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【番外編】箕輪厚介の部屋・2021年6月25日 韓国の講演会

・講演会前

えっと、韓国の出版財団で講演会をやります。
せっかくだから盗み取りして配信しようかなと。

10時からだから、あと5分くらいあります。
通訳の人がいるんで、ゆっくり話すようになりますけど。
暇で死にそうな人とか、出版に興味ある人は聴いて貰えれば。

「アニョハセヨ」って言おう。


・講演会開始


アニョハセヨ。

もう話していいのかな?


・自己紹介


箕輪厚介って言います。
今日はよろしくお願いします。
まず簡単な自己紹介をします。

僕は日本の[幻冬舎]という出版社の編集者をやっています。
主にビジネス書を編集しています。

[NewsPicks]っていう会社と一緒に作ったレーベルは、2年間くらいで二百何十万部か売れて。

その中で一番売れたのが、[前田祐二]さんっていう人の[メモの魔力]っていう本で、それは70万部くらい売れて、2年前くらいの日本で一番売れたビジネス書になりました。

今日、わざわざ韓国から講演の依頼いただいて。

そのテーマが
[個人の時代に編集者はどういう風に本を作って本を売っていくのか?]
っていうような話だったので。

僕はそういうのを一応、専門というか、強みにしているので、お話出来るんじゃないかなと思って今日お時間を頂いてます。

早速お話をしていきたいんですけど。


・1枚目のスライド
[個の時代]と[プロセスエコノミー]



あの、1枚目のスライドを見てください。

今、本の世界に限らず、もうありとあらゆる業界で起きている事なんですけど。
力を持っている人が、組織から個人に移ってきています。

これはもうホントあらゆる業界で起きていて。

例えば日本だと、芸能人の人とか、タレントさんとか、モデルさんとか。
どんどん事務所を辞めてます。

昔は強いプロダクションに入っていなかったら活躍する事が出来なかったです。
それはテレビに出られなかったからなんですけど。

今はYoutubeを始め、色んなプラットフォームが出てきて、色んな個人で発信する手段が出てきて、事務所に所属していなくても、1人でも自分のやりたい事がやれるようになってきています。

で、これは一般の会社員とかにも。
スピードでいうと一般の会社員とかの方が遅いんですけど。

変わらない変化で、当然、編集者にも言える事です。

日本でいうと、僕がTwitterとか。
僕、Twitterのフォロワーは20万人ぐらいいて。
多分、編集者の中ではトップの何人かだと思うんですけど。

僕が「Twitterで発信をしよう」と頑張ってた時が7年くらい前で。
7年ぐらい前は、ほとんど編集者でTwitterを頑張っている人が居なかったです。

どっちかっつったら、「邪道」というか、ちょっと「子供がやるモノ」というか、「遊びでやるモノ」みたいに思われていて。

Twitterで自分の本の宣伝をしたり、もっと言うと、「日常を配信するなんて、ちょっと頭がおかしいんじゃないか?」って思われてたのが7年前ぐらい。

韓国だと、どうだか分かんないですけど、大体それぐらい。

僕が始めたくらいの時は、まぁ若かったんで、そういうのやっている事がそこまで違和感は無かったかも知れないですけど、ちょっと変な人でした。

ただこの7年間で、もう逆にTwitterなどで自分の作ってる本の発信をしない編集者。
「まったくフォロワーがいない編集者って弱いよね」っていう風になってきています。

で、まぁこういう風に「個人の時代になってきた」っていうのが1つ。

もう1つがまさに今、僕が編集している本で[プロセスエコノミー]っていう本を編集しているんですけど。

それはどういうモノかというと[プロセスエコノミー]って言葉は、この本が最初に世に出すので聞いた事無いと思うんですけど。

output。
「完成品よりもプロセスに価値があるんじゃないか?」という発想を[プロセスエコノミー]と言います。

それは「何か?」というと、これもSNSとかインターネットによって、何か面白い技術とか、面白いアイデアが出てきた時にそれが一瞬でパクられるようになってます。

一瞬でマネされる。

「情報が一瞬で行き渡って、一瞬でマネされる」っていうのが当たり前になってきたので。

昔のように…
例えば、「SHARPの冷蔵庫が特別良い」とか「SONYの〇〇が特別良い」というのが無くて、「どれもこれも大体同じだよね」っていう風な時代になっています。

で、YoutubeとかTikTokとかでも、何かが流行ればその次の瞬間には、みんな同じような企画をしている。

なので、完成品はどれもこれも似てるようになってきている。

そうなると人は「何に価値を見出すか?」というと、その[モノ]を作っているプロセスの苦労であったり、そこに起こる様々なドラマだったり。

っていうのは、なかなかその瞬間しかなくて、コピー出来ないので「そこが面白い。そこに共感出来るから最後の完成品も買うし」っていう風になって来ています。

それはつまり、本の世界ではどういう事かと言うと、「本を作ってただ売る」のでは無くて「本を作っている過程を見せる事」でもあるし。

編集者自身が、「自分はこういう本を編集したい」っていうのを「日常から発信していく」っていう事でもあります。

なので、この2つ。

SNSによって「組織より個人」になった。

もう1個は[プロセスエコノミー]みたいに、その過程に価値があるようになった。

この2つの変化によって[組織から個人]というパワーが変わっていって。
本の世界でいうと[出版社から編集者]になっています。





・2枚目のスライド
[売れない本]と[セカンドクリエイター]


