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ドン・シーゲル【テレフォン】|詩が人間自爆装置のトリガー

a Siegel film というオープニングクレジットが、今からドン・シーゲルの映画を観るんだという気分を高めてくれて、もはやブランドロゴともいえます。
さて【テレフォン】ですが、物語的には茶化そうと思えば茶化しどころが色々ありますが、それはあまり関係ないのでおいといて。

■経済的な演出なのに手が込んでるように見える
内容は、かつてソ連に留学していたアメリカ人達は、ある詩を聞かされると、それがトリガーとなり爆破活動を始める自爆工作員に洗脳されていた。
米ソの関係悪化を狙うソ連のタカ派のおっさんが、その洗脳を利用して、アメリカで次々と爆破事件を引き起こしていく。
それを、阻止すべくアメリカに派遣され流のがブロンソン扮するKGBの男・ボルゾフ少佐。
これはボルゾフ少佐の世界を救う活劇とロマンス。
という感じなのですが…。

とにかくややこしい話を果敢にも撮影して編集するドン・シーゲルは偉いなあと思いました。
望遠レンズ使ったり、複雑なカット割をやったり、とても手間がかかってるように感じます。
それでも経済的な演出・作り方で処理できる監督というから、すごい。

■簡単な仕掛け
「森は美しく暗く深い。だが約束を果たし、眠りにつくまでに道はまだ遠い…」という、ロバート・フロストの詩の一節を聞かせると、催眠が発動するという簡単な仕掛けになっている。
この簡単な仕掛けをみて、この詩の活用とはややズレてるかもしれないが、ボルヘスのある発言を思い出しました。

『ヴォルスンガ・サガ』のようにはめれば透明になれる指輪があるとします。ここではただ一つのことだけを信じれば十分です。ところがウェルズの『透明人間』では、特殊な液体に浸からなければならず、それはワインでなくてはならず、服は見えますから裸でいなければなりません。なぜ作者は透明になる機械を発明しなかったのかとも思います。指輪の場合は作者がわたしたちに信じてくれるように頼むのはたった一つのもので、それも昔ながらのものです。つまり魔法の品で、こちらの方がたやすく受け入れられます。

記憶の図書館: ボルヘス対話集成(国書刊行会)

■コンピューターオタク女史のお色気
ところで、CIAのコンピューターオタクの女史が、なんかフェチズムを感じるんです。
*ちなみに、メガネつけてたのに次のカットではなかったり、メガネつながりはザツです。

脚の動きに合わせてチルトするという脚フェチっぽい画面
実は多くの映画に脚に対するフェチズムを感じる画面がある

Wikipedia【テレフォン】

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