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誤字、脱字、間違いなどはコメント欄で教えてください。 電気系の記事を書いてます。 更新頻度は、忙しさによります。

マガジン

  • 電験過去問 解説

    電気主任技術者の過去問を解説しています。 1種、2種、3種すべてを対象にしています。 随時記事が出来次第、追加していきます。

最近の記事

送配電線路の電圧降下

電圧降下送配電線路の電圧降下の式を導出していく。 図1に示すような回路を考える。 図1において、 $${\dot{V}_{\rm{s}}}$$:送電端電圧(相電圧)、 $${\dot{V}_{\rm{r}}}$$:受電端電圧(相電圧)、 $${R}$$:線路抵抗、 $${jX}$$:線路リアクタンス、 $${\dot{I}}$$:負荷電流 である。 図1より $$ \dot{V}_{\rm{s}} = \dot{V}_{\rm{r}}+\dot{I}(R+jX) \t

    • 送配電線路の送電電力

      送電電力送配電線路の多くは三相3線式である。そのため、三相3線式における送電電力の式を導出していく。 図1に示すような回路を考える。 図1において、 $${\dot{V}_{\rm{s}}}$$:送電端電圧(相電圧)、 $${\dot{V}_{\rm{r}}}$$:受電端電圧(相電圧)、 $${R}$$:線路抵抗、 $${jX}$$:線路リアクタンス、 $${\dot{I}}$$:線路電流 である。 送電電力は1相分を考えて最後に3倍する。 線路電流$${\dot{I

      • 帆足-ミルマンの定理

        帆足-ミルマンの定理帆足-ミルマンの定理は図1に示す直流回路において、端子間電圧$${V_{\rm{ab}}}$$を求める方法である。 この法則は1927年に帆足竹治が発見したが、その13年後の1940年にJacob Millmanが同様の内容を発見し、アメリカで発表を行ったため、帆足-ミルマンの定理と呼ばれるようになった。 帆足氏の論文の中では、インピーダンスで考えており、交流回路にも適用できるようにしている。しかし、ここでは簡単のために抵抗のみの直流回路で考える。 帆

        • 重ね合わせの理 直流回路

          重ね合わせの理重ね合わせの理は、直流回路の解法の1つである。 図1に示す回路を用いて、重ね合わせの理を見ていく。 重ね合わせの理は、電源を1つずつ考えて、最後に全てを足し合わせる手法である。図1の$${I_{2}}$$を求めてみる。 まず電源$${E_{1}}$$を考える。考えない電源は短絡する。 そうすると、図2に示す回路となる。 この回路において、電流$${I_{21}}$$は、分流の式を利用して、 $$ I_{21} = \frac{R_{3}}{R_{2}+

        送配電線路の電圧降下

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        • 電験過去問 解説
          126本

        記事

          分圧と分流 直流回路

          分圧図1の直列回路を考える。 図1の回路で流れる電流$${I}$$は、 $$ I = \frac{E}{R_{1}+R_{2}} $$ となる。 よって、電圧$${V_{1}}$$、$${V_{2}}$$はそれぞれ、 $$ \begin{align} V_{1} &= R_{1}I\notag\\ &= R_{1}\times \frac{E}{R_{1}+R_{2}}\notag\\ &= \frac{R_{1}}{R_{1}+R_{2}}E\notag\\ &

          分圧と分流 直流回路

          キルヒホッフの法則

          キルヒホッフの法則キルヒホッフの法則は、電気回路の解析手法の1つである。法則は、電流則と電圧則の2つから成り立っている。キルヒホッフの法則は、どんな複雑な回路であっても適用することができる。また、直流のみならず交流回路においても使用できる。 今回は直流回路を用いてキルヒホッフの法則を見ていくが、交流の場合は、ベクトルで考えれば良い。 第1法則 (電流則)回路上の任意の1点に流れ込む電流の総和は0となる。 これを式で表すと、 $$ \begin{align} \sum_

          キルヒホッフの法則

          抵抗とリアクタンス 交流回路

          交流回路交流回路では、抵抗、コイル、コンデンサが回路要素として考えられる。 コイルやコンデンサは、インピーダンスで考える際、$${j\omega}$$や$${-j\frac{1}{\omega}}$$をつけて考える。 この記事では、なぜコイルやコンデンサに$${j\omega}$$や$${-j\frac{1}{\omega}}$$が付くのかを考える。 抵抗抵抗はオームの法則より、 $$ v = Ri $$ $${v}$$:電圧、$${i}$$:電流 で求まる。 その

          抵抗とリアクタンス 交流回路

          配電方式

          配電方式発電所で作られた電気は特別高圧で送電され、配電用変電所にて高圧($${6.6\,\rm{kV}}$$など)に変換される。一般に配電用変電所から各需要家(各家庭やビルなど)までの電力系統を配電系統という。配電系統において、低圧需要家に電気を送るには、高圧を低圧へと変換しなければならない。この変換する際の電線接続の仕方について見ていく。 また、単相と三相は理解している方を対象としている。 単相2線式単相2線式は、図1に示すような配電方式である。 単相なので、線が2本

