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【イベントレポート】新時代の伝え方は”幸せ”のおすそ分け。「豊かで幸せな生き方を伝える人 養成講座」

「どうしたら自分の想いが伝わるのか…」
誰もが一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
人々の交流が対面からオンラインへと移り、YoutubeやInstagramなど個人が情報発信を担う時代になりました。でも発信しようと思っても最初の一歩に迷ったり、伝えたいことはあっても相手に響かず試行錯誤している人もいるかもしれません。

Elämäプロジェクトでは、2021年3月28日(日)にオンラインで【体験講座】豊かで幸せな生き方を伝える人 養成講座 (旧タイトル:「豊かで幸せな文化を伝える講師」 養成コース)を開催しました。

情報発信で大切なのは「聞き手にどんな変化をもたらしたいか」ということ。この講座では、フィンランドや日本の文化を通して「私たちにとって豊かで幸せな文化を考える」ことをしていきます。考えることで、豊かで幸せな文化を実際に「つくる」ことにつなげます。
また伝え方のスタイルとして、一方通行ではなく「わたしらしい言葉で優しくしなやかに伝える」「豊かな内容と表現で参加者の対話をうながす」方法を学びます。

講師としてElämäプロジェクト代表の石原侑美さん、そして高校教師をしながら和文化を広めるパラレルワーカーの橘 茉里さんが登壇。第1部ではフィンランドと日本の文化比較、第2部では参加者同士で「豊かで幸せな文化」について対話し、最後に伝え方を組み立てるワークを行いました。

茉里先生

和文化担当講師
橘 茉里(たちばな まり)
国語教師、香司、和えらま共同代表
現役の国語教師として、私立高校に勤めている。
日々、高校生の感性や発想に刺激を受けながら、国語という教科の枠に留まらない日本文化の伝達や、生徒の将来に役立つ実学としての教育を模索している。
一方で、匂い袋、線香、練香などを調合する、和のお香のプロである「香司」の資格を取得。2020年、「和の文化を五感で楽しむ講座」を立ち上げ、教員として働きながら、パラレルワーカーとして、日本文化とお香制作を掛け合わせたワークショップ等を社会人向けに開催している。

2時間の講座の中で、男性・女性・会社員・主婦など多様な参加者が自分の伝え方や価値観に向き合いました。今回はその様子をお届けします。

憧れは実は足元に。 ”自然と生きる日本人”

最初に参加者に参加の動機を聞きました。きっかけは様々ですが、現状の伝え方や話し方に悩みを抱いている人も多いようです。

・自分にとって話すことは難しいことだが、その心理的なブロックを外したい。
・地域活動で対話の場を作っている。相手との壁をなくす伝え方のヒントを得たい。
・日本語に興味あり学び直している。和文化をもっと知りたい。
・美術に関する仕事をしており、美術品の背景として風土や文化を勉強中。
・人に伝えるという講師業に憧れ。一歩踏み出したい。

集合写真(開始時)

講師の橘さんは講座内では「茉里先生」と呼ばれ、フレンドリーな雰囲気の中で講座がスタートしました。

第一部は日本和文化とフィンランド文化の比較です。

茉里先生
「『日本文化を知らない』というお声をよく聞きますが、知らないから価値がないと思われるのはすごく残念だなと思ったんですね。
客観的な事実だけじゃなく『こんな歴史や文化があるから、”わたし”が今いる日本が誇らしい』と思ってもらえたら最高です。」

さくら

ちょうど今が時期のお花見はもともと神様に捧げる行事で、日本古来の宗教観は何にでも神様が宿るという「アニミズム」。
江戸時代に外国の人が日本に入ってきた時、自然と共に生きる当時の日本人について、「自然を熱愛し安楽で静かで幸福な生活を送っている」と言っていたそうです。
それはまるで現代の日本人が北欧に憧れる生活そのもの。ほんの150年ほど前まで私たち日本人自身がそうだったなんて知りませんでした。

次は侑美さんからフィンランドと日本の比較考察。

文化比較

両国とも国土の70%が森林地帯で元々は自然信仰の国ですが、実は日本と違い、現在のフィンランドでは自然信仰は古臭いとされているそう。その一方で、サスティナブルの考え方のもと、少しずつ自然信仰は見直されつつあります。

しかしフィンランドでは12世紀からずっとキリスト教が主体。日本のように仏教が伝来しても元々の神教が廃れず神仏習合したのは世界でも稀とのこと。
それについて茉里先生は「日本の受け入れ能力の高さ」と表現します。真面目だと言われ、私自身そう思っていた日本人像。でも実は柔軟な一面が見えてきました。

あなたにとっての「豊かで幸せな文化」とは?

二国の文化を学んだところで参加者同士での対話タイムです。テーマは「あなたにとって豊かで幸せな文化とは?」。

・帰国子女などいろんな国にルーツがある人は自分のアイデンティティに悩むのでは。
 ただ一方で「日本でやっていく!」と決めている人もいる。
・現代の教育にはもっと大切なものがあるんじゃないか。
・今は「袖振り合うも他生の縁」のような情緒的なものが少ない社会。
 穏やかさを目指しながら個々人の幸せを実現していくのが豊かだと思う。
・個々人だけではなくて社会にとっての幸せってなんだろう?

