繊細な人と「あなたへのおすすめ」
たぶん相性が悪い。
noteでは、普段読んでいる記事等に応じて「おすすめのトピック」と、それに関連する記事がホーム画面でおすすめされる。
そうしておすすめされたトピックを、私はいくつ非表示にしてきたかわからない。
noteだけじゃない。
たとえば、YouTubeでは「あなたへのおすすめ」が関連動画に混じって表示される。
そして気に入らないおすすめの動画は「既に見たことがある」「興味がない」からフィードバックを選択して非表示にすることができる。
私はいくつ「興味がない」として削除してきたかわからない。
行動履歴からターゲティングされた「おすすめ」を、次から次へと削除し続ける。
私は悉く、「おすすめ」と馬が合わないのだ。
たぶん、自分の行動履歴が見えてしまうことが生理的に気持ち悪い、という節があるのだろう。
私は大抵「履歴」という名のつくものをOFFに設定している。
ブラウザだって閲覧内容に関わらずいつもプライベートモードを使う。
別に誰かに見られて困るものじゃなくても、履歴を自分に見られるのが困るのだ。
それでもデータは収集され、おすすめは表示される。
企業視点でのデータ収集の必要性は素人ながらに理解しているつもりだし、受け入れることもできている。
ただ、どストレートに履歴が自分に見えてしまうのがなぜか嫌で仕方ない。
「まあデータにはバレてるんだろうなあ」とわかっていながらも、いつどこで何を見ていたかが自分には見えない。
そういう環境がいい。
データ回収するのはいいけどそれをこっちに見せてくるな。
たぶんそう思っているのだろう。
なんだろうか。
「あなたへのおすすめ」を提示されるのは、「あなたはこのコンテンツが好きな人間だよ」と言いつけられている感覚を呼ぶのかもしれない。
好きだとか、興味だとか、本人にしかわからない主観的なもののはずなのに、それらをデータという他者に断定されているみたいな。
とある観光地へ行ってみたという記事を読んだからって、私がその場所に興味があるとは限らない。
ただ、普段からよく記事を読んでいるライターさんがたまたまそこへ旅行していただけなのかもしれない。
とある楽曲の歌詞を考察する記事を読んだからって、そのミュージシャンばかりが好きなわけではない。
確かにそのミュージシャンが好きでも、もっと好きなミュージシャンだっているかもしれない。
タグという単位でだけ、行動履歴から興味を読み取って「あなたはこれが好きな人」って言われても、「ああ違う、違う。なんか違う」ってなって、またおすすめを非表示にしてしまうのだ。
そうやって、画面の上で何かをおすすめされる度、もやもやが募る。
おすすめを、消して、消して。
自らの行動履歴をかいくぐったり見なかったふりしながら、私はインターネットを彷徨うのだ。
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