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とんかつDJアゲ太郎

2020年公開
監督:二宮健
原作:小山ゆうじろう

<あらすじ>
 老舗とんかつ屋「しぶかつ」の3代目、アゲ太郎はやりたいことや将来の夢がなく、ただ何となく店を継ぐことを考えていた。ある日の出前で渋谷のクラブへ向かう。そこで、DJ・オイリーとであう。
 オイリーがクラブを沸かせる姿を見て、DJを目指し始める。オイリーの助言を受け、自分のやりたいようにDJとしての活動を始めた。動画サイトで有名になり始めたころ、密かに思いを寄せている女性・苑子に自らの動画を見せる。しかし、「よくわからない」と一蹴されてしまう。
 とんかつもクラブもアゲられる男になる、と決心しオイリーの弟子となり修行に励むようになっていく。

☑受け取ったテーマ
 ・やりたいこと
 ・失敗の経験
 ・人の心をつかむ

☑こんな人におすすめ
 ・ライトな映画を見たい人
 ・テンションを上げたい人
 ・なんとなくやりたいことが見つからない人
 原作は少年ジャンプの漫画。とんかつ屋とDJを題材にした作品ですが、原作はギャグマンガのようで、DJやとんかつ屋といった部分に焦点が深くあたっているような印象は受けませんでした。
 感動要素も強くはないので、泣きたい人よりも軽い気持ちで映画を見たい人におすすめの映画です。クラブミュージックをイメージしている人には物足りなさを感じる作品かもしれません。

☑作品の特徴
 若干のギャグ要素もありつつ、DJとして活動をする難しさが垣間見えるかなーと思います。しかし、テーマとしてはやりたいことと出会い、その中で何かを極め、成長していく少年漫画らしいストーリーそのものがこの映画の見どころとなっている印象でした。

☑感想(ネタバレ含む)
 あくまで少年漫画の実写化だという前提で見に行った方がよいかもしれません。というのも、DJ,クラブといった要素に惹かれ、見に行った結果期待とは違う方向性の作品で物足りなさが残ってしまいました。。

 やりたいことがない、就活がめんどくさいから家業を継ぐ。今の時代の若者にはよくある話です。ふとしたきっかけで、やりたいことが見つかり、がむしゃらにそれを突き詰めていく、少年漫画らしいストーリー展開でした。ただ、アゲ太郎自身の経歴や、彼を取り巻く登場人物の心情、過去、環境が見えないだけに、なぜDJに心動かされ、アゲ太郎のどこに周りは惹きつけられているのか、不明瞭な感じでしっくりこないなーと。
  ギャグ要素も点在しますが、本気の笑いを取りに行っているという感じでもなく。中盤まで波のない展開のように感じました。

 特に、クラブでの描写には期待していましたが、クラブというよりはディスコ。なぜか古めかしい雰囲気を感じ、違和感。「あ、この映画の本質はここじゃないな」とすぐに気づきました。
 大失敗をし、DJを諦めようとするアゲ太郎。ここが最大のメッセージだったのだと思います。失敗の原因は自分の世界に入りすぎたせいで、客やヘッドホンの外の様子を見失っていたこと。この失敗で自分はDJに向いていないんだと考えます。こういった経験はきっと多くの人が共感できることだと思います。
 たった1回の失敗で向いてないと判断するのは早い。失敗から何を学び、次へつなげるのかが大事。そういうメッセージがあるように思いました。たよりないアゲ太郎の様子に見ているこっちが、嫌になるような。しっかりしろと背中を叩いてやりたかったです。笑

 DJという素材を大衆向け、全年齢層が見られるように適応されているようで、内容も広く浅く。俳優陣は豪華だっただけに、ストーリーや演出の深みのなさに残念だなーと思ったのが正直なところです。

 クラブミュージックをもっとガンガン加えていければ、もう少し全体的な評価が上がる気はしますね。ネット上のレビューも見事にばらついてます。自分にハマるかどうか、ぜひ見てみてもらえればと思います。

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