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チャラカに記されていたパンデミックとは

Ournalof Complementary and Integrative Medicineジャーナルで古代の医学アーユルヴェーダーの智慧における伝染病コロナウィルスのパンデミックについてNamrata Joshi, Manoj Kumar Dash and Remya Jayakumarらが評論した概要が2021年05月17日に公開されました。

以下、
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV-2)の人から人への感染は病気の潜伏期にあり、症状がないが保因している場合に最も頻繁に発生します。
コロナウイルスは寒冷および乾燥気候、熱風、湿度風、乱気流、嵐、トルネードなどの現象がある場合、高い感染を引き起こしていることを表しました。
アーユルヴェーダに記載されている環境からの原因として、空気、水、土壌、季節、頻繁に起こる地震、オゾン層の破壊、頻繁に起こる雷雨、節足動物などがCOVID-19感染の観点から再検証されました。

著者らはアーユルヴェーダの教科書でエピデミック疾患に関する情報を検索しました。
※エピデミック : ある地域で短期的に感染症が流行すること。
エピデミックがさらに広がることで大流行になることをパンデミックと言う。

Pubmed、Science Direct、Wikipedia、Elsevier、Lancet、およびSpringerは、SARS-CoV-2およびCOVID-19に関連する最新の知識についてアプローチされました。
Google Scholar検索エンジンはアーユルヴェーダ薬に関する科学的証拠がないか徹底的にチェックされました。

エピデミックの病因と発達の背後には土壌、空気、水、頻繁な地震災害、野生動物、水生の鳥、宇宙、不可避の壊滅的要因、天候や季節の異変、雷を伴う激しい雷雨、中間宿主(ちゅうかんしゅくしゅ)、オゾン層の破壊による危険な紫外線などのさまざまな環境要因がなどがあり、病気の起源となる。
※中間宿主 : 寄生生物が最終的に寄生する終宿主に着くまでの間に、一時的に寄生する相手の生物

アーユルヴェーダの概念は、現代の疫学理論と同じです。
現在のパンデミックの多くの側面の謎は、伝統医学の知識によって解読され、統合医学の概念に追加される可能性があります。
以上がその概要でした。

※Pubmed 米国国立医学図書館が作成するLINEを含む医学分野の代表的な文献データベース 
Science Direct オランダの出版社 科学および医学出版物の大規模な書誌データベース
Elsevier 科学、技術、医療コンテンツを専門とするオランダを拠点とする出版社
Lancet 世界で最も古くよく知られている一般医学雑誌
Springer 科学、人文科学、技術、医療の出版会社
※著者:インド、ライプール、 アーユルヴェーダ大学 Dr.Manoj Kumar Dash、MD、准教授。

英文検索すると、この評論のような記事がいくつでも出てきます。

2年前の4月17日にSatvikアーユルヴェーダスクールの佐藤真紀子先生が、この概要にはない部分について1時間7分のYouTubeで解説されました。
その概要についてお伝えします。

佐藤先生はアーユルヴェーダの古典医学書チャラカ・サンヒターの中のVimana Sthana判定基準編 第3編第3章、伝染病の特徴的な性質の判断が書かれているジャナパドウドヴァンサニャムの内容を解説されました。
※ジャナパド ー 社会、国、人類、共同体ウドヴァンサニャム ー 破壊

その内容は師匠のアートレーヤと弟子のアグニべーシャの掛け合い問答の形で記されています。
アートレーヤはアグニベーシャとその他の弟子に以下の内容を伝えます。

国を滅ぼす病について語ろう。
今、星、惑星、月、太陽、空気、火、方角の中にいくつかの異常が表れている。
これは今から季節の異常を予測している。
まもなくこの地球の薬草たちは適切な味、薬力、代謝後の効果や特殊作用を発言しなくなる。
つまり月や星などの異常を見たアートレーヤは薬草の効果が薄れ、病気が始まることを予測したということです。
異常気象は薬力を薄れさせたり、狂わせてしまう。
そういったことは伝染病が始まるもととなる。
ここで言われる伝染病は人にうつる病気だけではなく地域を全滅させるような病気、例えば水俣病などの公害も含まれている。

これは病が拡がる結果となるに違いない。
それゆえ、アグニベーシャよ、あなた方は滅びの時が来る前に、大地がその豊かさを失う前に、薬草たちが適切な味、薬力、代謝後の効果や特殊作用を失う前に、薬草たちを集めておかなければならない。
伝染病を治療する前には、我らを頼ってくる患者に、我らが治したいと願う患者に適切な味、薬力、代謝後の効果や特殊作用を持った薬草たちを与えることだ。
適切に薬草が採取され、保存され、投与されれば伝染病を治療することは難しくない。

するとアグニベーシャはこう言いました。
主よ、薬草は刈り取られ、保存され、適切に投与されるでしょう。
しかし体質、食事、体力適合性、精神力、年齢などが異なる人々が同時に同じ伝染病にかかるのは何故なのでしょうか。

