映画の残光

映画をみる・つくる|映の会という映画を静かに味わう会の会長による断片です|映画鑑賞記録…

映画の残光

映画をみる・つくる|映の会という映画を静かに味わう会の会長による断片です|映画鑑賞記録の一部です|ゴダール【勝手にしやがれ】を入口として、B級ノワールを経由し、アメリカ映画や日本映画を辿り、飛び出したりしながら、活劇の過去と未来を巡ってます|&映画つくりたい人のお手伝い業

最近の記事

原田眞人【さらば映画の友よ インディアンサマー】|かつての映画狂少年たちへ

日本映画|1979年|111分 U-NEXT ■noteを通じて出会った映画 noteで映画評(映画日誌「乱れ撃ちシネnote」)を書いておられる きっかけ屋さんの名刺がわりの伝記書籍を読んだことがきっかけで、この映画のタイトル【さらば映画の友よ インディアンサマー】を知りました。 なんと、きっかけ屋さんが、かつてこの映画プロデューサーをされていたのです。 また、光栄にもコメントのやりとりをさせて頂いたこともあり、この映画にとても興味を持ちました。 ■かつての映画狂少年

    • プロマ・バスー、ロブ・ハッチ=ミラー【アザー・ミュージック】|レコード・カセット・CDの頃

      アメリカ映画|2019年|85分|OTHER MUSIC この伝説のレコードショップのドキュメンタリー映画は、昨年末頃の京都みなみ会館で観ました。 すでに昨年のことなのに、iPhoneのメモに記入されたnoteにアップされる順番を後回しにされ続けていました。 だからといって、他より劣っていたわけではありません。 むしろ、良すぎて、なかなか手がつけられなかったのです。 実際に私は、この映画のポスターを買って、リビングに飾っています。 レコード盤に針を落として、それを眺めています

      • ドン・シーゲル【テレフォン】|詩が人間自爆装置のトリガー

        a Siegel film というオープニングクレジットが、今からドン・シーゲルの映画を観るんだという気分を高めてくれて、もはやブランドロゴともいえます。 さて【テレフォン】ですが、物語的には茶化そうと思えば茶化しどころが色々ありますが、それはあまり関係ないのでおいといて。 ■経済的な演出なのに手が込んでるように見える 内容は、かつてソ連に留学していたアメリカ人達は、ある詩を聞かされると、それがトリガーとなり爆破活動を始める自爆工作員に洗脳されていた。 米ソの関係悪化を狙う

        • リチャード・フライシャー【レッドソニア】|剣と魔法の世界の女傑

          アメリカ映画|1985年|89分 観る速度と、ここに紹介するタイトル数が、日々、差がひらいてしまっています。 書くまえに若干要らぬ気合が入ってるのかもしれません。 その証拠に、今までの投稿も、少々長いなと思っていたり、読み返すと恥ずかしくなったりする力の入りようです。 もっと肩の力の抜けた感想を、このnoteに提出することを優先したいと思います。 ■フライシャー中毒 映画監督をしている先輩から、ドン・シーゲルやアルドリッチ、フラーシャーやペキンパーなどを教えてもらいながら

        原田眞人【さらば映画の友よ インディアンサマー】|かつての映画狂少年たちへ

        • プロマ・バスー、ロブ・ハッチ=ミラー【アザー・ミュージック】|レコード・カセット・CDの頃

        • ドン・シーゲル【テレフォン】|詩が人間自爆装置のトリガー

        • リチャード・フライシャー【レッドソニア】|剣と魔法の世界の女傑

          フライシャーVHS二本立て|【ザ・ファミリー マフィア血の抗争】|【ザ・ファイト】

          ■フライシャーをVHSで観る 映画監督の先輩の家に上がり込んで、昼間からビールを飲みながら、デッキにVHSテープを突っ込んで、リチャード・フライシャーのちょっとレアな二本立てを堪能した。 フライシャー好きの先輩の解説を聞きながらやから、集中して映画を観るという感じやなかったけど、4:3サイズにトリミングされたVHS画質の画面を観るなんて久しぶりで、至福の午後やったな。 観たのは、この二本立。 【ザ・ファミリー マフィア血の抗争】 アメリカ映画|1973年|114分 【

          フライシャーVHS二本立て|【ザ・ファミリー マフィア血の抗争】|【ザ・ファイト】

          小津安二郎【非常線の女】|アメリカ的な小津

          日本映画 無声|1933年|100分 ■小津は日本的なのか 世界中の映画好きから、ずっとリスペクトされ続けてる日本の映画監督・小津安二郎といえば、日本の風景を撮った、いわゆる『日本的』な映画を撮る人と連想されがちやと思うけど、意外とそうでないかもしれん。 ■アメリカの暗黒街映画のような というのも、戦前のサイレント期の小津作品【非常線の女】なんか、日本映画とは思えないモダンなアメリカ暗黒街映画のやな、雰囲気満点な画面になっとる。 主役のアウトロー・襄二は元ボクサーで、ボク

          小津安二郎【非常線の女】|アメリカ的な小津

          溝口健二【名刀美女丸】|名人のやっつけ仕事は大体傑作

          日本映画(京都)|1945年|67分 びびったわ、めちゃめちゃおもろいねん ■傑作 溝口健二【名刀美女丸】って、気になってたんやけど、観てみたら途方もない傑作やった。 タイトルもキマッてるし。 しかも67分なんて、ええやん。 繰り返し観られる長さで丁度いい。 ■明瞭な描写は映画の手本 明瞭な描写で、観始めてすぐに、引き込まれんねん。 刀が折れて、地面に落ちる短いカットだけで、アッ!となって物語が気になって仕方なくなる。 観ないとわからんと思うけど、映画の手本のような作品

          溝口健二【名刀美女丸】|名人のやっつけ仕事は大体傑作

          川上未映子【夏物語】|唯ならぬ読書体験

          ふらりといつもの癖で京都の大垣書店に入った。 映画書籍の棚を目指して文庫本の書棚を通り過ぎようとしたとき、川上未映子の【夏物語】の分厚い背表紙が見えた。 川上未映子は、【乳と卵】が話題だった頃、大阪梅田の阪神近くにあるブックファーストで【先端で、さすわ さされるわ そらええわ】のサイン本を買ったことと、【みみずくは黄昏に飛びたつ】での村上春樹との対談がとても美味しかった記憶がある。 ■【夏物語】の1ページ目 手にとった【夏物語】は、1ページ目から引き込まれた。 貧乏と窓の

          川上未映子【夏物語】|唯ならぬ読書体験

          ドン・シーゲル【ボディスナッチャー 盗まれた街】|映画の単純な面白み

          アメリカ映画|1956年制作|80分 展開が明瞭で、寄り道のない映画が大好きです。 ということで、今回の映画は、日常に疲弊しているあなたにも、気楽に観てもらえる”侵略モノの古典”でありB級SF映画の傑作です。 ■映画的な明瞭さが最高 【ボディスナッチャー 盗まれた街】は、まさに映画的な、単純な面白さが、ある映画だといえます。 政治的なメッセージがあるとか解説されますが、それとこれとは別で、単純に映画の明瞭な面白さを楽しめます。 ■伝説の監督2人が絡んでる 監督がドン・シ

          ドン・シーゲル【ボディスナッチャー 盗まれた街】|映画の単純な面白み