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本当に幸せな「ゲイ」カップルなんていない!って思っていた

ゲイでも幸せなカップルは、たくさんあって、おそらく、一生、幸せなカップルもいるんだと思う。世界中を探せば。

それなのに、残念ながら、僕の身近には、そんなカップルがいなかったし、まわりで、そんな話を聞いたことがなかったから、

「所詮、男同士だから、付き合っても長続きしない」
「どうせ性欲に負けて、浮気しながらの付き合いになる」
「家族やまわりに邪魔されたり、理解されなくて、うまくいかなくなるに決まっている」
「まわりのみんなに祝福されて、幸せになれるはずがない」

って思っていた。

でも、いま思い返せば、これは僕の勝手な思い込みと先入観であって、僕自身が不幸だったから、そんな風に思っていただけなのかもしれない。

無意識に不幸なゲイカップルを探して、「やっぱり、そうなんだ」と確認して、どこか納得(?)して、僕はやさぐれていた。

本当は、むちゃくちゃ幸せになりたいくせに、幸せになっても長続きせず、すぐに壊れることが多かったから、もうこれ以上傷つくのを恐れて、自分で自分の身を守るために、

「どうせ、こんなもんだ。所詮、ゲイだからね」

そんな風に、自ら幸せを遠ざけていたんだと思う。

しかし、ケンジと出逢って、その意識が一変した!

お互いに40代に突入して、すでに沢山の失敗と間違い、過ちを犯してきた僕たちが、本気でお互いのことを考えて、一生ふたりで暮らしてゆきたいと思い始めた瞬間、今度は『幸せなゲイカップル』を探し始めるようになった。

すると、意外にも、表に出ていないだけで、実は、ひっそり、こっそり、おだやかに、自分たちの世界を大切にしながら、幸せに過ごしているカップルがいることに気づいた。

そうして、僕たちも「そうなりたい」って本気で思ったし、「そうなれる」って確信した。

まぁ、これはキレイごとだし、まわりから見れば「甘い!」って言われるかもしれない。

もともと、キレイごとが大嫌いだった僕だから、こんなことを書いていて、ちょっぴり変な気持ちになるけれど…

それでも、やっぱり、キレイごとからしか、夢や希望は始まらないから、「幸せなゲイカップルになる」って思って付き合って、その幸せが5年続いている。

いまは、自分も、相手も、心も、体も、生き方も、考え方も、すべて、

大切なものは、すべて大切にする

そんな素直な気持ちで、本気で大切にすることから、幸せが始まるって思っている。

とはいうものの、これから先のことを考えると、どうなるかわからないし、こんなことを書いていても、たった一言で、ケンジと大喧嘩になったり、すれ違ったり、勘違いしたりして、別れるかもしれない。

でも、いまここにある素直な気持ちや、キレイごとを、本気で大切にしたいし、その時々の自分を、まるごと全部まるっと認めて、ゆるして、受け入れて、共に生きていきたいなと思っている。

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