次のスライドをお願いします。
はい。

出版社から編集者に。
本の世界でいうと、力の主体、注目のされる場所が変わっていって。

昔みたいに…
昔もどうだったか分かんないですけど。
今はそれでもマニアックっちゃマニアックですけど。

でも、「この人が編集しているから買おう」とか、「この人が編集してんなら多分自分が好きな本だ」という風な感じに、徐々に徐々になっていて。

これは僕が5〜6年前に「絶対そうなる」と。
「本屋さんの棚が編集者で分けられるようになる」って、色んな雑誌とかで言ってたんですけど。

まぁ、徐々に徐々にそうなってきているかなと思います。

で、僕自身も。す
僕が「こういう本を編集する」というと、それだけでAmazonで買ってくれたり、本屋さんに並べてくれたりするような人がいて。

普通に編集して普通に本を出すよりは、強い存在にはなっていると思います。

そもそも、僕がなんで「TwitterとかSNSで発信していこうか」って思ったかというと、僕が編集者になった7年前とかかな?に衝撃を受けたんですね。

「本が全然売れねーなー」と思って。

で、韓国も同じような状況かも知れませんけど。
日本も長らく出版不況と言われていて、基本的に売れないのが当たり前。

普通の活字の本でいうと、初版で6000部とか。
で、基本的に重版されない。

10冊に1冊、20冊に1冊が、なんかたまたまヒットして。
たまたまヒットするか、元々人気の作家さんの本で。

その1冊の売り上げによって、他の売れない本の赤字を補填して「どうにかギリギリ黒字にする」みたいな状況でした。

僕が編集者になった時、「基本的に本が売れないんだ」という状況にビックリして。

先輩編集者達が出している本も、基本的に重版されないし。
何よりも、本を出したら終わり。

もう、あとは祈るだけ。

「売れてくれ!」って祈るだけな状況っていうのが凄い不思議だし「これはどうしたもんかな?」と思っていました。

で、僕は比較的年齢が若い事もあって「SNSとか頑張ろう」と思って。

「自分が出した本とかを、いかにして[インフルエンサー]と呼ばれる人達に気づいてもらって拡散してもらえるか?紹介してもらえるか?」

そこに本当に命を懸けて、頭を知恵を振り絞って考えていました。

だから日本で本を紹介すると、その本が売れるインフルエンサーの人達は、僕の頭の中ではずっと把握して。

「この人はこの時間に大体起きて、だからこの時間にメンションを飛ばすとリツイートしてくれやすい」

とか

「この人はこういうスタンスの人だから、こういう言葉でツイートするとリツイートされやすい」

とか。

ありとあらゆる事を考えて
「いかにインフルエンサーに気づいてもらえるか?」
そこで頑張っていました。

実際、力がある人が紹介してくれると、Amazonランキングが急上昇して、一般に売れたりするようになっていって。

「あぁ、自分が編集者として本を作るのとは別に、『本を売る』という事に関して言うと、ここが強みになるんじゃないかな?」と思ってました。

で、そういうのをずっと続けていくうちに「なんかしんどいなぁ」と思って。
正直。

毎回毎回、人に頼って紹介して貰う。
紹介して欲しい。
で「考えるのがしんどいな」と思って。

僕自身がフォロワーたくさん抱えて「箕輪が編集してんなら買う」っていう人が1人でも増えれば「なんかもう最強なんじゃないか」と思って意識してTwitterをやり始めました。

なので人は…
ちょっと具体的な話でいうと
「Twitterとかでフォロワーが増えない」っていう人とかにお伝えしたいのは
人って「何も知らない人の日常」なんて全く興味無いんですね。

なので、まずは[インフォメーション]
[情報]を出さなきゃいけない。

僕でいったら「編集ってこういうものだよ」とか、「僕が一緒に仕事している著名な人ってこういう面白い一面があるよ」っていう、誰もが興味を持つ情報。
その情報が価値があって。

インフォメーションのあと。
次が[オピニオン]なんですよ。
[意見]。

ちょっと興味が持たれたら、その後、自分の意見を言う。

僕の場合は、色々役立つ情報を発信して、ビジネス書が好きなような人達がフォローしてくれるようになって。

その後「僕自身こう思う」って事を、結構強い意見を言うようにしました。

僕はだから日本では、非常に58%ぐらいの人は僕のこと凄い嫌いで。
凄い嫌いな人と、凄い好きな人が分かれているんですけど。

それはやっぱり「意見を言う」って事は、普通の事言っても意見になんないんで。
多少反発があるかも知れないけど「僕はこう思う」という意見を言うようにしていました。

その後、インフォメーション、オピニオンのあと。

最後。
[ダイアリー]なんですね。
[日記]。

もう「この人の情報、意見いいよね」ってなったあと、初めて「今日ラーメン食べてお腹いっぱい」とかっていうのでも「いいな」って思うんですよね。

僕は、だから最近もう、お肉食べている写真とかしかアップしてないんですけど。
それでもみんな「いいな」って思ってくれるような人が、まぁ大体20万人ぐらいいて。

で、そうなっていく中で…
要は、本の事ばっかり言っててもつまんないので、そういう日常の人間性とか、賛否両論ありながらも放つ強い意見とかの合間に「今そんな僕はこういう本を編集しています」っていうのを発信します。

そうなると、自然と「あぁ、その本が本屋さんに並んだらちょっと買ってみようかな?」とか「Amazonに予約開始になったら買ってみようかな?」という人が増えて。

そういう事をやらない、ただ頑張って本を編集して、ただ本屋さんに並べる人とは、もう最初の段階で注目度が違うので。

良い本を頑張って作るのと同時に、個人としてファンを囲う。
ファンを作って、その人達に発信するという事をやっています。

もう1個。
韓国であるのか分からないんですけど、日本だとSNSとは若干違う[オンラインサロン]っていうのがあって。

僕がそこで月額5000円で700人くらいかな?のメンバーがいるオンラインサロンを持っています。

そこでも、もっと濃い情報。
それこそ、本の内容を結構出しちゃう。

なんなら、みんなで本を編集したり、本が出た時のプロモーション動画を作ったり、レビューを書いたりします。

それが一番濃いファンで。
その人達が[セカンドクリエイター]という言い方したりするんですけど。

自発的に僕が雇ってる訳でも無いのに、自発的にその本を愛してくれて宣伝してくれる。

で、徐々に火がついてって、Twitterの20万人も巻き込んで。

そうすると、一般の人の目に入る本屋さんのところに並んいったり、ランキングに入ったりして。
全く僕の事、興味無い人も「なんか面白そうだな」と言って、初めてそこの世間との接点ができる。

今は本当にモノが溢れて情報が溢れている時代なので、発見されないで終わるモノがほとんどだと思います。

皆さんも編集者やられている方も、これからなる方もいると思うんですけど「いい本作る・いい本作らない」以前に、まず発見されないです。

韓国の状況はちょっと正確に分からないですけど、日本は本に限らず、まぁ世界的にだと思うんですけど、出したモノが発見されません。

Youtubeの動画も当然発見されない。
「面白い・面白くない」以前の問題で。

そういうのを解決する手段として、まず「個を引き出してプロセスを開示する」というのが大事になってきます。


・3枚目のスライド
[ただ売れる本]と[マネタイズ]



次のスライドをお願いします。

そんな時に
「どういう編集者になればいいか?」
「どういう本を編集したらいいか?」
っていうのがまた大事になってきていて。

個の時代以前の編集者は、良くも悪くも売れる本を作ればよかった。

要は[その人]っていう事を認識しないで、みんな買っているので。
別に[その人]の主義主張に一貫性が無くてもいいし、[その人]のキャラクターとかに合ってる・合ってないなんて、関係無かったんですね。

でも、個の時代。
自分曝け出しながら本を編集して、そこにファンがついてくる時代において、別に「一貫性が無いという一貫性」という意味ならいいんですよ。

「売れる本を僕は編集するんだ。とにかく時代が乗ってくれる本を編集するんだ」っていうスタイルならいいんですけど。

何も無く、ただ
「今なんか健康の本が流行ってるから健康の本出そう」
「ダイエット本が流行ってるからダイエット本出そう」
「今なんかビジネス本が流行ってるからビジネス本出そう」

みたいに、何の一貫性も無く

「ただこれが当たるんじゃないか?」

っていう、自分の中でのビジョンも無くやっていると、当然そこにファンがつかないから[個人の時代における編集者][名を出しながらやる編集者]としては、なかなか難しい。

一方で、たとえ部数がそこまでいかなくてもいかないようなジャンル。

例えば、哲学の本だとか、なんかちょっとニッチなジャンルであっても、本当に自分がビジョンを持って、その分野の本をビジョンを持ってコンセプトを考えて作っていけば、確実にファンが出来ます。

で、今の時代。
「本を売って儲ける」以外のマネタイズの方法。
お金にする方法っていうのは、いくらでもあるので。

たとえ出版社であっても「哲学の本って3000部しか売れないよね」って言っていても、その編集者の想いに共感して「この編集者が出す哲学の本だったら本当に毎回買いたい」みたいな読者が沢山いたら、いくらでもマネタイズが出来ます。

さっき言った、[オンラインサロン]みたいな。
例えば月3000円払って「たまに哲学書を書いてくれる著者の人と話している様子をオンライン配信します」っていうので、月1000円で1000人入ってくれるかも知れないし。
色んな方法があるので。