          配電方式

          掃き出し法 MATLAB

          掃き出し法線形代数学において、連立1次方程式の解を求める際に、拡大係数行列を掃き出し法によって、変形し解を求めるやり方がある。これをMATLABで行う方法をみていく。 掃き出し法は、行基本変形を行うことにより、簡約行列を作る方法である。行基本変形は、以下の操作から成り立つ。 ある行を$${k}$$倍($${k \neq 0}$$)する。 ある行にほかの行の$${k}$$倍を加える。 ある行とほかの行を入れかえる。 掃き出し法の具体的な例は、今回の目的外なので、関連記

          掃き出し法 MATLAB

          掃き出し法 線形代数学

          掃き出し法掃き出し法は、ある行列に行基本変形を行うことにより、簡約行列にする方法である。行基本変形は、以下の操作から成り立つ。 ある行を$${k}$$倍($${k \neq 0}$$)する。 ある行にほかの行の$${k}$$倍を加える。 ある行とほかの行を入れかえる。 また、簡約行列は、 各行ベクトルの0でない成分の内、1番左側は1とする。(主成分) 主成分がある列は、主成分を除くすべての成分を0とする。 主成分は、左上から順番に対角上に並べる。 例: $

          掃き出し法 線形代数学

          電験三種 過去問分析 理論科目

          説明電気技術者試験センターのホームページに掲載してある電験三種理論科目の過去問をまとめています。背景として、電験三種の試験回数が年2回になったことにより過去問の使いまわしが起こっています。そのため、過去問について、どの年の問題が使われたかを把握することで合格しやすくなると思います。 ここでは、平成21年度以降の問題を対象としていますが、平成10年代の問題からも出題されているようです。 表の中では、値を変えただけのような問題や選択肢の順番が前後しているような問題は類題として記

          電験三種 過去問分析 理論科目

          火力発電所の各種効率

          火力発電所の基本図図1の基本的なサイクルを用いて、各種効率を見ていく。効率の基本的考え方は、 $$ \begin{align} &\notag\\ 効率 &= \frac{出力}{入力}\tag{1}\\ \end{align} $$ である。よって、何が入力で、何が出力なのかという点に着目していくと覚える必要がなくなる。 ボイラ効率ボイラは、燃料を燃焼させて蒸気を発生させる設備である。また、過熱器は通常ボイラ設備の中にあるため、過熱器までをボイラ効率として考える。入

          火力発電所の各種効率

          火力発電所の熱サイクル

          基本サイクル図1に火力発電所の基本的な熱サイクルを示す。 火力発電所の基本的な構成は、蒸気を発生させるボイラ、蒸気を過熱蒸気へとする過熱器、蒸気を機械的エネルギーに変換するタービン、タービンの機械的エネルギーから電気エネルギーへと変換する発電機、蒸気を液体の水に戻す復水器、水をボイラに供給する給水ポンプである。 図1における$${T-s}$$線図を図2に示す。 図1の①の場所からスタートして、このサイクルを1周することを考える。 ①の場所からスタートすると、給水ポンプ

          火力発電所の熱サイクル

          水力発電所の理論出力

          水車の理論出力水力発電において、関連記事のベルヌーイの定理より、 $$ \rho gh + \frac{1}{2}\rho v^{2}+p = 一定 \,\,\rm{[J/m^{3}]}\tag{1} $$ が成り立つ。 図1に示すように、静水面では、水は位置エネルギーのみを持つ。 よって、静水面の位置エネルギー$${U}$$を求めると、水が持つ全エネルギーが求まる。位置エネルギーは、 $$ U = \rho gh \,\,\rm{[J/m^{3}]}\tag{2}

          水力発電所の理論出力

          ベルヌーイの定理 水力

          エネルギー水力発電では、水が持つエネルギーを利用して水車を回す。その結果、水車に直結された発電機を回転させることができ、発電を行える。ある物体が持つエネルギーは、エネルギー保存則から位置エネルギーと運動エネルギーの2つであるが、水の場合は流体であるため、位置エネルギー、運動エネルギー、圧力エネルギーの3つを持つ。 物体が持つエネルギーは、それぞれ次のように表される。 ・位置エネルギー$${U}$$ $$ U = mgh \,\,[\rm{J}]\tag{1} $$

          ベルヌーイの定理 水力

          電験三種 過去問分析 電力科目

          説明電気技術者試験センターのホームページに掲載してある電験三種電力科目の過去問をまとめています。背景として、電験三種の試験回数が年2回になったことにより過去問の使いまわしが起こっています。そのため、過去問について、どの年の問題が使われたかを把握することで合格しやすくなると思います。 ここでは、平成21年度以降の問題を対象としていますが、平成10年代の問題からも出題されているようです。 表の中では、値を変えただけのような問題や選択肢の順番が前後しているような問題は類題として記

          電験三種 過去問分析 電力科目