などなど、自分一人では生まれない新たな意見が行き交います。

次のテーマは「あなたが発信できる豊かで幸せな文化のネタって?」

伝える時に重要なのは「何を」伝えたいか。「あなたは何を伝えたいの?」と改めて聞かれると身構えてしまいますが、ここでは「好きなもの、居心地のいい空間、好きな人」といった身近な豊かさや幸せを考えました。

侑美さんからはフィンランドはもちろん、お風呂巡りやお笑い、今住んでいる飛騨高山というキーワードが。
茉里先生は着物のある生活やぷらっと一人旅に出るのも好きとのこと。

参加者からは「コーヒーが好き。自分から切っても切り離せない」「自宅のウッドデッキでボーっとするのが落ち着く」といった身近な豊かさが出てきました。

私も自分が集めている風呂敷のことや、室内に小さなテントを張って居心地のいい空間を作ってみた話をしました。

自分の好きなものを考えるのは楽しいですよね。参加者からも笑顔がこぼれます。

「文化とは?」と考えると壮大なお話のようですが、「じゃあその文化として自分が発信できるネタは?」と問いかけるとみなさん日々の生活のことが出てきました。

「豊かで幸せな文化を発信する」とは、意外と私たちの身近にあって気軽にできるものなのかもしれません。

自分の価値観で語るストーリー

ネタとなる点たちが出てきたら繋げて線にしてストーリーを作ります。相手に伝わるにはこのストーリーが重要。より実践的にイメージするため、「自分が講師となって講座を組み立てるにはどうしたらいいか」を考えていきます。

現役高校教師の茉里先生の実践ノウハウから講座構成の流れを解説されます。私はいろんな伝え方セミナーを受けたことがありますが、茉里先生が伝えるのは単なる型ではありません。「伝える」ということにおいて型以上に重要な根本的な考え方。私はそれにハッとさせられたのですが、詳しくは体験講座で実際に体験してみてくださいね。

ストーリー構成のプチワークでは、桃太郎のような童話ストーリーから3つの見出しをピックアップ。ここで重要なのは「自分はその童話のどこに価値を感じるのか」です。

アートボード 1

参加者の中からは、かぐや姫から竹文化を語る人、シンデレラからジェンダーについて提示する人、星の王子様から「友達とそうじゃない人の違い」を考える人など、その人の選んだ童話や話題の切り出し方に個性やその人自身の価値観を感じました。

同じワークテーマでも参加者の答えが同じにならなかったように、その人しか伝えられない価値観があるのではないかと思いました。

本講座では”点と線”から”面”へのスキルへ

今回の講座は、フィンランドと日本の文化を通して「豊かで幸せな文化」を考えることで、自分が発信できる豊かさや幸せの”点”が現れました。その点を”線(ストーリー)”にし、参加者同士で対話をすると、自分ならではの価値観や着眼点が浮き彫りに。

今回の体験版をふまえて、5月に開催する3日間の本講座ではこの先の線を”面”にするところまで落とし込むそうです。一方通行になりやすいオンラインでは、”面”の双方向性が今後重要になると思われます。

参加者からは、最初に抱いていた悩みが解消されたという声が多かったようです。

・表立って何かを説明する立場になって切羽詰まっていたが、自分の話をまとめるためにも勉強になった。
・書くのは何度もやり直せるが話すのはその時一回限り。だからこそ自分の想いをできる限り伝えたいと思った。
・講師になる!ってちょっと難しいと思ってたけど、やってみたらいろんな場所で使える考え方だった。
・対話できたので人との考えの違いがわかった。自分にとっての豊かで幸せを考えられるいい機会だった。

集合写真

豊かさや幸せをシェアしよう

私は伝えることに苦手意識があって、この講座に”伝え方”を学びに来ました。でも、和文化を通して日本人である自分を再発見したり、対話を通して誰一人として同じ捉え方をしていない多様さを知りました。そしたら、人とは違う角度から、自分だから伝えられる”豊かさ”や”幸せ”があるんじゃないかと思えるようになりました。

この講座は伝え方の型だけを学ぶのではありません。私たち自身の中にある”豊かさ”や”幸せ”を掘り起こして、自分や人に見えるようにしてお互いにおすそ分けをして、さらに豊かさや幸せが広まっていく。そんな循環が「豊かで幸せな文化をつくる」ことなのかもしれません。

どうせ伝えるなら自分が笑顔で話せることがいい。
笑顔で話せたらきっと相手にも伝わっていくはずですよね。

次回の体験講座は春も盛りの4月18日と4月20日。あなたの”豊かさ”や”幸せ”を私たちと一緒に語りましょう。この講座でお待ちしています。

【本講座のご案内】
豊かで幸せな生き方を伝える人 養成講座

本講座は3日間で完結するコースです。全てオンラインで開催します。
受付を開始しましたらHPよりお申し込みください
 
 <1日目> 2021年5月16日(日)
 <2日目> 2021年5月22日(土)
 <3日目> 2021年5月23日(日)
各日10:00〜15:00(内1時間休憩あり)

 受講料(3日分):一般:50,000円(税込)学割:35,000円(税込)
 ※どちらの料金も、個人プレゼン添削を含みます。
 ※一般受講の方のみ、本講座お申し込み時に体験講座受講分の3,000円をキャッシュバックします。

Text by ひらふく

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