Galette des rois à l’Elysée🇫🇷フランスエリゼ宮殿🇫🇷のガレット・デ・ロワ（TOP画像:BFMTV）には、フェーブがない

2021年1月7日 17:01

■ガレット・デ・ロワとは

　最近、日本でもよく見かけるようになったガレット・デ・ロワ。1月6日の「公現祭（エピファニー）」（※東方三博士（フランス語では、rois magesロワ・マージュ）の訪問と礼拝を祝う日。ガレットは、丸く平たいお菓子、デ・ロワとは、王たちという意味。王たちと複数形になっているのも、この3人を表しています。）をお祝いにいただくお菓子です。

ガレットという、アーモンドクリームのパイの中に、フェーブfève（※フェーブとは、そら豆を意味します。これは、昔はそら豆を入れていた名残りです。19世紀から陶器の人形が入れられるようになり、コレクターも多くいらっしゃいます。）が、入っています。

人数分切り分け、1番年下がどの皿を誰に渡すかを決めます。中にフェーブが入っていた人が王様👑

ガレット・デ・ロワには、一緒に紙で作られた王冠もついています。フェーブを当てた人が王冠をかぶり、その日一日王（王妃）になり、男性なら王妃、女性なら王を選びます。※そのため、王冠は👑2枚入れてくださっています。

そして王は、一年中幸福が続くとされています。

■ガレット・デ・ロワはいつ食べるのか

　基本的には、1月6日公現祭の日です。公現祭は、イタリアやドイツ一部など祝日になっているお国もございますが、フランスでは、1月6日は祝日ではございません。そのため、1月2日〜1月8日の日曜日にお祝いします。今年は1月3日でございました。

しかしながら、伝統を守り正式な日の1月6日公現祭にあわせてお召し上がりになる方も少なくないようです。

また現在ではそれらに限らず、一月中、みんなで集まるときの定番のお菓子として人気でございます。

■ガレット・デ・ロワは、アペリティフと

　フランスでは、デザートというよりも、フランス人が大好きなアペリティフ（シャンパン等、食前酒）の時間に召し上がります。※勿論、お子様はジュースです。

今年は購入したパテスリーから、「C'est un cadeau（これはプレゼントです。）」とリンゴのシードルの嬉しい贈り物をいただきましたので、こちらで、アペリティフを楽しみました。2枚購入したので2本もいただいてしまいました。ガレット・デ・ロワのアペリティフは、シードルが一般的でございます。

さて、こちらのパティスリー実は、2020年エリゼ宮にガレット・デ・ロワをおさめたお店でございます。話が逸れてしまいますので、こちらは最後に紹介致したく存じます。

■エリゼ宮でのガレット・デ・ロワは、いつから始まったのか

　エリゼ宮で、ガレット・デ・ロワをお召し上がりになるようになったのは、フランス共和国代20代の大統領🇫🇷ヴァレリー・ジスカールデスタン元大統領が取り入れた1975年からの伝統でございます。

■エリゼ宮のガレット・デ・ロワには、何故フェーブが入っていないのか

　エリゼ宮殿のガレット・デ・ロワにはフェーブが入っていません。こちらは、勘のいい方ならもうお気付きかもしれません。そうです❗️現在のフランスには王様がいません。ですから、王様を選ぶことをしないということです。遊びとはいえ、歴史的にセンシティブなのでしょうね。

王様がいない理由は、皆さまご存知のようにフランス革命が関係します。フランス革命の原動力となった人たちの事をサン・キュロットsans-culottesと言います。直訳しますと半ズボン無し、半ズボンを履かない人たちです。

サン‐キュロット【(フランス)sans-culotte】の解説
フランス革命の原動力となった、都市の手工業者や小商店主、労働者などの下層市民層の称。貴族やブルジョアジーの着用したキュロット（半ズボン）をはかない者の意。goo辞典、引用

当時、サン・キュロットたちは、ガレット・デ・ロワの伝統を平等のガレットに置き換えることで終わらせていました。

エリゼは、フランス革命後に生まれた共和国の原則を尊重したいと考えました。そこで、ソン・キュロットと同様に、フェーブなし、冠なしのガレットを楽しむことを選択したのでございます。

今日では、大統領と王は存在できないと言うことを意味します。大統領が冠をかぶらないために、エリゼ宮殿では、フェーブを入れないのです。

■エリゼ宮は、ガレット・デ・ロワではなくgalette de l'Egalitéガレット・ド・レガリテ

　エリゼ宮は、ガレット・デ・ロワGalette des roisではなく、ガレット・ド・レガリテ　galette de l'Egalitéです。レガリテとは、自由・平等・博愛の平等に当たります。

フランス共和国🇫🇷の意味が込められているのでございました。

■2020年エリゼ宮にガレット・ド・レガリテを作る大役を果たしたパティスリー

　2020年にエリゼ宮のガレットを作るパティスリーに選ばれたのは、Paris7区にございます「Nelly JULIEN」でございます。　

以下のリンク動画にある大きな1m20㌢のガレットを3枚と、普通サイズのガレット30枚おさめたそうです。

Nelly JULIENのご感想は、"C'est un honneur à 100%, un stress à 200% !"「それは100％の名誉、200％のストレスです！」との事。

Nelly JULIENとチームの皆様、失敗が許されない状況に、大変緊張していたようです。

■1月6日公現祭もお客さまが並んでいました

　Nelly JULIENのお店は、公現祭の当日もお客さまで列が出来ていました。

今年も人気のようです。

こちらのお店は、パティスリーとブランジェリーが一緒になっていて、店舗右側がパテスリーでケーキ、左側がブランジェリーでパンを売っています。

2018年にはフランスのガレットコンクールにて優勝しています。

他のケーキも美味しそうでございます。

私は、前の日にネット予約しておりました。無事受け取ることができて良かったです。いただいたリンゴのシードルでアペリティフの時間を楽しみながら、公現祭を祝いました。

フェーブは、陶器の人形ではなく綺麗なガラス玉の中に、凱旋門とお店の名前が浮き上がる素敵なものでした。

透明のため、雑誌に載せてお写真を撮ってみましたが、ご覧いただけますでしょうか。

余談ですが、この雑誌の表紙の絵画は、ルネ・マグリットの油彩画『イメージの裏切り』（1929年）という大変有名なものでございます。

書き込まれた文字、''Ceci n'est pas une pipe" これはパイプではないという意味でございます。

フランスの哲学者ミシェル・フーコーの1973年の著作の書名にもなり、この事を題材に論じています。

マグリットは、このパイプは実際に使えないのだから、パイプではなくただのイメージであるとの主張らしいです。

こんな事が哲学で題材になるなんて面白くございます。

さて、公現祭が終わるとクリスマスの飾りが片付けられます。フランスでは、あちこちのお家の前で、もみの木が捨てられています。実際には回収場があるようですが、遠くの方はこのように、お家の前へ、、、。

きっとどこかのご家族が、このもみの木を囲んで幸せなお時間を過ごされたのでしょうね。もみの木さんお疲れ様でした。なんだか捨てられてしまうのは寂しいですね。

それでは、皆さま最後までお読みいただきありがとうございました。

素敵な一日を🌹Bonne journée!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？