鱏里 - Eiri

【メモ帳の肥やし】 日々メモ帳に残したこころのメモたちが、行き場をなくして蓄積する様。

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【メモ帳の肥やし】 日々メモ帳に残したこころのメモたちが、行き場をなくして蓄積する様。

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どんな「始まり」も、呪いの始まり

こんな風に考えてるから全部が怖いんだろうけど、怖いもんはしょうがない。  何かを始めることが難しくなったのは、いつからだろう。 どうしようもなくネガティブな話になるけど、頭の中の本当の話。 始めるということ。 それは、続けるか終わらせるかの選択を、後者を選ぶまで迫られ続けること。 当然だけど、始まったものは、終わるまで続く。 学業だろうと、その日の仕事だろうと、ひとつの命だろうと、この宇宙だろうと、そんな大層じゃない日々の細々としたあれこれだろうと。 目標達成や成功

    • 繊細な人と「あなたへのおすすめ」

      たぶん相性が悪い。  noteでは、普段読んでいる記事等に応じて「おすすめのトピック」と、それに関連する記事がホーム画面でおすすめされる。 そうしておすすめされたトピックを、私はいくつ非表示にしてきたかわからない。 noteだけじゃない。 たとえば、YouTubeでは「あなたへのおすすめ」が関連動画に混じって表示される。 そして気に入らないおすすめの動画は「既に見たことがある」「興味がない」からフィードバックを選択して非表示にすることができる。 私はいくつ「興味が

      • 360

        公転軌道を一遍廻る頃 その中の余った5か6が 人生の価値だ わたしたち あの日飛び乗った運命号 行き先は日常 そしてまた ひとつの冒険を終える頃 きっとわたしたち 5や6からはみだしてしまった わたしたち ずっと乗ってた日常号 行き先は空白 わたしたちはただ 針の倒れる方角が違っただけなの それがたとえ 5か6だったとしても 新しい運命号 飛び乗った貴方へ 貴方が落とした針は 私にずっと見えている ずっとあるんだよ

        • 空想・ダブル王

          たったひとつ守り抜くだけでも大変なのに、守るべきものがたくさんあるだなんて。  将棋の駒には『玉将』及び『王将』がある。 名前は違うけど役割は同じで、格上の人が『王将』を、格下の人が『玉将』を使用するらしい。 その役割こそ、ずばり「取られたら負け」。 将棋とはつまり「相手の玉将/王将を奪う競技」であり、玉将/王将は将棋において勝利条件に関わる最重要の駒なのだ。 さて、将棋には様々な種類の駒があるわけだが、大半の駒は自陣に複数枚ある。 『金将』『銀将』『桂馬』『香車

        • 固定された記事

        どんな「始まり」も、呪いの始まり

          プラネタリウム

          壮大な星空を操るのって、どんななんだろう。 ボタンひとつで星座を結んで映したりして。 この世の奇跡も、他人事みたいな遠い予報も、全部この手の自由。 それって、どんな気持ちなんだろう。 願ったつもりはないけれど、知りたい気持ちもなくはない。 優しい照明を落として、劇は幕を開ける。 私の命がどんなに挑んでも及ばない世界。 今だけは目の前に広がる、美しい景色。 されど、知れば知るほど恐ろしい世界。 そして、それらも全部ひっくるめて美しい世界。 そんな巨大な恐ろし

          プラネタリウム

          ずっと空き家だと思っていた家が空き家じゃなかった

          やっぱり、ぱっと見じゃ分からないものなんだなあ。  外出するとき、そしてもちろん帰宅するとき、いつもその家の前を通る。 木造の立派な二階建て。 古風な豪邸とでも言いたくなる印象で、平成風な住宅が密集している中で一際の存在感があるおうち。 だけど長らく、人が出入りするところを見ていなかった。 それどころか、夜に通りかかっても、明かりが点いている様子もない。 他人の家なので凝視はしないけれど、どこか時が止まっているように見えた。 空き家の急増が社会問題と叫ばれ始めて久しい

          ずっと空き家だと思っていた家が空き家じゃなかった

          優しくぎゅっとして、もう一生離さない

          今、私の身から離れつつある創作へ。 手放さないと改めて誓おう。 今は上手く出来ずとも、いずれまた花咲くと信じるから。 私はここしばらく、心療内科に通院する生活をしている。 これをnoteで報告するのはたぶん初めてなんだけど、既に何か月間か通っている。 様子がおかしくなり始めたのはそのさらにずっと前の話で、それでもずっと通院の勇気が出ないでいた。 ただ、遂に見兼ねた親にいろいろと訊かれて、漸く医者にかかりたいと言えた。 ただ、通院はしていたのだけれど、あくまでも私は「うつ

          優しくぎゅっとして、もう一生離さない

          『新宝島』は卒業ソング

          サカナクションの楽曲『新宝島』の考察記事 ......ではなく、私の高校時代の友人の話。 高校2年の冬の思い出。 在校生が学年末考査で気が気でない時期に、3年生の卒業式はやってくる。 卒業する3年生、見送る2年生、卒業生の保護者様方、教師陣…… そんな中で、当時放送部に所属していた私たちは、音響スタッフとして卒業式に参加していた。 体育館の中、私たちの持ち場は舞台裏、音響機材の前。 音響に気を配り仕事をしながら、卒業生を見送る。 高校の卒業式は、義務教育の頃のものと

