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【2024年大統領選】予備選スタートへ 民主・共和の次世代候補

 明けましておめでとうございます。雪だるま@選挙です。2023年もよろしくお願いします。この記事では、来年の大統領選挙に向けた民主・共和両党の次世代候補の特徴や個性について考えていきます。

 2024年の大統領選挙は、1月から2月にかけて最初の州で予備選が行われる予定です。その後、山場となる3月のスーパーチューズデー(10程度の州で予備選が集中する日)に向けて予備選は過熱し、例年では4月下旬~5月にかけて勝負が決します。
 しかし、予備選の討論会は前年の夏頃から定期的に開催され、主要候補に支持が集約されていきます。次期大統領選でも、今年前半までには候補が出馬表明し、来年初頭にかけて主要候補に支持が集約されていくことになるでしょう。

 民主党・共和党に分けて党内の状況を見ていきます。

民主党予備選

バイデン大統領は不出馬?

 民主党予備選の構図は、バイデン氏が出馬するかどうかによって大きく変わります。現職の大統領に予備選で挑戦するハードルは高く、バイデン氏が出馬した場合は間違いなくバイデン氏を中心に予備選が展開されることになります。

 出馬するかどうかは、最終的にはバイデン氏本人の決定となるため、それ自体を予測することは不可能です。ただし、客観的な情勢としては「バイデン氏再選への期待は薄く、米国民も2期目を現実的に捉えていない」と言えるでしょう。
 詳しくはこちらの記事で分析していますが、中間選挙の結果からもバイデン氏の出馬は期待されていないという結論を得ています。

 そこで、この記事ではバイデン氏の不出馬を前提に民主党予備選の候補者を分析することにします。

ハリス副大統領

ハリス米副大統領(BBC)

 ハリス副大統領は、民主党予備選では最有力の候補です。現職で女性初の副大統領を務め、さらに黒人とインド系移民にルーツをもちます。
 そのため、民主党の岩盤支持層である黒人層や、比較的民主党支持が多い女性への訴求力が高く、予備選を想定した支持率調査でも首位に立ちます。
 一方で、穏健層や無党派層、白人層からの支持が弱点となっていて、予備選では最有力ですが、本選まで見据えると支持拡大に課題が残ります。

ブティジェッジ運輸長官

ブティジェッジ運輸長官(ロイター)

 ブティジェッジ運輸長官は2020年の予備選にも出馬し、アイオワ州で勝利するなどインパクトを残しました。バイデン政権でも運輸長官として入閣していて、民主党の主要政治家に上り詰めました。
 ブティジェッジ氏は、インディアナ州のサウスベンド市長を務め、同性の夫と結婚していることで知られています。
 民主党の次世代を象徴する存在ではありながらも、大学教授の家に生まれ、マッキンゼー社勤務から若くして市長に就任した経歴などが白人エリートとしてみなされることも多く、民主党の岩盤支持層である黒人層からは極端な低支持率となっています。

ニューサム知事(カリフォルニア州)

カリフォルニア州のニューサム知事(CNN)

 カリフォルニア州のニューサム知事は、2024年大統領選への出馬が取り沙汰されています。中間選挙では圧倒的大差で再選され、テキサス州など他州の民主党候補の応援も積極的に行いました。
 ニューサム氏は、バイデン氏が不出馬となった場合には立候補する可能性がかなり高いと考えられています。共和党の主要政治家になったデサンティス知事(フロリダ州)を激しく攻撃するなど、国政レベルへの進出を見据えた動きも本格化しています。

ホイットマー知事(ミシガン州)

ミシガン州のホイットマー知事(ロイター)

 ミシガン州のホイットマー知事も、民主党では有力な政治家の1人です。大統領選では激戦となるミシガン州の知事で、昨年の中間選挙では大差で再選を果たしました。事前の世論調査では、ホイットマー知事の苦戦が予想されていましたが、結果的に勝利したことで「勝負強さ」を示した形です。

 ニューサム氏、ホイットマー氏ともに世論調査では現時点で高い支持を得ているわけではありません。しかし、これまで行われた世論調査はサンダース氏やオカシオコルテス下院議員、ミシェル・オバマ氏ら出馬可能性が低い人物も選択肢に含まれていて、出馬の可能性がある人物に限ると比較的よいポジションを得ていると考えてよいでしょう。

共和党予備選

デサンティス知事(フロリダ州)

フロリダ州のデサンティス知事(AFP)

 共和党予備選は、大統領経験者のトランプ氏が既に出馬を表明する異例の展開で幕を開けました。中間選挙では共和党が苦戦した州が多かった中、デサンティス知事は歴史的大差で勝利し、鮮烈な印象を与えました。
 以前からトランプ氏に対抗する存在として注目されていましたが、中間選挙によって一気にフロントランナーに躍り出ました。政治的立場は共和党保守派ですが、トランプ氏と一定の距離を開ける立場から穏健層への浸透が期待されています。出馬は確実視されていて、その時期に関心が集まっています。

トランプ前大統領

トランプ前米大統領(ロイター)

 トランプ前大統領は、11月15日に次期大統領選への出馬を表明しました。在任中は共和党内で圧倒的な人気を誇り、2020年の敗北後も強い影響力を保持していましたが、昨年の中間選挙で敗北してからは目に見えて求心力が低下しています。
 不正選挙の陰謀論を唱えるトランプ氏では無党派層を掴めないという懸念は選挙前から存在しましたが、中間選挙では激戦州でトランプ氏の推薦候補が相次いで敗北し、共和党内では「トランプ離れ」の動きが加速しています。

ペンス前副大統領

ペンス前副大統領(BBC)

 ペンス前副大統領も、2024年大統領選への出馬が取り沙汰されています。ペンス氏は、2020年の大統領選結果を最終的に認証した立場から、トランプ氏やその支持者から攻撃されることが多く、出馬しても勝ち筋は薄いと考えられていました。
 しかし、デサンティス氏に支持を集中させるリスクが今後顕在化する可能性があること、しかもトランプ氏が影響力を急速に低下させる中で反トランプ票の分散も可能になることなどから、「デサンティス氏の対抗馬」として再浮上することもあり得る状況です。副大統領時代の実績は十分で、今後の動きが注目されます。

ヘイリー元国連大使

ヘイリー元国連大使(AP通信)

 ヘイリー元国連大使も、2024年大統領選に出馬する可能性があります。ヘイリー氏は、サウスカロライナ州知事を務めた後、トランプ政権下で国連大使を2年間務めました。
 共和党は有色人種や女性で弱い傾向がありますが、ヘイリー氏は女性でインド系移民をルーツに持っています。民主党の「左傾化」を厳しく批判しつつも、共和党の一部に存在する白人至上主義傾向を認めない姿勢を示すなど、無党派層への訴求力は抜群に高いと考えられます。
 予備選に出馬すれば、討論会などを通じて浮上する可能性があるでしょう。

今後の展開

 まずは、どの候補が出馬表明するかを6月にかけて注視する必要があります。民主党はバイデン氏が出馬するかどうかが最重要となります。
 23年秋から年末までの間に、勝利する可能性が低い候補は資金不足などを理由に撤退する見通しです。その過程で「ダークホース」が浮上する可能性も想定すべきでしょう。

 民主党側の候補は多くありませんが、共和党はテキサス州のアボット知事、ニューハンプシャー州のスヌヌ知事、ヴァージニア州のヤンキン知事、ポンペオ元国務長官、サウスカロライナ州選出のティム・スコット上院議員らが、ここから浮上してくるポテンシャルを持っているといえます。

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