語/裏:日本語
英日対訳仕様
1500円+税
2022年5月28日 刊行
2022年6月10日 第二刷

現代詩手帖 2022年12月号『現代詩年鑑2023』「今年度の収穫」アサノタカオ氏 選

書記 エリザベト怜美(高田怜央)と図案家 モノ・ホーミーの探索ユニット"海の襟袖"の第一作。2022年3月26日から4月19日までに制作された英詩・和訳(エリザベト怜美)と、図案・イラスト(モノ・ホーミー)を収録した詩画集です。

表紙
まえがき [英語]
6/4/2022 YOU MADE ME A POET, GIRL/ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール

YOU MADE ME A POET, GIRL

You made me a poet, girl
in a lifetime so serene
it’s almost insane
to have met you.
Above us the planets
spin around so fast
it’s almost an eternal voyage
we come and go,
and come again.
What fuels them, you ask,
well, since you've asked
I must say that’s what I call
love.
See the mammals sprouting under your light.
And I, started to speak in your words.

ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール
あまりにも静寂な一生涯のうちで
あなたと出会った
それは ほとんど狂気的。
わたしたちの頭上でたくさんの惑星が
とても速く めぐり
それは ほとんど永遠の旅路みたい。
行ったり来たり、
そしてまた 戻って
来る わたしたち。
何が彼らを動かすの、と
あなたは尋ねる、
聞かれたから仕方がないね
それは おそらくわたしが
愛と呼ぶもの。
ほら 哺乳類たちがいるよ
あなたの光のもと 生まれ出した。
そして あなたの言葉で
しゃべり出したわたし。

Blackout poetry:詩と絵の共作
訳者あとがき

著者紹介

書記 高田怜央と図案家 モノ・ホーミーの探索ユニット。見えるものと見えないもの、視覚と言語、自己と他者。ふたつの波に揺られながら、ひとつの海を照らすための作品を作っています。

高田怜央(たかだ・れお 、エリザベト怜美)

翻訳者・詩人。1991年、横浜生まれ、英国エディンバラ育ち。上智大学文学部哲学科卒。翻訳作に、ジュリアン・レヴィ『No One is Here For You』(リブロ・アルテ)など。詩作品に、詩画集『ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール』、窓新聞『トキオ・タイムズ』(海の襟袖)など。『ユリイカ 』2023年3月号(青土社)に連作詩を寄稿。Twitter: @_elizabeth_remi

モノ・ホーミー
図案家。1986年生まれ、東京都在住。本の装画等を中心としたイラストレーションの仕事のほか、物語の制作などの活動を行う。『貝がら千話』既刊5巻、長湯文庫『するべきことは何ひとつ』出版社さりげなくより刊行。
Twitter: @monohoumii

制作経緯:貝がらに関する一考察

何故なら、私は一個の他者である。

アルチュール・ランボオ

 詩画集『ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール』は、書記 エリザベト怜美と図案家 モノ・ホーミーによる探索ユニット”海の襟袖”の第一作目です。

 2022年3月26日、雨の降る午後、「貝がら千話 モノ・ホーミー図案展」を見るために初めて東京・分倍河原にあるマルジナリア書店を訪れた私は、そこで図案家のモノ・ホーミーさんご本人と作品を前にしながらじっくり話し込んでいました。

 作品はどのようにして生まれるのか。そこに一体、何が表現されていくのか。普段の職業は違えど、私たちには共通の研究テーマともいえる関心がありました。特に興味深かったのは、モノ・ホーミーさんの制作手法について交わした会話です。『貝がら千話』は、一見、イラスト付きの短編集ですが、実はその絵は挿絵ではありませんでした。モノ・ホーミーさんは、まず「図案」と呼ばれる人物画を描き、そこから浮かび上がってくるお話をしっかりと捕まえ、初めから終わりまで完成したところで文字に起こしていたのです。その物語は、図案と一致していることもあるし、少しずれている場合もあるそうです。つまり、自分自身の描いたものを客観視してインスピレーションの源にしながら、別の形の作品を生み出していることになります。

 モノ・ホーミーさんの説明にすっかり夢中になり、その場で連絡先を交換してから家に帰りました。そして、寝室の壁に買ってきたばかりの「貝がら千話」の版画をマステで貼り、ぼんやり見つめていると、どこからか声が聞こえてきました。二人の女の子の会話です。私はじっと耳を傾けてから、いつものノートに書き出してみました。これまで、お話を書いたことなんてほとんどなかったのに。しばらく読み返したりしているうちに、モノ・ホーミーさんが、見る人のうちに対話が巻き起こるような作品を作っていたい、と話していたことを思い出しました。どういうわけか、私は書き取ったばかりのお話を、そのまま彼女に送っていました。それが次は英語の詩になり、読んでもらうために日本語に翻訳し、モノ・ホーミーさんからは図案や抽象画のお返事が返ってきて、それがやがて詩画集になったというわけです。

2022年3月26日 於 マルジナリア書店

 私たちの日常は、どのようにして「表現」に変容するのか。「表現」は、日常からどのような影響を受けているのか。そこにおける「他者性」、つまり自分の主張や感情の外から表現へと流れ込むもの、そして表現することそれ自体を促すもの。その正体を探求することの興味を、二人は分かち合いました。私たちは私たちでありながら、私たちではない、どこか無自覚の部分がある。自分のなかの、未知のものと既知のものの結び目。どこかに眠るそのひそやかなダイナミズムを、表現し、表現されたものを再び解釈することで解明したい。絵と物語を、英語と日本語を、自己と他者を、行ったり来たりするとはどのような体験なのか。

これが偶然性
混沌が生んだ金星
因果の浪の寄するまま
二人で拾った阿古屋珠

九鬼周造「偶然性」より

 この詩画集は、私たちの最初の研究成果です。近寄っては遠ざかってを繰り返すふたつの旅路を、そっとなぞってもらえますように。

エリザベト怜美

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『ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール』に収録された詩「A Thousand Days of Journey/千日間の旅」のモチーフになった、モノ・ホーミー著『貝がら千話』シリーズもお取り扱い先を募集中です。試し読みはこちら
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イベント

2022/10/22
BOOK LOVER'S HOLIDAY@BONUS TRACK *ユニット"海の襟袖"

2022/7/23&24
第12回 BOOK MARKET 2022 【よはく舎】ブース お店番

2022/7/10
海の襟袖『ユー・メイド・ミー・ア・ポエット、ガール』刊行記念
エリザベト怜美 ✕ 永井玲衣 トークイベント「人はいつ、詩人になるのか?」
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2022/6/20〜
刊行記念 選書フェア「ホワット・メイクス・ユー・ア・ポエット、ガール?」
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2022/5/29
文学フリマ東京 【ニ−26】 *図案家 モノ・ホーミーさんのみ

2022/5/28
BOOK LOVER'S HOLIDAY@BONUS TRACK *ユニット"海の襟袖"

その他の作品

窓新聞『トキオ・タイムズ』 (海の襟袖)


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