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"50 Best Jazz Albums of 2019" by Jazz The New Chapter (with Playlist) #JTNC

Jazz The New Chapter監修者 柳樂光隆が選んだ2019年のジャズの年間ベストです。

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1 . Christian Scott - Ancestral Recall
2 . Robert Glasper - F**K Yo Feelings
3 . Kendrick Scott - A Wall Becomes a Bridge
4 . Dan Tepfer - Natural Machine
5 . Brad Mehldau - Finding Gabriel
6 . Angel Beats David - The Oracle
7 . Joshua Redman - Sun on sand
8 . Julian Lage - Love Hurts
9 . Remy Le Bouef - Assembly of Shadows
10 . Mark Guiliana - BEAT MUSIC!BEAT MUSIC!BEAT MUSIC!

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11 . Jeff Ballard - Fairground
12 . Chris Potter - Circuits
13 . Snarky Puppy - Immigrants
14 . Bill Frisell - Harmony
15 . Godwin Louis - Global
16 . Fabian Almazan – This Land Aboounds with Life
17 . Etienne Charles - Carnival The Sound of a People vol.1
18 . Joel Hierrezuelo - Zapateo Suite
19 . Kassa Overall - Go Get Ice Cream And Listen to Jazz
20 . Steve Haines and the Third Floor Orchestra

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21 . Areni Agbabian - Bloom
22 . Avishai Cohen – Arvoles
23 . Ryan Keberle & Catharsis - The Hope I Hold
24 . Camila Meza – Amber
25 . Joel Ross - King Maker
26 . Esperanza Spaulding - 12 Little Spells
27 . Dexter Story – Bahir
28 . Miguel Zenón - Sonero: The Music of Ismael Rivera
29 . ELEW - ELEW plays Rosenwinkel
30 . Caroline Davis – Alula

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31 . Theon Cross - Fyah
32 . Theo Croker - Star People Nation
33 . Anton Eger - Æ
34 . Jaimie Branch - Fly Or Die II: Bird Dogs Of Paradise
35 . Jamael Dean - Black Space Tapes
36 . Alice Zawadzki - Within You is a World of Spring
37 . Brian Lynch Big Band - The Omini American Book Club
38 . Kit Downes - Dreamlife of Debris
39 . Pedro Martins - Vox
40 . Carmen Lundy - Modern Ancestors

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41 . Nitai Hershkovits - Lemon The Moon
42 . Melissa Aldana - Visions
43 . Terazza Big Band – One Day Wonder
44 . Dayme Arocena - Sonocardiogram
45 . David Sanchez - Carib
46 . Comet is Coming - Trust in The Lifeforce of The Deep Mystery
47 . Daniel Haskedal - Voyage
48 . Terri Lyne Carrington - Waiting Game
49 . Junius Paul - Ism
50 . Linda May Han Oh – Adventure

ちなみにストリーミングになくて、プレイリストから漏れたものがあるので+αとして、ここで紹介しておきます。

・Emma Frank - Come Back
アーロン・パークスが鍵盤を弾き、フランキー・ルソーがプロデュースするNYのヴォーカリスト。ジャズミュージシャンの手法が入った歌もの作品。ウィルコのカヴァーがあったりも。

・Tomeka Reid Quartet - Old New
シカゴ人脈。メアリー・ハルヴォーソン参加で、彼女の耳に違和感を残すような個性が程よく出ていて、それが曲の魅力に繋がっている。

・Craig Taborn and Vadim Neselovskyi - The Book Beri'ah Vol 11—Da'at
クラシック寄りなスタイルが面白いウクライナ出身のピアニストのヴァディム・ネセロフクキーとクレイグ・テイボーンのデュオ。

・Julian Lage and Gyan Riley - The Book Beri'ah Vol 4 -- Chesed
ジュリアン・ラージと現代音楽寄りのギタリストのギャン・ライリーのデュオ。実は近年、ジョン・ゾーンのレーベルTZADIKが面白くなっているのだが、ストリーミングで聴けない&情報が届きづらい状態で残念なので奇特な方はその辺もチェックしてみてください。

