見出し画像

ビブリオエッセーに掲載されました


1ヶ月程前に「嵯峨野花譜」(葉室麟著)を読みました。ここ最近読んだ本の中でも、とても余韻が残っていたので形にしたいと思い、以前から気になっていた産経新聞《ビブリオエッセー》の欄に応募しました。老若男女が応募していらっしゃることが見受けられ、難しいと思っていたのですが、奇跡が起きまして感想が採用されました。

新聞社の方がお電話くださったのですが、作品について非常に造詣が深く「どうしてこの本を手に取ったのか?」「華道は習っていたのか?」等、様々な質問を頂きました。寧ろ、私の方が内容の記憶があやふやでした(申し訳ないくらい焦った)。作中に出てくる京都の大覚寺は良いところですよ!とお勧めして頂いたので、京都探訪の際は是非伺ってみたいと思います。新聞社の方には大変明るく、にこやかに受け答えいただき、見ず知らずの方と本で繋がるのは新鮮で面白いと感じました。ちなみに、華道を習ったことはありません。華道経験のある方は、より本作を楽しむことができると思います。

「嵯峨野花譜」には数々の活花が登場します。個人的には映像化を望むところです。以前「楽園のカンヴァス」(原田マハ著)を読んだ時、有名な絵画がいくつも出てきたのですが、わからなかったので画像検索して(あっこれか…!)という気づきを何度も繰り返し、読み終えました。今回も同様、花の名前がわからず、検索する度に物語の世界観を掴んでいきました。ある界隈ではメジャーなモチーフでも、素人からすれば入り口が難しく感じることがあると思います。要すれば初学者へ好奇心、探究心が求められるということです。そういった読者への負荷が多少あることは否めませんが、モチーフは物語の重厚さをもたらす礎でもあり、芸術を文章のみで表現することは大変難しいことなのだと改めて実感させられました。今後、映像化すると広く認知されるとともに、風雅な情景に浸りやすくなるのではないかなと思います。

◇2022年7月12日産経新聞(関西版)夕刊紙面・産経WEB◇

この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?