何よりも大事なのは、「何となく、ただただ売れる本」をやるんじゃなくて「自分の人生とか、自分の生き方のビジョンとかにあったような本を作る」という事です。

僕の場合は、僕、35歳なんですけど。
僕と同世代以下の人が「自分の人生において役立つ」

まぁ、仕事をする上で意味のある本を作って「自分アップデートせよ!」とかって、よくメッセージに出してたんですけど。

自分を。「今までの自分を捨てて、新しい自分になるきっかけになるような本」を沢山出そうと思って出してました。

そうすると、そういう若者が集まるので。
そういう若者にとって「これが必要だよね」っていうモノがオススメしやすくなるし、なんならスポンサーも付くかも知れないですよね。

要は、転職情報サイトに、箕輪の、僕の近くにいる若者は「自分のキャリアをアップさせたい」という人が多いから、転職情報サイトが僕にお金払って、「なんか講演会をやってくれ」ってなるかも知れないし。
色んなマネタイズの方法が、[本というモノ]をきっかけに生まれてくる。

その為にはやっぱり自分が「ただ売れる本」を出せばいいんじゃなくて、「自分の人生として何を本を通してやりたいか?」というのをはっきりさせながら本を編集していく。

っていうのが大事じゃないかなと思います。

なんか、こう言うと、もしかして誤解して「ビジネス書を出すって決めたらそれだけしかやっちゃダメなのかな?」とか

たまになんかクレープ?
クレープ興味ないか。
まぁ、いいや。

クレープに興味あったらクレープの本、出してもいいです。

要は「別にそこに何か縛られて一貫性を保たなきゃいけない」とかじゃ無いんですけど。

だから、自分の人生の価値観が変わったら、編集する方も当然変わってもいいと思うんですけど。
何か自分が「本当、心からこの本を出す理由はこうだよ」って「熱く語れるようなモノを出す」っていうのが大事なんじゃないかなと思います。


・4枚目のスライド
[マーケティング1.0〜4.0]



次のスライドをお願いします。

そうなってくると、これはまぁ本の世界に限らない話で。

「もう消費の読者の人がどうやって本を買うか?」
「どう変化していくか?」

っていう未来の話って。

現状そこまで変わってはいないけど「今後こうなるんじゃないか?」という、僕の考え方で。
今まではなんか役立つ本、ちょっと自分にとっていい本が良かったんですけど。

これからは、その本が出た事によって「世界がどう変わるか?」そこまで意識されたモノが「みんな面白いと思うんじゃないか?買いたいと思うんじゃないかなぁ」と思っています。

で、思い出せるか分かんないんですけど、コトラーって人が、マーケティングの話をよくして。

「よくしていて」っていうか、マーケティングの神様って呼ばれている人で。

[マーケティング1.0]から[4.0]まであって。

[1.0]というのは、本当に世の中にモノが無かった時代。

冷蔵庫が無い。
テレビが無い。
エアコンが無い。

そういう時代っていうのは、冷蔵庫を作ってくれたらもう、無いから欲しい。
エアコン欲しい。
テレビ欲しい。

まぁ、単純にモノを作ればいい時代が[マーケティング1.0]。

[2.0]は、もうちょっと細くなって。
「僕は喉が悪いから、空気清浄器を置いてほしい」とか、僕はハイボールが好きなので…

ハイボールは分かんないか…。

「ウイスキーにソーダ入れたいので、炭酸水を作れる機械が欲しい」とか。
もうちょっと好みが多様化していくのが[マーケティング2.0]の時代。

[3.0]の時代は、その企業のメッセージに共感する。
多分みなさんも、もう[1.0][2.0][3.0]くらいで。

今は「メッセージに共感して買う」と思うんですよね。

NIKEの、なんか力強いメッセージだとか、Appleのジョブスの言葉。
[Think different]みたいなのに「あ、いいなー」って思ってモノを買ったりして。

ただいいモノを、ただ好みに合うモノを作るだけじゃなくて、その企業が「どうしたいか?」っていうモノに共感して、モノを買うようになってきている。

で、今、起きているのが[4.0]と言われるもので。

メッセージに共感するだけじゃなくて「その企業の活動に参加する」。

ただ共感するじゃ満足しなくなって、
「参加したい」
「コミットしたい」
という風になってきています。

それはさっき言った、僕みたいにオンラインサロンみたいなのを作って「みんなで本を作ろうよ」っていう、結構強制的なモノじゃなくても…

例えば、キャンプメーカー、アウトドアメーカーの[パタゴニア]っていう会社知ってる人、多いと思うんですけど。

パタゴニアは多分、全世界的に、お店に行ってレジ袋を貰えないんですね。

日本でも、買い物袋は有料になってきていて、1枚3円とかを払わないと貰えなくなっているんですけど。

パタゴニアは、お金を払っても袋をくれません。

そうなっていくと「パタゴニアで今日買い物をしよう」と思うと、家からエコバッグみたいな持っていかなきゃいけないんですね。
買い物袋を。

つまり「パタゴニアで買い物をする」っていう事を通して、もうパタゴニアのビジョンである……

なんだっけ?
ビジョンを忘れたんだけど。

「地球を美しくする為にビジネスを営む」みたいなビジョンがあるんですけど。

そのビジョンに、強制的に活動に参加させられちゃうんですよね。
「袋を持っていく」っていう行動を通して。

で、なんか今の人、みなさんは若いと思う。
20代30代だと思うんですけど。
10代もいるのか。

僕ら世代のある程度若い人っていうのは、もう生まれた時から「貧困に苦しむ」とかっていうはあまり無かった。

生まれた時から「テレビもエアコンもあった」って人が多いんで。

もう、そういう[モノ]に対する物質的な消費はあんま興味無くて。
むしろ、自分が何か消費活動をする事によって、「世の中を良くしてる」って思える事に満足を得るようになって。

それが、今言った、[マーケティング4.0]とか、[パタゴニア]の事例なんですけど。

そうなってきた時に「本の世界も確実にそうなるだろうなぁ」と僕は思っていて。

単純に「本出して売れました」とか
「なんなら多少内容に問題があるけど」とか
「多少嘘ばっか書いてあるけどタイトルが良かったから売れたよね」みたいな。

今までそういう本、まぁ日本でもよくあるし、韓国にもあるんじゃないかなと思うんですけど。

そういう本で「ビジネスをやる」っていうのが徐々に徐々に難しくなってきて。

やっぱり「その本を売る事によって世界がどう変わるか?」とか、「その本がベストセラーになると世の中こうなるよね」

もっと言うと、その本の収益の何パーセントは…
例えば、環境の本を出すなら「その環境の本の収益の5%はどっかに寄付されます」とか。

なかなか本売れないんで、ビジネスモデル上「それが成立するのか?」という問題はありますけど。

その本を「ただ読む」

「タイトルがキャッチーだったから買ってしまった」みたいな。

今までのある種、刹那的な、一瞬限りの読者との関係だと厳しくなってきていて。

「この編集者の本を買いたい」
「この編集者の本を買う事を通して世の中をこうしたい」
みたいに思わせる事が出来ないと、なかなか難しくなってきているんじゃないかなと思います。



・最後のスライド
[出版業界の今後]



これ、めちゃめちゃ早く終わっちゃう気がする。
そうしたら質疑応答でお願いします。


最後なんですけど。
「じゃあ、出版社はどうなっていくか?」

まぁ、編集者含め「私達はどうなっていくのかな?」と思った時に。

今までは本を出す会社だったんですけど、これからは本に限らずコンテンツを出す事によって「世界を具体的に変えていく」っていう事を提案しなきゃいけない会社になるんじゃないかなと思っています。