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2019年のジャズもとても面白かったということを少し書きたいのですが、ロッキングオンに2019年のジャズの総評を書いたので、そっちに書いたことは省いて、少しだけ今年のジャズのベストのことをここにも書いておこうかと。

去年もそうでしたが、トレンドみたいなものはなく、それぞれがそれぞれの表現を追求しているという感じで、大きな流れを書くのは難しいかなと。それぞれにレベルアップ/ブラッシュアップしていたり、自身の文脈を深めているのが一聴してわかる作品が多かったかなと。クリスチャン・スコット、ロバート・グラスパー、ケンドリック・スコット、ジュリアン・ラージ、マーク・ジュリアナらの作品を聴くと、頂点がどんどん引き上げられているなと。その中でもクリスチャン・スコットが名盤を作ってしまったことは2010年代のジャズシーンを振り返る意味でも特筆すべきことだと思います。

個人的に最も興味深かったチャレンジはダン・テプファーでしょうか。

今年、ジャズを聴いていた感じていたこととしてもうひとつ語れるのならば、少しづつアブストラクトなものやエッジの利いたものが増えている感触がより鮮明になった、ということでしょうか。フリージャズとまではいかなくて、大胆にアウトしたり、かなりノイズ混じりだったり、明らかな不協和音を駆使してたり、よりダークで、重かったり、強かったりする感情を表現するものが増えた気がしました。その辺は以前、マリア・シュナイダーが来日公演をしたときにやっていた新曲が完全にそんな路線の曲でこれまでのマリアのサウンドとは明らかに違うものだった感じと同じもので、おそらく(ジャズに関しては主にアメリカですが、アメリカに限らず)世界中で起きている不穏な情勢を表現していたり、それへのメッセージだったり、みたいなこともあるのかもしれませんし、ある種の精神性だったり、マインドだったりの精神的なものやフィーリングみたいなものをより前面に出した表現が増えてきたとも言えるかもしれません。その表現が「アメリカ的なもの」を掘り下げる現在のジャズの流れとも繋がっている予感が徐々に強くなっている気もしています。いろんな意味合いで、そういう表現が僕の耳にもしっくりきていました。それはきっとジャズ以外のジャンルに関しても無縁ではない傾向ではないかと思います。

これは去年も書きましたが、アメリカのジャズに関しては、アルバムって単位で聴かせる作品に良いものが相変わらず多かったかなと。具体的にいうと、ストリーミング・サービスのプレイリストに入れるために1曲抜くって感じがしっくりこない作品がけっこうあったなというのも引き続き。その部分も含めて、作りたいものを作る、表現したいものを表現するって状態がどんどん進んでいるのを感じます。この辺はライブが主戦場なジャズミュージシャンの発想なのかなとも思ったりも。一方でUKのジャズミュージシャンはストリーミング・サービスに対応した楽曲が多く、この辺の違いは面白いところ。

そんなUKジャズをリサーチしに今年はロンドンに行ってきたのでイギリスのジャズをたくさん聴きました。めっちゃ盛り上がっているのと、世界的なトレンドになっているわけですが、個人的にはまだ成長過程のシーンかなとの印象は受けました。好みは分かれるとは思うけど、まだ黎明期だからこその熱気もあるし、観客とプレイヤーが一緒に成長して、ブレイクしていく感覚を味わっているシーンなのかなとも思ったのと、その未成熟さにパンキッシュな魅力があるのがイギリスらしいのかなと思いました。とはいえ、ジャズリスナーもびっくりな超絶テクニックを持ったテオン・クロスのようなプレイヤーも出てきているので、ここのシーンは来年も注視したらいいかなと。ちなみに2019年のUKだとEDITIONレーベルが躍進した年でした。今や世界で最も面白いレーベルのひとつになっています。ここも注目かと。

2月にJTNC6出します。宜しくお願いします。

2019年のジャズ以外のおススメはこれです。

2018年のジャズのベストはこれです。

※最後までお読みいただきありがとうございました。

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柳樂光隆

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うれしいっす!!
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79年、島根・出雲生まれ。音楽評論家。『MILES:Reimagined』、21世紀以降のジャズをまとめた世界初のジャズ本「Jazz The New Chapter」シリーズ監修者。共著に後藤雅洋、村井康司との鼎談集『100年のジャズを聴く』など
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