見出し画像

【大学入学共通テスト】これから共通テスト・倫理、政治・経済に挑む人へ

こんにちは。穎才学院講師のNです。今日は、2022年1月15日に実施された〈令和4年度大学入学共通テスト(本試験)〉の倫理、政治・経済の解説を行います。さらに、これから共通テストを受ける受験生に向けての勉強法についても解説していきます。

総評

平均点は昨年度とほぼ同じでした。暗記した知識を単にアウトプットすれば正答できる問題は少なく、会話文の内容を理解しないと正答できない問題や、問題文から与えられた情報と知識を組み合わせることが正答するうえで必要になる問題が目立ちました。

各問解説


第1問

問3 文中の「私」は友人と言い争いになった時に「ただ黙ってやり過ごした」B君であることを理解していれば、aはすぐに分かります。問1の文の続きの場面であることを意識しましょう。bはストア派についての知識があれば分かります。今回は出題されていませんが、ストア派はエピクロス派と比較されることが多いので、両者の違いも押さえておきましょう。

第2問

問1 本居宣長の説いた「真心」とは、「よくもあしくも、生まれつきたるままの心」のことです。私利私欲を抑えすぎずありのままの心でいる方がいい、ということについて述べた選択肢を選びましょう。

問4 資料文を読解するだけの問題です。知らない人物名が出てきたからといって諦めることなく、しっかりと文章に目を通せば正解することができます。

第3問

問4 Ⅱ、Ⅲでの生徒達と先生の会話文を読解する問題です。知識が無くても解答出来る問題ではありますが、文章量の多さに注意しましょう。試験本番では焦って頭が真っ白になることもあるので、時間がかかりそうだと感じたら一旦飛ばすという判断も重要です。

第5問

問1 地方自治に関する穴埋め問題ですが、ア〜ウは全て、それぞれの空欄の直前の内容から答えを導き出すことができます。
ア: 「国から自律した団体」に「十分な自治権を保障」することなので分権。
イ: 「住民の意思に基づいて行われ」るのは民主主義。
ウ: 地方公共団体に関する内容なので、住民ではなく団体自治。

第6問

細かい知識に加えて、銀行の業務や為替について思考することが求められる難問が揃っています。

問1 2020年以降の巣ごもり需要について説明した選択肢が正解です。このように、いわゆる時事ネタが出題されることもあるので、受験期が近づいてもニュースには軽く目を通した方がいいですね。

問4 市中銀行の貸出業務に関する解説文や図を読み取り、個人や一般企業に貸出する際の資産と負債の増減について解答する問題です。バランスシートの図から、一見とっつきにくい問題に思えますが、メモに記載された「銀行から借り入れると、市中銀行は『新規の貸出』に対応した『新規の預金』を設定し」という内容から解答できます。

問6 あるハンバーガーの価値が世界中で共通である、という仮説の下に求めた日本とアメリカの外国為替レートが、実際のレートとどのくらい異なるかを考える問題です。アメリカでは5ドルの商品が日本では600円であることから、αは120円であることが分かります。しかしながら実際のレートは1ドル=99円であることから、1ドル当たり21円の円高ドル安となります。

第7問

問3 自主財源、依存財源、一般財源および特定財源に何が当てはまるかが分かれば解ける問題です。自主財源と依存財源の違いは、地方自治体が自主的に集めた資金(地方税)か、国が交付した資金(地方交付税、国庫支出金)かです。一般財源と特定財源の違いは、使用用途が限定されているかどうかです。一般財源は用途が限定されておらず、地方税や地方交付税が当てはまり、特定財源は用途が限定されている国庫支出金に当たります。

共通テストを来年度以降に控える高2生・高1生へ

倫理、政治・経済は暗記を仕上げて問題演習を積めば安定して得点できる教科です。暗記を行う際には、それぞれの人物や思想の関係について体系的に覚えることを意識しましょう。個人的には、教科書や資料集に載っている内容を自分でノートなどにまとめるのがおすすめです。また、本年度の試験問題を見ても分かるように、知識と問題文中に示された情報を組み合わせて解答しなければならない問題が多いので、暗記が一通り仕上がった後は問題演習を積んで知識を運用する練習をし、得点力向上につなげましょう。

穎才学院の公式HPはこちら
入塾希望者は随時受付中です。私たちと一緒に勉強してみませんか??
無料体験授業の申し込みはこちらで受け付けています。お気軽にお申し込みください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?