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子どもの習い事は、親の学び事。母親がエラマ的に立ち止まって気づいたこととは。

こんにちは、あいすかです。

みなさん、夏バテしていませんか?わたしは少しバテ気味です。気候だけでなく、スケジュールを調整しなきゃいけないことが最近増えたからだと思います。

新しく設定した生活スタイルに慣れなければいけない、という体力と気力の消耗でしょうか(笑)。

さて、我が家では10歳の娘が、5月から地域の公立小学校で行われているジャズ吹奏楽(地域サークル)に入会しました。昔からサックスに関心はあったようなのですが、急に「ジャズやりたい!」と言い出し、見学してみたところ、あれよあれよという間に入会を決めてしまったのでした。

みなさんも子どもの頃、習い事をしていましたか?

「ピアノ習ってみる?」「そろばん教室いってみる?」とまわり(特に親御さん)から言われてはじめた経験があったり、物心ついたときには、すでに何かしらの習い事をしていた(やらされていた)という人もいらっしゃると思います。

「子どもの頃は習い事なんて全くしていなかったよ」と言っている海外在住の私の友人も、母親となり、自分の子どもにはたくさんの習い事をさせています。

わたしも、我が子が新しいことにチャレンジしている姿を間近でみていて、「子どもにとっての習い事とは、わたしにとっての習い事とは」について考えるようになりました。

こうやってすぐに問いをたてていくところが、エラマライターとしての証でしょうか。

前置きが長くなりましたが、そろそろ本文に入りたいと思います。しばし、お付き合いくださいませ。

親子が求めたサードプレイス。そこが習い事になることもある

最近は、習い事ランキングや、様々な専門領域の習い事情報をネットでチェックすることができます。コロナ禍以降はオンラインでの習い事も増えてきていますよね。

トミックや英語など、0歳からでも始められる習い事もあります。

正直、0歳から習い事をさせたいと、わたしは1ミリも考えたことはありません。でも、我が子に0歳から何か経験させてあげたい、と思う保護者を決して否定したりもしません。
だって、みんな、子育てに必死なのは同じだから(第一子は特に)。

ただ、習い事、となると、日本は独特な文化を持っているような気もしています(フィンランドはどうなんでしょうね?)。

とにかく、子どもが未就園児の時、とくに0歳から3歳未満のお子さんをもつ保護者(多くの場合は母親)は、子どもと一緒に過ごせる場所を求めているように思います。

産休中であれば尚更、復帰までの子どもとの時間を満喫したい、と思う人もいます。また、産休中だからこそ、自分自身もその時間にスキルアップして学びを深めたいと考えるママも同じように子どもを預かってもらえる場所を求めていたりします。

そこが子どもにとって人生最初のサードプレイス=家でもない、保育園でもない居場所になるのかもしれません(子どもたちの記憶に残っているかどうかは別ですが)。

その多くが子育て支援センターだったりするのですが、そのように名乗らなくても、結果的に支援の場になっていた、というような場所もあったりします。それが、習い事なのかな、と。

わたしの場合は、第1子が1歳の時に夫の単身赴任が決まったので、土日をどうやって母子2人で過ごそうか、悩んでいました。そんな時に誘ってもらったのが、親子合唱団でした。

0歳から、上はおばあちゃま、おじいちゃままで多世代が集まっていて、合唱は真剣にするのだけど、赤ちゃん連れでもママが歌えば大丈夫というとても自由な感じに惹かれ、入団しました。これが、わたしたち親子の最初の習い事です。

年に1回は合唱連盟の定期演奏会に参加し、何度も舞台に立つ経験をさせていただきました。先生は歌詞の背景を絵本で読み聞かせてくださったり、合唱への学びを深める機会をたくさんいただきました。それだけでなく、ご年配のメンバーさんたちと、なにげない自然な会話の中で子育てや様々な人生相談ができ、わたしにとっては歌う以上の楽しみを見出すことができたのでした。