その主体が1人1人の編集者です。

で、ちょっと前に話したんですけど、昔は「本を売って稼ぐ」って方法しかなかったんですが、今は本当に色んな方法で収益をあげる事が出来るようになっているので。

本っていうモノを一番中心において、明確なコンセプトを打ち立てられれば、その周辺に色んなビジネス、色んな活動は持って来れて。

それを全体的にプロデュースする事が、出版社、もしくは編集者に求められていると思います。

僕、サウナが好きで。
韓国でもサウナ入ったりしてたんですけど。

韓国は、なんかジワッと温まる系ですよね?
で、韓国でもよくサウナ行ってたぐらい、まぁサウナが好きなんですけど。

僕がサウナの雑誌を、[サウナランド]というサウナの雑誌を出しました。

で、韓国もそうだと思うんですけど、日本でもそんなマニアックな雑誌は売れないし、ビジネスにはならないんですね。

ただ、しっかりとコンセプトを打ち出せば、色んな事が出来て。

[サウナランド]という、僕のサウナの雑誌のコンセプトは

【誰かと競争して幸せを掴み取るんじゃなくて、もうすでにそこにある幸せに気付こうよ】

みたいなメッセージ。

要は、めちゃめちゃ良い学校行って、めちゃめちゃいい会社に入って、めちゃめちゃ努力して、年収いくらゲット!みたいな事じゃなくて。

誰かが今、めちゃめちゃいい生活しているかも知れないけれども「自分はサウナ入って、今、この瞬間が一番幸せ」みたいな。

誰と比べるとかじゃなくて「今、僕はこの瞬間が幸せだから、もうそれでいい」みたいな。

他者と比べるんじゃなくて、自分がいいと思う「絶対的にいいと思う事をやろう」みたいなコンセプトを作りました。

で、そのコンセプトにしたがって雑誌を編集してきました。

そうすると「サウナの情報に興味がある」というよりも、「そのコンセプトに共感してくれる人達」が一杯集まってくれて。

そのコンセプトに沿ったフェスを開催したり、そのコンセプトに沿ったアパレルを作ったり、色んな事が出来て、結果的にマネタイズも全然出来て。
これからどんどん続いていくブランドになっています。

なので、今の時代は「本を作って売って終わり」というんじゃなくて、まず明確な編集者として「自分が世にこういうメッセージを打ち出したい」とか「こういうコンセプトを立てたい」とかっていう明確なモノがあって。

で、それで、そのコンセプトがめちゃめちゃ凝縮された良いコンテンツを作る。

それさえ出来れば、色んな事が派生して生きて、それで結果的にビジネスになっていって、世の中が良い風に変わっていく。

「そこに影響を受けた人達が増えていく」っていう風になっていくと思います。

・終わりに


なので、話を最初の方から復習すると

昔はホントに出版社というモノの影に隠れて、編集者は自分の名前も顔も個性も出さずに売れるモノを出す。

自分が出したい本を出す。
良い本を出す。

「何冊売れた。儲かったね」
「何冊しか売れなかった。儲からなかったね」
っていう時代がありました。

でも、徐々に徐々にモノが溢れ過ぎて、情報が溢れ過ぎて、もう良い本を出しても誰も気付いてくれなくなった。

となった時に、編集者自身が、自分の日常なり個性なり人間性を出してファンを作って「この編集者が編集するなら、その本買いたいよ」って思ってくれないといけない編集者個人の時代になりました。

で、そうなってくると、ただ何でもかんでも闇雲に今っぽい本、時代を掴みそうな本を出すよりも、自分の人生だったり、価値観なんかを反映した意図が
ある本を出す。

そうすると、より属性が近い人がファンになっていく。

で、そうなっていくと「ただ良い本を出す」というよりも、その本を通して読者もある意味参加しながら世の中を良くする。

「世の中自体を変えていく」っていうのが、まだそこまで来てませんが。

多分、今後の出版社がやらなきゃいけない事、編集者がやらないといけない事で。

さらに言うと、[本]っていうものに限定せずに、明確なコンセプトと、もの凄い凝縮した良いコンテンツを作れば、その周りにそことコラボレーションした洋服を出してもいいし、そことコラボレーションしたフェスイベントもやってもいいし。

色んな方法で、[本]という手段に限らず、色んな方法で自分なりのビジョンなりを表現する「プロデューサーみたいになっていく」っていうのが、今後の出版社であり、編集者なんじゃないかなと思っています。

ちょっと最後、早口になって通訳大丈夫かと思います。

ちょっと早く終わりすぎたんですけど、質疑応答に移っていいですかね?

もし、もうちょっと話した方が良ければ何かひねり出します。

・[質疑応答1]
本当に自分の魂がのったモノを売り出すと売れる。



(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)



コンテンツ、新しいコンテンツをどう生み出すか?でしたっけ?あれ?
素材ですね。
そうですね。

それは「何か新しいやり方」っていうよりも、普遍的な編集者のやり方だと思うんですけど。

僕が意識しているのは、「自分のめちゃめちゃ個人的な事」と、「世間の流れのクロスしているところ」がめちゃめちゃ売れるような気がしていて。

例えば、僕が駆け出しの編集者だった時は、本当にお金が無くて。
テーブルの小銭とかをかき集めて[ストロングゼロ]っていう、あんま飲み過ぎると頭がおかしくなっちゃう日本のアルコール飲料買いに行ってたんですよね。

っていうくらいお金が無くて。

「もっと頑張りたい」とか「もうこんなに仕事頑張ってるんだから、もうちょっと稼げてもいいだろう」とか「くそつまんない奴らばっかり」…。

言葉が汚かったですけど。

「こんなつまらない人達より、俺の方が面白いだろ」とかっていう、個人的なものが凄いあって。

で、世の中的にも、多分時代の大きな変わり目だったから「インターネットの力を使って」とか「上の世代が知らない事を誰よりも早く知って、時代の波に乗ってやろう」という若者が多かったんですね。

で、「そこの時代が大体そうなってるな」って、ふんわり感じている事と、めちゃめちゃ個人的な事がちょうどクロスする場所をコンテンツにすると良いモノが出来るし、火がつきやすい。

「それが何でなのか?」といったら、みなさんが「本を読む」でも、なんでもいいんですけど。
「テレビ番組を観る」でも。

「面白いと思うモノ」って、解像度が高いモノなんですよ。

「解像度が高い」っていうのは、めちゃめちゃ分かってる人が作っている。

美容の番組観たいと思ったら、「本当に美容の事が好きで好きで堪らない人が作っている番組」と。
まぁ本でも。

「なんとなく今、美容が流行ってるから作ろう」っていうモノとって、本当に自分が美容が好きだったら違いが分かると思うんですよ。

だから[自分が作るコンテンツ]っていうのは、めちゃめちゃそれが好きな人が見ても、「本物だ」って思ってもらえなきゃいけなくて。

その為には、自分がめちゃめちゃ個人的に想っている事。

僕でいったら「仕事頑張って、ちゃんと稼いで、自分が面白いって世の中に知ってほしい」みたいな。

めちゃめちゃ個人的な事は嘘じゃないんで。

そういう風に想っている人が、そういう風に想っている人に向けて「そういう風になれるんじゃないか?」っていう本を出すと、やっぱりキラキラしたモノになって売れるんですよね。

だから、僕が若手の編集者によく言うっていう。
まぁ、あんまり言わないんですけど。
思う事は

よく本屋さんのランキングとか見て、「んー、最近こんな感じが売れているんですね」とか言って企画書を書くような若手編集者は多いんですけど。
「絶対売れないよ」って思うんですよ。

マネするべきは、データとして「今これが売れてる」っていうのは、さっき言った、時代の流れを観察する為には必要なんだけど。

マネするべきは「流行っているテーマ」じゃ無くて、その本を編集した「編集者の狂い方」だと思うんですよ。

全部が全部じゃ無いんですけど、やっぱりちゃんと売れている本は、それを企画した人が本気で作って、本当にそれ、モノが好きな筈なんですね。

だから、その姿勢こそをマネするべきだと思います。

なので、本当に自分が好きなものを作る。
その為には、編集者として日々生きていく中で「自分はこれが好き。これが嫌い」って思うクセをつける。

で、もっと言うと、
「ただ嫌い」って言ってるだけじゃなくて、「自分だったらこうする」っていう風に考えるクセをつける。

そういう風にしていって、本当に自分の魂がのったモノを生み出すと「意外と売れる」って感じはします。


・[質疑応答2]
世界を変える事は出来なくても、世界から自由でいる事は出来るはずだ


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)


はい。
難しい…。
えーっと、人々が共感するメッセージをいかにつくるか?

