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【読書】『ビジョナリーカンパニーZERO』ジム・コリンズ ビル・ラジアー

久々にビジョナリーカンパニーシリーズを読みましたが、シリーズのすべてを読んだわけではないですが、これは集大成かもしれないです。

なぜ読んだ?

昨年の輪読会で選出されたものの一つでした。また、この1冊は尊敬する諸先輩方が読まれていて、とても読み込まれていた本なので楽しみにしてました。

結論

めちゃくちゃ良い本でした。また定期的に読み直したいと思う本です。いま理解しているところも、理解したと思っているところも、時や経験を経て学ぶ点が変わるだろうなと思ってます。ビジネスに携わるすべての方におすすめです。

何よりも人!

規律ある人間がいればどうの、と後半には書いてあるがそれはそれとして、まず自分のスタンスとして、【信頼するから入る】と。これって意外とむずかしい気がしてます。

後輩がダンス公演の練習はじまって、初回の練習で「結局最後の公演が近づくにつれて、「もっと話せばよかった、もっと飲みに行けばよかった。」っていうくらいなら、いまから仲良くなりましょう、コミュニケーションしましょう」っていうのと同じくらいインパクトがありました。

後者は照れちゃう、前者は実績と比較しちゃったり、本当に「正しい人材」なのって思っちゃったり。それでもまずは信頼する、なんですね。

ビジョンはやはりダイジ

小さい企業のうちからビジョンはダイジ。それは大きくなるのか、ならないのかを決めることもビジョンありきだから。

なんだか、途中に出てくる建設会社のように、「いまこのタイミングでそれ必要?売り上げあがる白けるんじゃない?」とか思う気もするが、いやはや企業ステージにかかわらず必要と。

偉大な企業は文化をつくる。

再現性を高めるものでもあり、競争優位性にもなる「文化」。

特に、本書では「スケール」する力が偉大な企業の最大の強みと書いてあるが、たしかに、どんなに規模が大きくなっても、業界を牽引する立場であっても、常に挑戦しつづけて、革新を生みつづけるってなかなかの至難の業だと思います。

そんな企業あるのか?アップルが事例として上がっているが、いまこのとき2024年3月31日時点で考えて、Macintosh、iPod、iPhone-iTunes、Apple Watchのこの次もあるのか?

うーむ、この辺はこれからも挑戦ですし、実際の企業も追っていきたいです。

ちょっとざっくりな振り返りですが。
以上、オススメです!


その他ピックアップ(意訳あり)

1章

  • まず人を信頼する

  • 人生の指針となる明確な哲学を持て

  • たとえ100年生きようと人生は短い

2章

  • 正しい人材をバスに乗せる以上に重要なものはない

  • 育成か交代か

  • リーダーの立場は特権ではなく責任

  • まずは最高の人材を集める。それから何か大きな仕事を与える

  • 報酬制度は正しい人材をつなぎとめるものにはならない

  • 生きがいもなく、やみくもに働きつづけるのは不幸

3章

  • リーダーシップとは、部下にやらなければならないことをやりたいと思わせる技術

  • 自らの言葉を行動で裏づけない経営者に、誰も共感しない

  • 何か嫌な感じがするのは誤った判断

  • 決断を下してから、誰にもいわずに24時間寝かせるのも手(決断のひとり疑似体験)

  • 判断は「誤る」ほうが「しない」よりまし

  • 責任はあなたが引き受け、成果を共有する

  • 自分が反対した決定であっても、その結果に全力を傾ける責任を受け入れる者(正しい人材)

  • やるべきことをすべてやるのに、十分な時間がある人はひとりもいない(時間は有限、やることは無限)

  • 長期的な関係構築するためには人間味があるコミュニケーションをとる(ポストイットでありがとうとか)

  • サム・ウォルトンは常に自分の指で会社の脈をとる方法を模索していた(突然運搬トラックの1日体験をするとか)

