鏑流馬 える

やぶさめ える、と申します。 長い間うつと適応障害、パニック障害と付き合っています。 …

鏑流馬 える

やぶさめ える、と申します。 長い間うつと適応障害、パニック障害と付き合っています。 父は行方不明、母は他界、親戚は全員空の上。 友達には尽く裏切られ、頼る術は何一つなく、ただ独りで生きています。

マガジン

  • 漫画や本の感想

    自分の好きな漫画、おすすめしたい漫画などを紹介していきます。

  • 自伝、うつの素質。

    自己紹介がてらに、自分の過去の話をまとめています。 何故うつ病に至ったのか、その原因や根源を探る為のメモ代わりでもあります。

  • 昔書いた短編小説集

    中学時代から書いてきた小説たち。その中の、なるべく短編をまとめていきます。

最近の記事

ベルセルクについて。

作者の三浦健太郎さんが亡くなって、もう何ヶ月も過ぎた。 未だに信じられない。 あれだけの密度、あれだけの圧倒的な説得力のある世界観、キャラが生き生きとし、言葉が熱と力を持って、生と死がしっかり混在している漫画を私はベルセルク以外に知らない。 一枚絵はもはや絵画の域に達し、それでいて見やすくてすっと入り込める。 人物像の個性ははっきりしていて感情移入しやすい。 伏線の張り方も秀逸で、1巻から全く世界観がブレてないことによって物語を安心して楽しめる。 絵に、コマの一つ一つに、一言

    • ピース

      「死体ってさ、探すよりも、作る方が簡単なんだよな」   人の気配がしない夜中の町の路地裏で、黒服を着込んだ二人が話をしていた。 「その事に、もうちょっと、早く、気付いて……いれば……なぁ……」   一人はボイスレコーダーを片手に、一人は横たわっていた。  ――――この街では死体が売れる。状態が良ければ良い値段で。更に年齢や性別、人間以外の動物によっても値段は変わる。  死体を集めているのはネクロフィリア(死体愛好家)だけじゃない。科学者や医者が集めている。それは新薬の実験や

      • うつの素質。6

        救急車の中で気を失っていた俺は、目覚めると病院のベッドの上だった。 左腕に点滴が刺さって、顔には酸素マスクが貼り付いていた。 喘息が酷いと、酸素マスクをしていようがつらいし、むしろ酸素マスクを付けている部分が痒くなるし窮屈だしでイライラする。 俺は自ら酸素マスクを外して、ナースコールを押した。 自分の置かれている状況などどうでも良かった、クロジがどうなったか、無事かどうかだけが頭の中を巡っていた。 まだ呼吸が浅い、肩で息をしている感覚。でも多分さっきより動けるはず。医者が来た

        • うつの素質。5

          幼稚園に行き、園児と先生と園長と衝突し、帰ってから喘息の発作でチアノーゼを起こし、病院に連れていかれてそのまま入院。 その繰り返しを何度か繰り返して、漸く年長組になった。 相変わらずクロジは味方で、本の虫だった俺を外へと連れ出してくれた。 俺が本を読んでいると、窓の前に座ってこちらを見てくるのだ。 俺が気づくまで、ずっと。 気づくといつの間にかいる。 にんじゃみたいだねクロジ。 ンナー。 俺は読んでいた本を置いて、公園へ行く。 するとまた、いつの間にか既に公園に先周りし

        ベルセルクについて。

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        記事

          うつの素質。4

          土砂降りの中、バスに揺られて帰宅途中、まだバスの中でヒソヒソとこちらを見ながらさっきの出来事について話している者たちがいた。 鬱陶しい。初めて感じた気分だった。 雨は好きだ。雨の音も、強く降り頻る雨も、濡れるのも大好きだ。未だに。 だから極力気にしないようにして、窓の外を眺めて雨が流れていく様子に気を集中していた。 えるくんってどっかおかしいよね。 みんなとちがうよね。 なんかさ、こわいよね。そんな話をしていた。 おかしいこと、違うことが恐怖を与える事になってしまう。 じゃ

          うつの素質。4

          うつの素質。3

          幼稚園が嫌で嫌でしょうがなかった俺は、体が元々虚弱体質だったこともあり、段々と休みがちになっていった。 やはり本だけが友達で、何も変わらず、本の数だけ世界があって言葉があってそれを書いた人たちがいて。その無数に広がっていく頭の中の知恵や知識の草原がどうしようもなく愛おしかった。 ある日、幼稚園に行った日、帰りのバスを待っていた。 土砂降りの雨が降っていて交通網が麻痺しており、バスが定刻では来なかったので、俺を含めて何人かは遊戯室でバスや親の車の送迎を待っていた。 俺以外の皆

          うつの素質。3

          うつの素質。2

          幼稚園に入るまでの間、本当に色んな本を読んだ。 母親が塾の先生だったこともあり、家には様々な本が存在していた。 書くことは難しくとも、読むことは出来た。 誰に教わるわけでもなく、分からなかったら辞書を引き、また分からなかったら違う辞書を引いて貪るように言葉を摂取していった。 入園の日取りが決まり、母親が説明をしてきた。 幼稚園というのがどういう所なのか、何をする場なのか、どんな人間がいるのか。 特に興味は湧かなかった。 行きたくはなかった。だって本を読んでいた方が楽しいに決

          うつの素質。2

          うつの素質。1

          自己紹介がてらに、少し自分の生い立ちを書こうと思う。 何らかの要因で皆うつ病になってしまう。 いじめや虐待、育った環境や現在置かれている立場によってうつになってしまえる種が育つ。 例えば俺の場合は幼少時に虐待を受けていた。 正確に言うと虐待を受けていたらしい。 幼少時の俺に対する親の行為について第三者に話すと、それは立派な虐待だと言う。 だが当時の俺は虐待だとは思っていなかった、そういうものだと思って、育ってきたのだ。 母親が父親に 「お風呂入れておいてー」と伝えると

          うつの素質。1