それは、さっき言った事にちょっと近いんですけど。

めちゃめちゃ自分の中の「本当に個人的に想っている事を言葉にする」って事なんですよね。

そうすると、全然自分っぽくない人も共感してくれたりして。
サウナ雑誌を僕が作った時に、僕の中の人生の変化があって。

昔みたいに「稼いでやる」とか「有名になってやる」とかというのが、もう無くなって。

なんか「サウナ入ってて気持ちいいのが人生勝ちなんじゃない?」みたいに。
もうおじいちゃんみたいになっちゃったんですけど。
そういうことを結構強いメッセージで書いたんですね。

要は、僕が何書いたかというと

【世界を変える事は出来なくても、世界から自由でいる事は出来るはずだ】

って僕は書いて。

それまで「世界を変えよう」って言い続けて、なんか僕自身もう飽き飽きして。
それに。
勝手に。

で、色んな素晴らしい人が企業を作ったり、色々やって「世界を変えるのは頑張ってください」と。

「でも僕は、勝手に世界から自由で楽しく生きるんで」と。

で、これからの世の中、本当に[数パーセントの勝ち組]と[それ以外]の格差がめちゃめちゃ広がると思っていて。

それこそAI、人工知能みたいなモノが発達すると、人間がやらなくていい事が増えて、膨大な時間が生まれる。

膨大な時間が生まれた中で、[物差しがお金]とかしかないと、ほとんどの勝ち組以外の「ほとんどの人は不幸になるなぁ」と思って。

で、そうなった時に「世界を変えよう」みたいな力強いメッセージより「『世界から自由で楽しく勝手にやろう』みたいなメッセージの方がいいな」って、僕が個人で思ったんですね。

で、それを書いていたら、なんか地方の、
本当にマニアックな駅。

人があんまり居ない駅のホームで、50代ぐらいのおばさんに「めちゃめちゃあのメッセージ感動しました」って言われたんですね。

で、それって。
僕は全く。

多分、僕と育ち方も、年齢も、性別も違うその人に「何か共感してもらおう」と思って作ったら絶対無理で。

ただただ「僕個人はこう思う」っていうのを強く打ち出したら、意外と遠くの人にも刺さったりする。

で、編集者で。
僕も色んな編集者見てますけど、ヒットを出す編集者はもの凄い個人的です。

もの凄い自分の好みとか、自分の個人的な事を本にしています。
超狭い。

「なんだよそれ、お前ぐらいだろ」みたいな変人的な、変態的な事でもいい。

逆にヒットを出せない編集者はもの凄い一般的です。

「なんか流行りそう」
「あ、なんかそれベストセラーになりそう」
みたいなモノを、結局売れないんです。

やっぱり、超個人的な事。
「自分の一番偏った部分を出す」っていうのが大事なんじゃないかなと思います。

答えになってるか…
すみません。


・[質疑応答3]
僕は日本のGDPをめちゃめちゃ下げたいと思っているんですよ


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)


何の本だろう?
倫理的に問題がある本って、俺出したかな?

ちょっと具体的に分かんないんですけど、「賛否両論あるような本をどう企画書として出すか?」とかっていう質問として捉えますね。

僕は、それこそが価値だと思っていて。

ホント「倫理的に問題がある」とか、「差別する」とか、「特定の誰かを傷つける」って本は出しちゃいけないし、面白くないんで出さないですけど。

「賛否両論ある」っていうのは、むしろ大事じゃないかなと思っていて。

何だろうなぁ?
コンテンツって、結局、人が「何でそこに共感したり熱狂したりするか?」というと、「思ってたんだけど初めて言ってくれた」みたいな時だと思うんですよね。

「思ってた。みんな思ってるよね?」と。
「ぶっちゃけみんな思ってるよね?」と。
「でも、言っちゃダメだよね」
っていう事を言ってしまう。

そうすると、めちゃめちゃ怒られるんですけど、やっぱり共感が生まれるんですよね。

そこが大事で。

僕、企画書とかって出した事が無いんで、本当はダメなのかも知れないんですけど。
「勝手に作って勝手に」っていうか。

もう企画書は別に大丈夫な人間にはなってるんでアレなんですけど。

僕が出す時、逆にそれ(賛否両論)が無い本だったら、どんな良い本でも出さないです。

要は、当たり前の事を改めて言う必要無いんで。

「それは、おうちで紅茶でも飲みながら言っててくださいよ」みたいな感じで。

やっぱり書く人。
著者の魂を込めて、それを編集させてもらって世に出すという事は、どっかしら賛否両論生んだり、どっかしら「言っちゃいけないんだけど、みんな思ってるよね?」っていう事じゃないとダメなような気がしますね。

最近のプロジェクトはいくつかあるんですけど。
何だろうなぁ?
面白いやつだと。
最近は、それこそサウナ雑誌を出して。

僕は日本のGDPをめちゃめちゃ下げたいと思っているんですよ。
国際競争力を落とそうと思ってて。
それが僕のビジョンなんですけど。

日本って。
まぁ韓国も近いかも知れないですけど、どんどん人口が減っていって、結構どんどん貧乏になっているんですよ。

昔はみんな憧れてた国だったかも知れないんですけど。
経済的に。
でも、今はどんどん下がっていって。

で、やっぱすごい企業とか世界に勝てる企業って無いと、本当に日本自体が終わっちゃうんで、頑張る人は頑張ってて欲しいんですけど。

国民の価値観として、[物差しが経済的成長だけ]だと、「本当に不幸な人が増えるなぁ」って思っていて。

僕は、自分の人生とか、本の編集者として
「なんかくだらないけど楽しくて」
「死にはしないけど生きていける」
みたいな人を増やしたいなと思っていて。

それがサウナ雑誌のコンセプトでもあるんですけど。
だが、そのサウナ雑誌を作って、今、実際にサウナを作ったりしてます。

お肉屋さんとコラボレーションして
「サウナ入った後、お肉食べれる」
みたいな。

それって別にお金かからないんだけど。
もうそれで、イーロンマスクより、その瞬間幸せだったりすると思うんですよ。

ビルゲイツが飲んでいるワインより、その時飲むコーラの方が美味しかったりするかも知れないじゃないですか?