  • すべてのディテールに首を突っ込まない。象徴的行動をとり、社員に道を示し、社員に強烈な印象を与えること。

  • 偉大な企業は、文化を形づくり、人を育てる

  • ダメなリーダーは批判的フィードバックが多すぎる

  • 会社の方向性の伝え方は悩む必要ない。ただ口に出せばいい。何度も何度も。語る。書く。図にする。また語る。

  • 文字にこだわらない。絵にする。物語にする

  • 周囲にもコミュニケーションを促す。コミュニケーションは全方向

  • 偉大な企業のリーダーは、個人として常に前進、向上している

  • 楽観主義なだけでは不十分。不屈の精神、粘り強さとセットで持ち合わせること

4章:ビジョン

  • 小さな会社であっても、ビジョンは必要。小さな会社であり続けるということも、明確なビジョンがあるかどうかでその選択できるか変わるため

  • 共通のビジョンがなければ、組織は容易に派閥に分裂してしまう

  • ビジョンは特定の人ではなく、組織に帰属すべきだ。ビジョンは創業者を超越しなければならない。

  • コアバリュー

    • コアバリューと理念は、組織のリーダーの内側から生まれる。日々の行動を通じて、人生や事業に対する個人的価値観や理念を組織に振り込んでいく

  • パーパス

    • パタゴニアのパーパス「社会変革のロールモデルとなり手段となる」「それを成し遂げる唯一の方法は、産業界からロールモデルとされるような財務の健全性と十分な成功を手に入れることだ」

    • パーパスは必ずしもユニークでなくていい

  • ミッション。社運を賭けた大胆な目標(BHAG)

    • 大胆なミッションを設定すると、リスクがあるのではないかと思うかもしれない。もちろんある。失敗する可能性と、それを打ち消すような「なんとかやり遂げられる」という信念が同時に存在する。それが本物のミッションの条件だ。

    • 数字的ミッションは、社員にとって胸躍るものではないことが多い。

    • 共通の敵型ミッションには、明らかな利点があるが、マイナス面もある。人生をひたすら戦争状態で過ごすことは難しい。

    • どのような時間軸のミッションを設定する姿勢を、達成したときにはきちんと認識すること、そして何より重要なこととして、新しいミッションを必ず設定すること

  • ビジョンはカリスマ的ビジョナリーだけのものではない。だが、あなたのスタイル個人的魅力にかかわらず、ビジョンを策定するのはリーダーの仕事

  • 自分のことをビジョナリーなんて言うものじゃない。ビジョナリーかどうかは他人が決めることだ。私はただのテッドターナーだ。

5章

  • 大抵の人は生きているあいだに、コテンパンにのめされることがある。それが起きたとき、どうするか選択するのかは自分自身だ。起き上がるか。

6章

  • できるだけ早いうちから、会社のアーキテクチャー(構造)に偉大さの基礎を埋め込んでおくのがベスト

  • 真の規律と呼ばれるのは自己規律だけ。困難でも偉大な成果を出すために必要なことをすべてやる、という内なる意思。規律ある人材がいればヒエラルキーはいらない。

  • 規律のない思考をする人は、「ORの抑圧」に流され白黒はっきりさせようとする。それに対して規律ある思考をする人は、「ANDの才能」を活かして二項対立を二面性として捉え、新たな解決策を見出そうとする。

  • ハリネズミの概念。情熱を持って取り組めるもの。自分が世界一になれる分野。経済的競争力を強化するもの。その3つの円が重なる部分をしっかりと理解する

  • 精度を合わせた砲撃は、途方もない成果をもたらす。

  • 偉大な企業とそうでない。企業の差は、良い時期も、悪い時期もとことん警戒を怠らないところにある。

  • 時を告げるのではなく、時計を作る。ex.特定のリーダーがいなくなった後も、ずっと繁栄の続く文化を醸成する。素晴らしいアイディアをいくらでも生み出せる組織を作るなど。

7章

  • 戦略がイノベーションを後押しするのと同じように、イノベーションが戦略に影響与えることを許容する。

  • 戦力を集中させること以上に重要で、シンプルな戦略の法則は無い

8章

  • あらゆる進歩は、物わかりの悪い人間が生み出す。バーナード・ショー『人と超人』

  • どこで生まれたアイディアでも受け入れる

  • 顧客から何千と言うアイディアが寄せられる仕掛けを作る

  • 発明家が反無意識的にアイディアを思いつく前に、市場がその画期的発明を求めていたケースは皆無

  • 呼吸療法科の責任者や看護師長に問題はありませんかと聞くだけではダメ。自分で現場を歩き、一人ひとりの看護師に何か問題はないかと聞かなければならない。

  • 励ます。あら探しをしない。

  • 偉大な企業の最大の強みは、確固た?イノベーション能力ではなくて、イノベーションを「スケール」する能力だと確信した

    • イノベーションを何度も生み出し、スケールし、常に戦術的卓越性を発揮しながら、市場に送り込む。長い目で見れば、ベストはファーストに勝る

9章

  • 誰もが守れないと思うような締め切りを設定するのは、設定しないのと同じ。クライアントの立場であっても受け入れない。

  • 重要な作業や目標の一つひとつに、明確なOPUR(One person ultimately responsible)を任命すべき

  • 理想的なOPUR環境を生み出すうえでそれと同じくらい重要なのが、誰もが隣人のために「歩道を雪かきする」文化があることだ



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