ケーキ職人75年歴の話
何年か前の事でしたが、90代男性のケーキ職人と話す機会がありました。彼が約75年前に職人を志した理由は、戦後の食糧難を背景に持つ貴重なものでした。その時代、多くの日本人が飢えと戦いながら生きていました。彼はケーキ店に就職し、後に自分の店を持つことになりますが、その動機は「甘いものを食べる幸せ」にありました。彼は誇らしげに話しました。「甘いものが食べられることがどれほど幸せか、わかるかい?」彼の言葉は、今の私たちが日常的に享受する「甘さ」そして「食」に対する思いでした。田中角栄