          『新宝島』は卒業ソング

          旅の荷物に理性は要らない

          行く場所も帰る場所もない旅に出る。 そういう妄想を、ときどきしている。 仕事や学校は突然休むこととする。 「休みます」なんておことわりは入れない。 スマホは、通知の類だけ全部切ってしまった。 荷物なんて適当だ。 なんせ、昨日の寝る前まで旅に出るなんて決めていなかったのだから。 普段から持ち歩くものと、要るのかよくわからんものを鞄に詰め込んで家を出る。 行き先は決めない。 どこに行くかもわからぬまま、電車で遠くへ遠くへ向かう。 あんまり混雑していない電車がいい。 そうして

          旅の荷物に理性は要らない

          努力は見せびらかすものじゃないけど、見せるべきではあるらしい。残念ながら、そんな器用じゃない。

          努力は見せびらかすものじゃないけど、見せるべきではあるらしい。残念ながら、そんな器用じゃない。

          今年やれない100のこと

          ねぇ、100はさすがに多いってば。   「今年やりたいこと100」。 いや、100じゃなくたって10でも50でもなんでもいい。 一年の始めに決まった数の目標をリストにするやつを、私はこれまで一切してこなかった。 しかし去年、初めて作ったのだ。 いや、作ったというよりは、作ろうとしただけ。 というのも、去年の今くらいの時期に、他大学の学生と交流する機会があった。 そこで、とある学生が「今年やりたいこと100」を作ったという話をしてくれた。 その人の話が上手かったのか、はた

          今年やれない100のこと

          特殊詐欺って、何が特殊なの?

          特殊だろうが特殊じゃなかろうが、詐欺は怖い。 怖いもんは怖い。  普段、通学やら何やらには専ら電車ばかり使っているのだけれど、たまにバスに乗ることがある。 地域のバスというのは利用者層が圧倒的に高齢なもので、車内広告のターゲティングは電車のそれとまるで違う。 運転座席の背中、優先座席の近くに、特殊詐欺への警戒を呼び掛ける広告があった。 『特殊詐欺多発中!』 ……ふと思った。 「特殊詐欺」って、何が特殊なんだ? 特殊じゃない詐欺って一体何なんだ? そもそも、特殊詐欺

          特殊詐欺って、何が特殊なの?

          無毒の病

          それでも私は牙を剥かない。  noteでは度々話にしてきたけれど、元気じゃない状態になってから気がつけばそれなりに長い時間を過ごしてきた。 いつから弱っていたか、なんて明確に線引きできたタイミングは、たぶんないけれど。 憂鬱を振り切ったり、あるいは精神科を受診したり、そういう勇気はまだない。 でも、信頼できる人にあまり元気じゃないことを打ち明けられることは少しずつ増えてきた。 いや、いくらかの場所で打ち明けざるを得ない場が生まれてきたと言った方が正確だろうか。 平気なふ

          「世界」って言葉が便利すぎる

          強い信念とメッセージの一貫性があればあるほど、豊富な語彙力がないと同じような作品ばかりを生み出してしまうのだろう。 「世界」を言い換える言葉をどれだけ見つけられるか。 それが私の旅路につきまとうテーマなのかもしれない。 どれだけ語彙力があるか。 自分の頭の中にある語彙の使い方をどれだけ知っているか。 言葉を使って創作をする人間にとって、ある種の財産のようなもの。 その財産が多ければ多いほど、表現の選択肢が広がる。 嫌いな表現は、思いついても避ければいい。 好きな表現で作

          「世界」って言葉が便利すぎる

          主人公にしてくれなんて頼んだ覚えはない

          「君は主人公だ」みたいなメッセージって、励まし言葉として秀逸だと思っていた。   主人公とは、猛毒を浴びせられながら生を全うする生き物だと思っている。 小説を書く、なんて真似をしていたからだろうか。 私にとっての「主人公」は、そういう認識だ。 人を惹きつける物語には、いろんな形がある。 その作り方に基本や定石がいくらあろうと、それらに囚われない作品は数多に存在する。 それを踏まえた上で、主人公を苛め抜くのは脚本作りの定石と言えよう。 フィクションという舞台は、その中心

          主人公にしてくれなんて頼んだ覚えはない

          「究極の一枚」を、あと80億枚

          「これがありのままの私の姿だ!」って疑いなく言える自分の姿がひとつでもあったなら、この強烈なモラトリアムからだって抜け出せる気がしている。  この世の全ての人ひとりひとりを美しく写した写真集が欲しい。 「美しく」というのは、被写体の本人が最も気に入るという意味。 一番理想の自分の写真。 それの世界全員分を集めた写真集が欲しい、という話。 人生で一度しかしないような豪華なおめかしをして、写真スタジオで撮ってもいい。 生まれ育った地元の思い出の景色に、普段着同然の素朴なあり

          「究極の一枚」を、あと80億枚