みたいに、物差しを経済的な成長みたいなのと、また違う物差しを作る仕事を。
サウナを作ったり。

あと、トゥクトゥクの会社も、この前創業して。
タイとかにある車、あるじゃないですか?
トゥクトゥクっていう。

あれも、その会社も今始めて。
それは「日本の車を全部トゥクトゥクにする」っていうビジョンで。

トゥクトゥクって、マジで遅いし、ガタガタ揺れるし、扉ないし、最悪で。
もう仕事する気、何もなくなるんですよ。
でも、気持ちいいんですよ。

だから「日本の車を全部トゥクトゥクにしたら、なんか幸せな人増えんじゃないかな?」と思って。

そういうプロジェクトやってます。

なんかちょっと本の編集者とか違うかも知れないですけど、さっき話した最後の本というモノを軸に、「色んな事をやる」っていうのをやり始めてます。


・[質疑応答4]
精神的におかしくなって、それをも餌にして、もっと頭おかしくなる


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)

とてもいい質問です。

僕も一時、頭おかしくなりそうな時があって。

まぁ、通常から[頭おかしい]で、どうにかなってますけど。

たしかにSNSをやりすぎると、大変頭がおかしくなる時があって。

一時、僕のツイートとかも、「ちょっと変だ」って言われる時がありました。

風船?
なんだ?

[意味も無く風船ばかりが膨らんで、破裂するのが分かっているのにとめられない]

みたいな事を言っている時があって。
ちょっとだから精神的におかしくなって。

でも、それを歌詞にして歌手デビューしたんです。
全然売れなかったんですけど。

だからもう、僕のやり方ですけど、頭おかしくなりそうになります。
たしかにSNSで発信ばっかすると。

そうするともう「それをも餌にして、もっと頭おかしくなる」っていうのが僕のやり方なんですけど。

それをやると、色んな人を不幸にするし、自分の人生もおかしくなるので、あんまオススメしないです。

やっぱ、適切な距離をとってやる方がいいような気がしますけど。
そういうところは本当にあるんで。

何だろうな?
でも、1つあるのは、あくまで「架空の世界だ」と思う事ですね。

実際炎上して、色々な事がある事もありますけど。

特に韓国とかは、炎上が日本と同じか、それ以上に酷くて。
有名な方が犠牲になってしまったりする事もあるんで大変なところだと思うけど。

もう「所詮バーチャルだろ」と。
「スマホ捨てたら終わりや」って思う感じですね。

スマホ捨てて、サウナにでも入れば、「そんな世界はどこにも無い」って思えばいいんじゃないですかね。
違うか。
でもそんな感じです。


・[質疑応答5]
駆け出しの時の「やりたくない本」はいずれ凄い強い武器になる


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)


すいません。
最後、もう一回言ってもらっていいですか?
「どんな提案を受けたら?」でしたっけ?
20万部以上の本を作ると…
あっ、具体的な数字があった時ですね。
あー!
ありますあります。
あー、あります。

それは2つの多分軸があって。
「自分が編集したくない本を編集する」というのは、若手の時は当然あると思います。

それは、1つは、編集者とか関係なく、仕事って自分で出来るようになる前は人の仕事をもらうしかないんで。
それはやっぱり、やらざるを得ない。

どうしても倫理的に無理なモノ。
自分の正義感としてやりたくないモノは断るべきですけど。

単純に「好きじゃない」とか「売れなそう」とかで断るのは、やっぱ新人時代は普通に仕事としてやめた方がよくて。

で、その時、僕が意識してたのは、もう[ゲーム]ですよね。

「この本をどうやったら売れるのか?」
「面白く出来るのか?」

それは「自分が好きだ」とかっていう訳じゃなくて、「編集者としての力を磨くゲーム」として頑張っていましたね。

全く興味ない本もあったし。
それこそ、難しい本。

僕はなんか結構、賛否両論のような本が多いんですけど。

1回、熊本県というところで地震があって。
その熊本県の代表するキャラクターの[くまモン]っていう、可愛い熊の子が、「地震で被害にあった人達に会いに行く」という、もの凄いハートフルな企画があって。

僕、凄いそういうハートフルな企画苦手なんですけど、製作費を募る為に、「クラウドファンディングとかやんないと、その本が出版出来ない」ってなって。

そういうのが社内で出来る人が僕しかいなかったんで、僕がやったんですけど。

やっぱ、自分の得意ジャンルじゃないけれども、やる事によってめちゃめちゃ色んな技術とか色んな発想は学べたんで。

それは良かったなぁと思ってます。

まぁ、ありとあらゆる事が、自分の編集者としての財産になるので。

やりたくない本を、「倫理的に」とか「自分の価値観として絶対にこの本は編集したくない」ってのは、1人の個人として主張するべきですけど。

やっぱり、まだあの駆け出しの時とか、特に先輩から貰った案件とかやる事は、「編集者としてのカード、引き出しを増やす事」になって、それはいずれ自分が「こういう本やりたい」と思った時の凄い強い武器になると思うので。

勉強のつもりでやった方がいいと思います。


・[質疑応答6]
情報を売るんじゃなくてブランド売るんだ



(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)


はい。
えっと、それは日本でもよく言われて。

「なんで紙の本まだ出すの?」とか言われていますけど、紙の本に関して言うと、僕はもうこれ以上、下がらないんじゃないかなと思っていて。

要は、アナログすぎてテクノロジーに代替されない。

まぁ、徐々に電子書籍の割合が増えてくる事はあっても、紙の本の需要っていうのはあり続ける。

実際、こう、めくったりする方がiPhoneでこうやって見るより便利ですし「読みやすい」というのがあって。

まぁ、デバイスがめちゃめちゃ、もう紙以上に便利になったは分からないですけど。

現状、紙の本というのは、デバイスとしてみても意外と「電子書籍より便利だ」と感じる人が多いんじゃないかなぁと思っています。

と、もう1個は、さっきの講演で話した話なんですけど、もはや、「情報売る」って事は、なかなか厳しい時代になってきていて。

情報を売るだけだったら、本当にネットのニュースとかネットメディアの方が効率的。

わざわざ本を時間かけて編集するという事は、もう[確固たるコンセプト]だったりとか、[確固たるブランド]だとか、「ビジョンを打ち出している」って事に近いんですね。

で、多くの共感者だとか、ファンだとか、熱狂する人を生み出す。

そういった時に、やっぱり物質的なモノがあった方が力強いので。

「時代が変化すればするほど」っていうか、時代がデジタルな方に行けば行くほど、一方の「ブランド品としての紙の価値は高まるんじゃないかな?」という気がしてます。

だから装丁、表紙をカッコよくしたり、むしろ重厚感を持たせたり、インテリアとして置いてもダサくなかったり。

そういう本を意識して「紙の本の価値は上げる」っていうのが、一方で大事なんじゃないかなと。

じゃないと、もう情報と勝負する事になると、相手はありとあらゆるメディアのニュースであったり、ありとあらゆる個人のSNSの発信であったり、Youtubeの動画になったり。

敵は無限にいて。
そっちに行くと絶対に勝てないので。

「情報を売るんじゃなくてブランド売るんだ」って思って、その上で[ブランド]って考えた時に、やっぱりiPhoneの中に入っちゃう電子書籍より、物質として存在する紙の本の方が強いとは思いますね。

・[質疑応答7]
めちゃめちゃ地味で過酷な作業だと思うんですね


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)


