ダニエルズ【エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス】|最先端のグルーヴ感
アメリカ映画|2022年|140分|Everything Everywhere All at Once
■アジア人女性初のオスカー主演女優賞
マルチバースとカンフーで世界を救え?!というキャッチコピーの
【エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス】(通称:エブエブ)が、第95回アカデミー賞7部門を受賞しましたね。
・作品賞|エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
・監督賞|ダニエルズ(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)
・脚本賞|ダニエルズ(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)
・主演女優|ミッシェル・ヨー
・助演男優|キー・ホイ・クァン
・助演女優|ジェイミー・リー・カーティス
・編集賞
アジア人初の主演女優賞でミッシェル・ヨーだったり、子供の頃に【グーニーズ】や【魔宮の伝説】でお馴染みだったキー・ホイ・クァンが受賞したのは、なんか嬉しかったりします。
そして、ちゃんと倫理的問題の取り扱うべき要素を入れていて、偉いと思います。
簡単に言えば、母であるエヴリン・ワンが、別の宇宙(マルチバース:多元宇宙)の様々な自分の特技(主にカンフー)をリンクして拝借しながら、敵である反抗的な娘・ジョイ・ワンと戦うというアクション・コメディ。
■見続ける涯に、辿り着く多幸感
ところで、この映画は、観始めた時には、分かりにくいなと思ったり、この画面はいいのだろうかと疑問に感じたりもしましたが。
分かりにくさの感じが、トマスピンチョンの小説を読んでる感じに似てると思ったことから、わかろうとすることをやめて、ただ画面を観ることにしたら、滅法面白くなりました。
没入し続けあっという間にラスト、画面を観続けた涯には、観た人を人生から解放してくれるような多幸な世界に連れて行ってくれます。
センスいいなぁ。
■隣の席の人に感想を聞きたかった
これほど、観終わった後すぐに、人と語り合いたいと思った映画も珍しいです。
映画がもたらす多幸感からテンションがあがってしまい、隣の席の知らないおじさんに感想を聞きそうになりました。
自己啓発セミナーの帰り道に、やたらとテンションが上がってる人みたいに、なってしまったわけです。
あまり言葉にすると、野暮な映画でもある気もしますが、
実際に【エブエブ】を観た人が、どんな感想を持ったのか、体感を得たのか聞きたいものです。
■カンフー!
実は、私はカンフーのことを仕事としても、人生のこととしても、やっています。
中国伝統武術に関することを、とても美しいカンフー元世界チャンプの陳静老師と共に、プロジェクトに関わらせて頂いています。
カンフーをオンライン上で伝授する、映画的にいえばサイバー空間の少林寺(功夫教室)です。
そういうこともあって、映画のなかのカンフーにもとても興味があるんです。
今回の【エブエブ】では、キン・フーの武侠映画へのオマージュのようなカンフーのシーンがあって嬉しかったです。
カンフーの動きは世界中で人気がありますが、とても映画的だからだと思います。
バスター・キートンなどのサイレント映画期にあった、動きで見せる画面になるんだと思います。
それは、まさに映画の本質ではないでしょうか。
やはり、カンフーの映像を作りたいものです。
一体、何を作ればいいのか、はっきりしないのですが、早くやらなければならない気がしています。
最後に、ちょっと自分の話になってしまいました。
すみません。
■予告編【エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス】
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