現代の小中高生にとっても、放課後に通う習い事(塾も含む)の場が、本来の学びの機能としてだけでなく、学校や家庭以外の居場所として充分稼働しているように感じています。

習い事はたくさんできないし、すればいいものではない。でも、折々に心の拠り所を作っておくことは、自分を大切にするために必要だと思います。
それは、おとなも子どもも同じなのです。

「お父さんだけずるい!」からはじまったテニスが5年以上も続いている理由

娘が3歳の時、夫がちょこちょこテニスをしているのをみて、「お父さんだけずるい!わたしもやりたい!」と言い出しました。しかし我が家から通える範囲にある某テニススクールは満5歳にならないと通えないことになっていました。コーチの指示が理解でき、身体もある程度大きくならないといけない。水泳や体操とは違い、競技系の習い事にはある程度年齢制限があります。

夫は学生の頃からかれこれ30年近くテニスをしています。学生時代は部活でバリバリやっていたそうですが、今は趣味程度です。夫も子どもに絶対テニスを習わせたいと思っていたわけではありませんでした。

しかし、楽しそうにテニスをする父を見て「ズルい」と感じた娘さん。2年間ずっと習いたいと言い続け、満5歳のときに、やっと念願叶ってテニスをはじめることになったのでした。
最初は自分だけ身体が小さくて、うまくラケットを握ることもできなくて、泣きながら練習をしていた日もありました。でも、本人は決してやめたいとは言わなかった。その場にいることが好きだったのだと思います。そうこうしながらも続けていると、横で見ていても面白いほどに、ぐんぐん上手になっていきました。

ある日、スクールのコーチから、「少し離れた場所になりますが、育成コースのあるスクールに移ってみたらどうですか?」と言われました。本人ももっとテニスが上手くなりたい!という思いは強かったのですが、親のわたし自身がそこまでしなくても、という気持ちがありました。プロのテニスプレーヤーにさせたいわけではない。でも、子どもの向上心を削ぐこともないと思い、とりあえず新しいスクールへ行って様子を見ることにしました。

新しいスクールは規模が大きく、コーチも生徒も真剣で、見てる方にも緊張感が伝わってくるような印象がありました。娘も以前と変わらず頑張っていたのですが、通い始めて半年ほど経った頃、技術はうまくなっているのに、なんだか娘が以前のような楽しそうな顔をしていないことに気づいたのです。

レッスン後の帰り道、思い切って娘に話をきりだしてみました。すると、娘は申し訳なさそうに、ぽつりぽつりと言いました。「テニスは好きだけど、前のスクールに戻りたい」と。

このまま続けていたら、育成コースに行けるかもしれない。だけど、ほぼ毎日テニス漬けの生活になることを、当時7歳だった娘はすでに望んでいなかったのです。楽しくテニスがしたい。それだけだった。どこかで、親の、おとなの欲がでていなかったか……。考えさせられた瞬間でした。

「楽しいほうがいいよね、そうしよう!お母さんも、家から近いスクールの方が車で送迎しなくて済むし、その方が疲れなくていいし、嬉しいわ」そう言い、翌日、以前のスクールに入りなおしたのでした。

10歳になった今でも、彼女は楽しくテニスを続けています。テニスはもうすでに生活のほんの一部になり、いまは他に興味のあることが更にたくさんでてきています。

もし、あの時やめていなかったら、娘のココロと時間に、いろんなことに興味を向ける余白がなく、新しいことにチャレンジしたり、想像を膨らませるような機会もなかったかもしれません。

野球にしてもサッカーにしても、運動系の子どもの習い事は親を含めた周りのおとなたちのサポートや関わりが必須になります。だから、段々とおとなたちの方がのめり込んでしまうケースも多々見られるようになります。それはそれで子どもにとって良い方向に行く場合もあるのですが、そうでない場合もある。