めちゃめちゃいい質問で。

僕、日本でめっちゃそれ言われる事が多いんで。
「韓国も日本も似てるんだな」って今、感動したんですけど。

ホント、おっしゃる通り。
編集者は表に出たくない人が多いし、まぁ本を、「良い本を作るというのが一番大事」っていう。

「そこをブラしたく、忘れたくない」っていう。

その話は本当にめちゃめちゃ聞くし、僕もその通りだと思います。

やっぱりどんなSNSで発信しても、作っている本が面白くなかったり、全然共感出来なかったら、ゴミの宣伝してるようなもんなんで。

やっぱり「いいモノを作る」というのは、そこは本当に頑張る。

で、みなさん、編集者だから同じだと思いますけど。

本当に本を編集している時間って、なんか何も変わらず10時間とか、ただペンを動かしているだけなんで、見ててもつまんないし。

その一方で、頭おかしくなりそうになるし。
で、そこまでやったからって、本当に読者がその変化に気づくのかも分からなかったり。

めちゃめちゃ地味で過酷な作業だと思うんですね。

でも僕は、それをやるのは…
なんか話変わりますけど。

何か散々SNSで発信したりピエロを演じるからこそ、なんか自分への贖罪(しょくざい)みたいな。

贖罪って難しいか…。

自分の普通なんか…なんかね。

自分が編集者である為に、それだけは誤魔化さず「ちゃんと編集はしよう」と思ってやっている。

だから「本当にいい本を作ろうっていうのを忘れちゃいけないな」っていうのは、自戒を込めて僕も思います。

で、ちょっと質問に戻って。

「そういう内向的な人?がどうすればいいか?」というのは…。えーっと難しいんですよね。

でもなんか僕みたいに、ちょっと過激にやる事だけがすべてじゃないなぁとは思って。

別に何か、こう、「ワッ」って煽るような事を言わなくても、ちゃんと丁寧に自分がその本に込めている想いだとかを、自分のペースでちょっと言葉にする。

っていうぐらいでも、全然違うと思うんですよね。

むしろ、そういうほうが。
そういう誠実な態度が好きなフォロワーがつくんで。
なので、スタイルは無限にあると思うんですけど。

自分に合ったスタイルで「自分の誠実さは崩さない中で無理せずやっていく」っていうのがいいんじゃないかなって思います。

白か黒かじゃないと思ってて。

SNSの発信をめちゃめちゃやる人。
全くやんない人。

っていうよりも、そのグラデーションで「ちょっとやる」っていうのがあると思うんですよね。

「ちょっとやる」っていうか、「新聞に広告出す」とか「本屋さんの営業頑張る」とかと変わらない、「1個の本を多くの人に知ってもらう手段の1つ」なんで。

自分の出来る範囲で、「自分のスタイルを崩さない範囲でやる」っていうのは大事なんじゃないかな?って気がしますね。


・[質疑応答8]
「どうにでもなれ」と思ってるんですよ


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)

はい。

SNSリスクって事にいうと、ホント犯罪みたいな事だとか、限度超えた誹謗中傷っていうのは、もう「機械的に警察だとか裁判所に相談する」というのは、稀にですけど、やりますけど。

それ以外は、僕あんま…
僕、ちょっと特殊なんで参考にしない方がいいかも知れないんですけど。

「どうにでもなれ」と思ってるんですよ。

だからあまり参考にならないと思うんですけど。
ホント、「どうにでもなれ」と思ってるんで。

この前、海行って、橋から海に飛び込んだんですけど。
僕、普通に躊躇せずそのまま飛び込めるんですよ。

ポーンって。

だから、そういう人間です。

もちろん、「怖い」とか「痛い」とか「ヤダな」っと思うんですけど。

根が、「どうにでもなれ」と思ってるんで、あんまりそういうリスクは気にした事無いです。

でも、気にした方がいいくて。
でも、どうなんだろうなぁ…。

でも要は、個人で気をつけても限度があるから、もはや「リスクがある」って事を前提にやった方がいいですよね。

家は知られる。
どこにいるかはもう分かられる。
みたいな。

僕、1回、SNSで喧嘩したお笑い芸人さんと、それが発展して、ボクシング対決やった事があるんですよ。

会場1000人くらいの会場で。
圧勝したんですけど。

だから、なんか僕はもう「そういう事も起こり得る」と思ってるくらいで生きています。

だからあんま参考になんないかも知れないです。
すみません。

だから、「気をつけながら付き合った方がいい」とか、普通の事しか言えないです。






・[質疑応答9]
[かすり傷も痛い]っていう言葉に変わったんです。


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)

あー。
そうですよね。
本読んで頂いてありがとうございます。

色んな事を経験したり、年齢を経ると、価値観は当然変化します。

読んで頂いた本のタイトルは[死ぬこと以外かすり傷]っていうタイトルだと思うんですけど。

僕の今の人生の言葉は変わってて。

[かすり傷も痛い]っていう言葉に変わったんです。

色んな事を経験して、「やっぱ、かすり傷も痛いな」と。

やっぱり年齢を経る事によって。

昔は「何でも来い!」みたいな。
「俺が革命を起こすんや!」みたいな感じだったんですけど。

今はそういう若者…
YouTuberとか。

この前、YouTuberの本で[時代遅いよ]みたいなキャッチコピーで。
「おぉー!昔の俺みたいだ!」って思うぐらい、やっぱり年齢と共に当然変化して。

大事な事は、年齢と共に変化する自分の生き方なり価値観を、ちゃんと正直に表現する事。
コンテンツにする事だと思うんです。

逆に、昔言ってしまった自分の言葉だとか、自分の価値観に縛られて。

本当は自分は変化してきてるのに、形だけ昔言ってる言葉のまんま、同じような事を発信し続けたり、そこに縛られて生きると、やっぱりみんな読者の人はバカじゃないから気づくんですね。

そのリアリティの無さに。

だから、ちゃんと自分の年齢とか経験に寄った変化と共に、正直にその都度その都度、自分が思うモノを出すし。

自分がこう、強い言葉で言ってる事が揺らぐ事も当然あるんですけど。

そこはめちゃめちゃ丁寧に、誤魔化さないで見る。

別に人に言う必要はないんだけど。
「揺らいでんな」って。

「ホントこうかな?」とかって思う事は当然あるんですよ。

めちゃめちゃ個人的な事でも、自分が本当に変人じゃない限り、自分の後ろには自分みたいな人はも1万人はいる。

だからそれを丁寧に表現したり、何かしらのコンテンツとして表現出来たら、意外と共感を呼ぶモノになると思うんで。

その[ゆらぎ]とかですら、「ちゃんと逃さず見る」っていうのか大事だと思います。

「あんなに本にめちゃめちゃ強く書いたけど、なんか違くね?」みたいな。

でも、それはちゃんと向き合う。

その1個1個のやつ。

その自分の着想なり揺らぎなりが、次の企画のタネになる。

自分の悩みみたいなモノっていうのは、絶対多くの人が同じように悩んでいるんですね。

めちゃめちゃ個人的な事でも、自分が本当に変人じゃない限り、自分の後ろには自分みたいな人も1万人はいる。

だから、それを丁寧に表現したり、何かしらのコンテンツとして表現出来たら、意外と共感を呼ぶモノなると思うんで。

その[ゆらぎ]とかですら「ちゃんと逃さず見る」っていうのが大事だと思います。



・[質疑応答10]
編集者って、究極「才能が無い人」だと思うんですよ


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)

