コロナ禍での新しいサードプレイス探し。「心地いい場所」を見つける幸せの方程式。
「ああ、なんだか遠くに行きたいな」
そう思った時にふらっと出掛けられたのはいつのことだったでしょうか。
長引くコロナ禍、皆さまいかがお過ごしですか?
新しい習慣に慣れてきて、自分なりのライフスタイルができた頃かもしれません。かく言う私もオンライン会議やテレワークが当たり前になってきました。
でもそんな中で唯一どうしても我慢できないこと。それは外出自粛です!
緊急事態宣言が出た都心部はもちろん、それ以外の地域でも、お店が早く閉まったり酒類の提供を自粛したりと外で過ごせる場所が減っていますよね。これが私にとってモヤモヤするところです。
「家にいたらいいじゃん」と言われそうですが、私は家や職場以外で過ごす時間が大好き。それは、いわゆる「サードプレイス」という場所を大事にしているからなんです。
今回の記事では、「コロナに負けるものか!」と探して見つけたマイベストサードプレイス上位5位と、それらから導き出した「自分の心地いい場所を見つける方程式」をご紹介します。
家庭でも職場でもない「自分だけの場所」
「サードプレイス」。この言葉が生まれたのは1989年のアメリカです。当時、アメリカの都市部は車社会で、人々は自宅から職場・学校まで車を降りずに往復していました。
そんな都市型の生活に対し、社会学者のレイ・オルデンバーグは警鐘を鳴らしました。
「このままでは人々は孤独に陥ってしまう。自宅(ファーストプレイス)や職場(セカンドプレイス)以外に、自分のための場所(サードプレイス)が必要だ」
ここで定義されたサードプレイスは、中立の領域・平等な間口・会話がメイン…など、人々の交流を主眼に置いたものでした。コミュニティでつながることで孤独を癒そうと考えたんですね。
その後、サードプレイスの考えは広がり、有名なところではスターバックスがこのコンセプトのもと成功しています。そして、今やひとりで本を読んだりゆっくりしたりする場所もサードプレイスと呼ばれます。
カフェや居酒屋、カラオケ、バーなどなど。形は変われどもコアは変わらず「自分のための居心地のいい場所=サードプレイス」なんですね。
私も、通勤帰りのカフェや、思いもしなかった人と出会える日替わりバーに立ち寄っていました。
そこで自分を見つめ直したり、新たな刺激をもらうことでリフレッシュして家や仕事に戻っていたのです。
私たちはどこに行けばいい?
しかし、ここに一石を投じたのがコロナ。
サードプレイスに行きたくても、そもそも自宅や職場・学校以外の場所が閉まっているという事態になりました。
不安定な未来を指して「私たちはどこへ向かうのか」と問いかけることはありますが、そもそも「私はどこに行ったらいいの?(場所的な意味で)」といった状態です。
私たちはどうやって「自分の居心地のいい場所」を見つけたらいいのでしょうか?
とは言え、嘆いてばかりもいられません。
コロナ禍にあっても、前向きに自分にとってのサードプレイスを見つけましょう!