この質問はアーユルヴェーダの生徒ならばしごくまっとうな質問です。
アーユルヴェーダでは全ての人が違う体質を持っているという考えだからです。

アートレーヤはこう答えました。
人々の体質は異なっていても、全ての人々に共通する要因がある。
それらは空気、水、場所、時間である。
これらの要因の悪化は一連の全く同じ症状が生じる病の同時発生につながり、社会を滅ぼすのだ。
空気、水、土地、時間が汚染されることが原因だと教えています。
時間が意味するのは季節や時代です。
例えば、冷夏で稲が育たない、冬なのに生温かい、長雨が異常に降り続いているようなこと。

空気(風)の異常ー
季節の特徴がないこと、風が動かない事、激しすぎること、乾き、寒さ、暑さ、湿度、粗さが激しすぎること、一方向からの風が多方向からの風と衝突すること(竜巻)、大きすぎる嵐()、不健全な臭い、ガス、砂、灰や煙が混じっていること

水の異常ー
異常な臭い、味、色、触感、過剰な粘着性、水鳥の不在、水生動物の数の減少、味と臭いの不快感
水俣病は水が原因だったことが判明した。

土地の異常ー
異常な臭い、色、手触り、過度の粘り気や湿り気、蛇、野生動物、蚊、イナゴ、ネズミ、ハエ、フクロウ、ハゲタカの増加、草や雑草の増殖、過剰に分岐したつる植物の増加(スリーマイル原発)、奇妙な景色、乾燥して枯れて作物が実らない、風のン中の煙の増加、鳥や犬の野生の鳴き声、動物と鳥の混乱と痛み、その土地の住民の宗教、真実、謙虚さ、礼儀、行動、その他の資質の倒錯や欠如ー真実を敬わず、嘘を平気で言っても平気な倫理が蔓延することによって、そういう悪い波動がその土地に満ちて、その土地の人々の免疫力が落ちることから病気が引き起こされると解釈
貯水池の絶え間ない攪拌と氾濫ー水害
隕石、雷鳴、地震の頻発な発生、自然界での激しい情景と叫び、荒々しく赤銅色と白色の太陽、月、星、まるで雲の網に覆われているかのような情景、混乱、興奮、不安、嘆き、暗闇に包まれているような雰囲気、国ごと鬼にとりつかれたような過度の鳴き声ーこれらは私たちはニュースでよく見ています。

とても長いので、ここから以下まで少し割愛させていただきます。

これらの国を滅ぼす要因による災害の最中でも適切な薬の投与が行われている場合人は病気を恐れる必要はないこのように言われている。

これから土地季節空気と水の汚染について重要性の順に説明しよう。

空気、水と土地、時間の障害は後ろに述べられているほど、より有害である。
時間の障害が最も危険である。
専門家は空気、水、土地の悪化を改善するのは時間の改善よりも簡単であることを知っておくべきである。

人は適切な薬と治療が与えられればこれらの四つの悪化要因が(汚染された空気、汚染された水、汚染された場所、汚染された時間)のすべてを提供している間であっても病に苦しむことはない。

アグニベ―シャは再びアートレーヤに尋ねた。
国全体を破壊する空気などの汚染の根底にある原因は何でしょうか。

アートレイヤーは答えた。
現世の罪や前世の悪行がこれらすべての要因の根源である。
知的冒涜は両方の罪の源となっている。
例えば州や街と市や国の支配者が正しい道を歩まずに罪を犯した時、その部下や村や都市の庶民や商人が罪深い状況に加わる。
罪深い行為は正義の行いを消滅させる。
ここでの現世の罪や前世の悪行の意味はそこで以前や現在に支配者などが悪行をした事などだと解釈されえるようでスピリチュアル的な前世のことではないようです。

正しい行いが消えてしまうので神々はこれらの場所に住む人々を不毛の状態にするそのような場所では季節が損なわれる。
その結果雨が降らないか、あるいは降りすぎる、風がまともに吹かず大地に異常が生じ水が干上がり薬がその質を失って害される。
そして飲食物が害されることにより国の災害が生じるのである。

同じように罪深い行為は武力による国破壊の原因となる。

つまりその状態をほおっておけば戦争さえ起こるよという意味。

貪欲、怒り、執着や自我が高まるため、自分の人々や敵を弱者と見下して殺す意図で戦い始めるかもしれない。
彼らは敵を攻撃するかもしれないし敵に攻撃されるかもしれない。

人々はまた罪のためにRakshasas(悪魔細菌ウイルスや他の様々な生き物)によって滅ぼされる。
という内容が古代の医療経典チャラカサンヒターに記されてある事をパンデミック渦の間に世界中のアーユルヴェーダの医師や教授、医療やサイエンスの出版関係者がネット上で発表していたのでした。

ロシアとウクライナの戦争がこのコロナ渦で始まってしまったことはとても悲しい残念なことです。

アーユルヴェーダでは健康で幸福な人生であるための教えの中にダルマが入っています。
ダルマは一言で言うと正しい行いをすることですが、利己的にならずに自分にも他者のためにも使命や目的を持って幸福に生きる、アーユルヴェーダでは皆全て体質も性質も違うという理論なので自分が調和のとれたプラクリティで生きていくこともダルマなのではないかと思いました。
その中でお布施、現代では寄付。
ウクライナへの寄付はnoteでもたくさんとりあげられていますね。



佐藤先生の動画で割愛させていただいた部分がご覧になれます。
少し長い動画なのでお時間作ってみて頂ければ嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。





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