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空想・ダブル王

たったひとつ守り抜くだけでも大変なのに、守るべきものがたくさんあるだなんて。 




将棋の駒には『玉将』及び『王将』がある。

名前は違うけど役割は同じで、格上の人が『王将』を、格下の人が『玉将』を使用するらしい。

その役割こそ、ずばり「取られたら負け」。

将棋とはつまり「相手の玉将/王将を奪う競技」であり、玉将/王将は将棋において勝利条件に関わる最重要の駒なのだ。


と、ここまでが一番基礎の基礎なる前置き。
この記事内では『玉将/王将』を、以下『玉将』と統一する。

まどろっこしくてごめん


さて、将棋には様々な種類の駒があるわけだが、大半の駒は自陣に複数枚ある。

『金将』『銀将』『桂馬』『香車』は2つずつ、『歩兵』に至っては9つ。
その中で、自陣に1つしか存在しないのが『角行』『飛車』そして『玉将』だ。


たったひとつ、取られたら負けの駒。

その『玉将』が、もしも自陣に2つ存在したら?
……という疑問がふと思い浮かんだ。


私は将棋をしない人なので、戦略のことはよくわからない。
しかしながら、次の2つの場合では全くもってわけが違うだろうことはわかる。

i) 玉将をどちらか一方でも取られたら負け
ii) 玉将を両方とも取られたら負け

ダブル玉将将棋のルール候補

こうして並べると、上の場合の方が断然防御的な戦略が深く求められることになりそう。
下はどっちかというと、まだ大胆に攻撃していけそうというか。

いやでも、「両方取られたら負け」だったらそれはつまり「1つでも守り切れば勝ち」ということなので、片方の玉将は囮に使われて結局普通の将棋とあんまり変わらないなんてオチになったりして。


んー、将棋をもっと知っていたら、まだまだ考察できるのになあ。

あいにく私には、せいぜい各駒の動かし方がわかる程度の知識しかない。

口惜しい。


ただひとつ感じられたのは、「ひとつでも取られたら負け」っていう条件で玉将が増えるのは、なんだかとてもしんどそうだということ。

切迫感というか、詰められてる感というか。
ただでさえ頭の中で糸通しをするように細い正解の道へ手を導いていくような将棋で、その緊迫感が増していく。

戦術とかの前に、気持ちでやられてしまいそうだ。

これで玉将が3つにも4つにも増えていったらと考えると恐ろしい。

全く、ひとつ守るだけでも大変なのに、たくさん守り抜かなきゃいけないなんて。



別に将棋に限った話じゃなく、守るべきものをいくつも守り抜く人って、すごくて尊敬する。

もちろん、たったひとつ守り抜くことも、めちゃくちゃ尊敬する。

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