今回は、密を避けるため交流型はいったん諦めてひとりゆったり型サードプレイスを探しました。コワーキングスペース、レンタルスペース、ホテル、店、庭、公園、その他もろもろ……。
そして、「なんでここが心地いいのか?」を探究し、私なりの方程式を作ってみました。どこがサードプレイスになるかは人によって違うもの。みなさんが、自分なりのサードプレイスを見つけるヒントになればと思います。
サードプレイス=密度×導線×空間と見つけたり
結論からお伝えすると、私にとってのサードプレイスは3つの要素で成り立っていました。
1.密度(人とのほどよい物理的距離)
2.導線(その場所までのアクセス)
3.空間(好きなインテリア、雰囲気)
10×10×10が1,000になるように、3要素の満足度がそれぞれ高いほど私の思うサードプレイスに近くなります。具体例でご紹介しましょう。
第5位 レンタルスペース
密度 ★★ (ひとり暮らし気分)
導線 ★★ (コロナで件数激増)
空間 ★ (インテリアは固定)
職場近くのレンタルスペース。普通のマンションのワンルームで1時間500円からでした。最近は空き物件が増えて選択肢も増えたみたいです。
ひとり暮らし時代を思い出してお茶を入れてボーっとしてみたり。”自分の城”でなんだか肩の力が抜けました。
第4位 ひとり向けカフェ
密度 ★★ (お客さんが全員ひとり)
導線 ★ (遠方や予約制)
空間 ★★★(店主さんのこだわりがある)
お店の入場制限も増えた昨今ですが、ひとり掛けの席が多かったり元々ひとり専用というコンセプトのカフェもありました。
通常のお店では周りは2人以上のことが多いですが、ここでは全員がひとり。この安心感は何なんでしょう。席もお互いの目線が合わない配置です。
第3位 自宅リビング ひとり用テント
密度 ★★ (家族が通る)
導線 ★★ (組み立てが楽しい)
空間 ★★★(非日常)
人に話したときに一番聞き返されるのがこれです。テレワークや土日の外出制限で家族が家にいることが増えたのですが、我が家は個室が少ない。「ひとりになりたいな」と思ったときすぐできる個室、それがテントでした。
2m×1mくらいなので2畳のスペースがあれば大丈夫です。LEDランタンをぶら下げてちょっとした非日常。ただし家族には笑われます。
第2位 いつもと逆方向に1~2駅
密度 ★★ (人とすれ違う)
導線 ★★★(遠すぎず近すぎず)
空間 ★★★(新しい発見)
遠くに出掛けるのは不安ですが同じ風景ばかりはストレスがたまります。その妥協点が、退勤時にわざと最寄りの1~2駅先で降りて歩いて帰るというものでした。
近所じゃないので知人には会わないけれど、全く人がいないわけでもない。好みの建物やお店を発見して、今度行ってみようかなと考えているうちに我が家が見えてきます。道や街全体が心地いい空間です。
第1位 平日昼間 近所の銭湯
密度 ★★★(大浴場に3~4人くらい)
導線 ★★★(通勤路とちがう道で楽しい)
空間 ★★★(昔なつかしい)
ここ1年間でのベストオブサードプレイスがこちら。テレワークの昼休みに入る銭湯です。もちろん安全衛生には十分に配慮していますが意外とお子さんやシニアの方もおられます。
ここは何より人との距離感がちょうどいい。お風呂という同じものを皆が楽しんでいて、「あら、今日は早いね」なんて少しの挨拶をして、ゆったりするために来る場所。お風呂はほとんどの家にあるのに、それでも足を延ばして銭湯に来るのは、自分だけではできない関わりを求めているのかもしれません。
1位~5位を方程式に当てはめて分析してみると、私のひとりゆったり型サードプレイスは以下の特徴があるようです。
・空間人数は3~4人ほど
・そこまでのアクセスも楽しめる
・街や銭湯のような身近で温かいインテリアや空間
こんな場所に包まれて自分の時間をとってリフレッシュすることが幸せなのです。
ぜひあなたも「密度×導線×空間」でサードプレイスを考えてみてくださいね。
「幸せな状態を知っている」という幸せ
今回サードプレイス探しをしてみて感じたこと。それは「自分にとってどんな状態が幸せなのか」を知っておくことが大事だということです。
私は今回紹介した5つの場所で、人との心地いい距離感や心地いい空間を改めて知ることができました。
この方程式に当てはめて考えれば、コロナ禍でも海外でも、どこにいても新しいサードプレイスを見つけ出せることでしょう。そしてそこで過ごせれば私はどこにいても幸せになれます。
居心地のいい場所や幸せな状態は人によって違います。でも、自分の幸せの方程式を知っておけば、どこにいてもどんな状況でもきっと幸せな気持ちになれると思うのです。
外出もままならない世の中です。
それでも、心地いい場所も幸せを感じることも諦めたくない。
心の方程式をしっかり握って新しい場所を見つけにいきましょう。
Text by ひらふく(おとな教育の実践人事)
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?