地方都市の方向性

 地方にはその地域の象徴となりえる商業施設があります。現在の状況では、特に地方では駅前や商店街よりも、郊外にある商業施設が地元の人々の中心となっています。その理由は、駐車場がなくアクセスが悪い駅前や商店街よりも、郊外のショッピングセンターを中心に新しい住宅街が開発されているからです。たとえば、全国展開しているシアトル系のカフェチェーン店が郊外に出店すれば、若いファミリーはその周辺に住宅を購入する理由になります。

 このようなファミリーをターゲットに、他のショップや事業体もその地域に集まってきます。さらに、行政の出張所などの公共施設もそこに設置されることがあります。その結果、山岳地域など比較的距離の離れた地域の人々も移住しやすくなっています。最近では、この傾向が増えています。

 この現象は「コンパクトシティ」とも呼ばれており、人口の少ない地域では、採算の取れない郵便局を設置したり、アマゾンの配達で遠方の地域にわざわざ行ったり、老朽化した水道管の長距離補修を行ったりする必要がなくなり、経済的デメリットや非効率な生活が軽減されつつあります。

 このような動きは、人口減少している日本の各地で起こっていると考えられます。地域創生という言葉がよく使われますが、まずはこのコンパクトシティ化が時代の流れで地方から自然に生まれていることに注目する必要があります。

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