何より大切なのは、子どもたちに伴走するというスタンスでいること、ここを忘れないように常に意識していたいと思います。

子どもが親に頭を下げてまで「やりたい!」と願ったとしても、できないこともある

とはいえ、何でもかんでも、子どもに伴走すればいいってもんでもない。親にとっても自分自身の大切な時間があるのですから。習い事だけでなく、他のコトでもそうですが、子どもがやりたいことに何でもかんでも付き合うなんて、わたしにはできません(笑)。

冒頭でお話したジャズ吹奏楽の時も、「見学をしたい」と言い出した時点で、家族会議を開きました。

●やることになったら親のサポートは必須になる。父と母が協力できる範囲なのか考える。(合宿の費用、夜まで練習がある日は母が送迎サポートに入る。そのことで、父や母の仕事、弟の生活に及ぼす影響を考えておくこと。)
●練習日と他の習い事(テニス)との調整は可能か、自分の体力と相談する。
●楽器は購入するのか。先生へ確認する。

これらをまとめて、見学の際に考えながら望むように伝えました。親に送迎してもらうことが当たり前、月謝を出してもらうことが当たり前ではないのですから。

それでも、見学した結果、本人からはやりたい、と言われ、その想いを家族の前で伝えてもらうことにしました。

「公立小学校に通っていて、ジャズを教えてもらえる環境は他にはない。みんな優しくていい人ばかり。楽器も貸し出し利用できる。OB、OGの方、教えてくださるプロの方、楽器店の方が寄付してくださったもので練習している。夜の送迎も近所に住んでいるママと交代でやってもらえたら毎週じゃないし大丈夫。週2回の練習で月謝は〇〇円。学校が練習場所なので、ほぼお金はかからない。年間を通して、お祭りや演奏会に参加することがあり、日曜日も親が参加する日が何回かあります。夏休みに3泊4日の合宿があります。子どもと先生だけの参加です。でも子ども1人でも数万円かかります。その時はお父さんのボーナスがあれば、そこからお願いしたいです。もし無ければ、わたしが今までお年玉をためているから、それを合宿費用に充てます。どうしても、サックスがやりたいです。だからお願いします。」

「まあ、いいんじゃないか。ジャズのいいところは、みんなと音を合わせることだけでなく、ソロのパートがあること。だれもが主役になれる、という点だと思う。いいなあ。父さんも入りたいなあ」

息子「ぼくも幼稚園が終わったら行きたい」

わたし「……。みんな、応援してるんだね」

なんとかできる範囲でわたしもサポートする、という条件でOKしました。
でも、家族が負担であったり、協力できない場合は、あきらめてもらう、という選択もアリだと思っています。

たしも実際は、想像した通り、急に演奏会が入ったり、バタバタする日が多々あります。でも家族で協力する、とみんなで決めたことだから、まずは乗り切る、伴走する。

たかが習い事、されど習い事。家族のスケジュール、生活スタイルの変更を余儀なくされる習い事もあると心得るべしです。

習い事もコミュニティの一部なのかもしれない


そう思うと、習い事ひとつとってみても、夢中になれるものだったり、悩みの種になっていたり、余白の時間だったり、居場所だったり、いろんな側面があるのだと思います。子どももおとなも同じですね。

ただ、前提として、子どもの習い事には費用と親のサポートが必要になります。そのような時間を子どもたちみんなが確保できるわけではないということも承知しています。

しかし、学びがあり、仲間とつながれる、そしてサポートしあう関係づくり、といった点において、習い事もコミュニティの一部といえるのかもしれません。
人生の通過点に過ぎないかもしれないし、一生お付き合いしていくものかもしれない。

いましていること(doing)だけに着目するのではなく、その子の在り方(being)を見守っていく。
習い事エピソードを通して、大切なものの見方、エラマの視点を発見できたように思います。

そんなことを考えていたら、ちょうどイイ感じで、子どものテニススクールのお迎え時間になってしまいました。
わたしも夕暮れのドライブ、余白時間をこれから楽しんできます。さあ、子どももどんな顔をして帰ってくるでしょう。それもまた楽しみです。
では、また。

Text by Äiskä あいすか(Cheer up girls★かあちゃんライター)


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