その状況は日本も韓国も多分非常に似ていて。
日本も書店本屋さんは倒産し続けてます。

売り上げも下がってるし、紙の本の売り上げも「下がりきった」みたいな。
「下げ止まった」みたいな。

本屋さんは下がり倒産し続けてて、紙の本の売り上げ自体はちょっと下げ止まった。

ラジオみたいな、昔のコンテンツになったような気がします。

ただ、その危機感において言えるのは…
うーん…。
ビジネス。

作る事に関して言うと、今言ったみたいに「自分のこだわりをいかに出そう」とかって感じですけど。

ビジネスの事に関して言うと「マネタイズの方法が無限にある」と思っていて。

「紙の本を売る」っていう事自体を収益の柱にしているのが、このご時世やっぱりおかしいんですよね。

そこは本屋さんも出版社も考えを改めなきゃいけない。

でも、考えを改めるには「まだ意外と紙の本が売れる」っていう、このジレンマがあるんだと思うんですけど。

やっぱりCDが売れなくなったけど、音楽市場って、めちゃめちゃ実は広がったんですね。

それは配信もそうだし。
ライブ、グッズ。

色んなモノで、音楽市場自体はCDが売れなくても市場が広がったし、ビッグアーティスト以外も意外とちょっとしたファンがいるだけでも生活出来るようなアーティストも増えてきた。

出版業界も多分、普通にそうなるような気はしていて。

本。
「紙の本で売る」っていうのは、音楽同様、とんでもなく人気がある人は、記念品みたいにみんな買うんで売れると思いますが、基本的に「そこで収益を立てよう」っていうのは無くして。

一番最初に言った、[プロセスエコノミー]的な考え方じゃないですけど、本を作っている過程でも売れるモノは沢山あると思うんですよね。

それこそ、僕は編集者だから分かりますけど。
本って良いですけど、一番良いのって「本を編集している時」が一番勉強になりません?

一番色んな事を調べなきゃいけないし、色んな情報を集め、「一番キーとなるものはどれか?」って取捨選択し、言語化し。

みたいなモノって、実は凄い宝物みたいな経験だと思っていて。

その経験も売れるはずなんですよ。

その経験を配信したり、まぁオンラインサロンみたいな月額制のコミュニティでみんなで勉強したり、共有したりする事も出来るし。

色んなお金にする方法っていうのはあると思うので、そこを考える事が大事。

で、「編集者がそれをやるべきかどうか?」というのは難しくて。

本当は「違う良い本を作る人」と、「ビジネス化する人」って分かれてた方がいいのかも知れないんですけど。

現状、それは分かれてなくて。

編集者って、何かって言ったら、究極

「才能が無い人」

だと思うんですよ。

本を書く才能がある人を見つけてきて、その才能を世に出す役目を担わせてもらっている人なんだから。

その編集者が偉そうに「SNSはちょっと出来ないなぁ」とか、「なんか出版不況だな」とか言い訳するな!と。

「才能が無いから、才能が有る人の才能を世に出す仕事をしている私達は、死に物狂い、その才能が1人にでも多くの人に伝わる為に動き回れ!」

って僕は思うんで。

それが足りてなくて、なんか勘違いして、まるで作家のように「本売れないなぁ」とか、「なんだかなー」って言って。

「いや、お前らは本が売れる為に頑張る仕事だ!」って僕は思うんで。

そこをもっともっと考えれば、いくらでもやりようはあるし、出版社もそうだし、編集者もそうだし、本屋さんもそうだと思います。

「本を仕入れて売る」ってもう、だからあの、色々お世話になっているからあれですけど。

「本を仕入れて売る」って言って、生き残っていけないですよ。
そんな。

コンビニだって、死ぬほど頑張ってるのに。
本屋さんだけ、そんな事やって、文化的な顔して、「出版不況だ」とか言って、「倒産しました」っつって。

「甘えんな!」って思います。

そりゃもっと頑張んなきゃ。

コンビニなんて、それがいいか悪いか置いといて。
「この10年でどんだけ進化したんだ!」って。

日本のコンビニなんて何でも出来ますよ。

郵便も送れるし、なんか何?
自分の役所みたいな仕事も出来るし、電気代も払えるし。

本屋さんだって、大切に守らなきゃいけないモノは守りつつ、生き残っていく為に出来る事は無限にあると。

出版社もそう。

で、そこを考えるというのが出版業界に限らず、ありとあらゆる業界がやっている事を出版業界も。

「俺らは文化的なモノを作っている」っていう、床にあぐらをかかずに「やらなきゃいけない」っていうだけなような気がしますけどね。


・[質疑応答11]
他人に嘘をついても自分には嘘をつくな


(向こう側の質疑はYoutube音声には無い)

んー。
これだけは絶対にやらないという仕事?
なに?
殺し屋?
とかですか?
分からない。

どういう事?
本の編集でって事?

えーっと。
なんだろうな?

明確に守れてはいないかも知れないんですけど、僕の中で気をつけているのは「つまんない」。

普通ですけどつまんない本を、面白いフリしてやんない。

たまにあるんですよ。
編集者のみなさんもあると思う。

面白いと思って進めてたのに、意外とその人が書くモノが全然面白くなかったり、やってる途中でつまんない事に気付いちゃったり。

で、それを嘘ついて。
本当は大人の態度として正しいのは、それを嘘ついて「こんな面白い本は無い。また最高に面白いモノが出来ちゃいました」っていう事が大人の態度としては正しいのかも知れないけど。

僕は失礼だから、「つまんない」とは言わないけど、やっぱりそこは嘘はつかない。

なんか、「多分箕輪さん、今回本気で宣伝してないからそんな面白いって思ってないんじゃないかな?」って、分かる人には分かるぐらいには、正直にやる。

何かね。
そこで嘘をつき始めるとダメなような気がして。

なんか、なんつっかな?

でも、「一生懸命作ったから一生懸命売る」っていうのは態度としては正しいから、そんな「ふてくされたような態度をとる」って事じゃないんだけど。

思ってもみない宣伝文句とかを。
明らかに心には無いキャッチコピーとかはつけないようにはしてますね。

それがもう、普通にやるようになっちゃったら、誰もなにも人が動いてくれないんで。

常に自分の思っていることを言う。

僕が好きなDJの人で、[石野卓球]さんっていう人の言葉で

[他人に嘘をついても自分には嘘をつくな]

って言葉があって。

僕、それ結構好きで。
やっぱり仕事してると、ちょっとした嘘はつかなきゃいけない時ってあるじゃないですか?

なんか別に大して面白くない企画も、さっきの質問みたいにやんなきゃいけない時に、上司の人から貰った企画を「これつまんない企画ですね」とは言えないじゃないですか?

で、だからその時、「あぁ、面白そうな企画ですね」という嘘は、やっぱこの社会で生きる人間として、ついてもいいと思う。

で、他人に嘘をついても、自分の心にだけは嘘つかない。

「いやー、これはつまんないぞ」と。

で、別にそれを誰か言う必要はない。
けれども、自分の心に「これはつまんないけど頑張ろう。仕事だし」って思って、自分の心には本当の事を言い続ける。

それをやらないと、本当に心が錆びて、本当の事を感じられなくなっちゃうような気がして。

そうすると、編集者として終わりなので。

なので、他人に嘘ついても自分には嘘をつかない。

[自分の感性]とか、「自分の感度は研ぎ澄まし続ける」っていうのは大事にしてますね。

カムサ厶ニダ。
カムサムニダー。




・講演会終了



もうオッケーかな?
終わりました。
お疲れ様でーす。



【参考資料】
メモの魔力

サウナランド

ストロングゼロ

トゥクトゥク

箕輪★狂介

くまモンあのね

死ぬこと以外かすり傷



参考動画

箕輪厚介・韓国の講演会


箕輪★狂介 「徒花」


箕輪厚介vs水道橋博士


【箕輪厚介のツイッター】