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2022 42:PIANO ERA - Dan Tepfer"Natural Machine"
ピアノエラでピアノニストのダン・テファ―を観てきました。
彼は超絶技巧のジャズ・ピアニスト。左右の手の分離はすさまじくほぼクラシックのピアニストのような演奏をすることもあり、しまいにはバッハの難曲のゴールドベルグ変奏曲を演奏したりもする。あと、変態的なリズム狂で、複雑な変拍子やポリリズム、クロスリズムへのこだわりは並々ならぬものがあったりもする。かと思えば、晩年のリー・コニッツを引っ張り出してみたり、ベン・ウェンデルとのデュオで妙なアルバムを作ってみたり、端的に異端だった。
個人的にはなんか動向が気になるから熱心とは言わないまでもリリースがあるたびに追っていた。そんな彼のキャリアの中でもぶっちぎりで異質なアルバムが『Natural Machine』だった。
詳細は以下。
今作はヤマハの自動演奏ピアノ“Disklavier(ディスクラビア)”を使用。ダン・テファー自身が作り上げたプログラムによって、テファーが弾いた演奏をリアルタイムで感知し、独自のアルゴリズムで自動演奏する。プログラムは曲によって異なり、例えば1 曲目はテファーの演奏に対し時間差でオクターヴ上または下がほんの少し遅れて演奏され、7 曲目“Tremolo”は、テファーの演奏に呼応してトレモロが演奏されるようになっている。この作品はアイディアだけの実験的なものでは決してなく、テファー自身がプログラム込みでこういう楽器として見事に操り、全く新しい即興演奏の形を創り上げている。
また、テファーの演奏と自動演奏がアニメーションに投影され、視覚的にも楽しめるようになっている。実際に演奏しているところとアニメーションを融合した映像はYoutube で見られる。
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