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夫婦と飲食店(bar bossa林さんインタビュー後編)

『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』の著者であるbar bossaの林さんに会いに行ってきました。前回はこちら⇂


ー奥さまと出会われた事がお店を持つと考えたひとつのきっかけだったんですね。本に書かれてましが、最初のお金って奥さまとお二人で出されたんですよね?

「そうですね。それでふたりでやろうと思って、始めはふたりでやっていました。今もワインは妻が全部選んでるんです。ワインバーになったのは妻のおかげなんです。

うちの妻は飲食経験なにもしていなかったんです。
なので一緒にアカデミー・デュ・ヴァンのワインスクールに通いました。
妻は資格を取って、その後シニアを取ったりどんどんステップアップしていってますね。すごく勉強好きなひとなので。

で、僕は27歳くらいの時に「シャトーとか全部覚えるの無理だな、もう頭に入らない」って途中であきらめました。なので僕資格はもってないんです。」

ーそうだったのですね。奥さますごいです。

「ええ、そうなんです。妻のほうがやっぱりセンスがあるんですよね。
そこの花瓶とか、置物とか、お店のインテリアとかそういうのも全部任せてます。やっぱお店が可愛いから来る子っていますし。」

ーお店はいった時かわいいなって思いました。やっぱりセンスですか。

「センスです。センス。いやあ、もう生まれつきなんでしょうけど・・・センスいいんですよ、妻。」

(奥さまをベタ褒めする林さん。まぶしい・・・)

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ー出会われたのはレコード屋さんですか?

「ええ。当時働いていたレコード屋で出会いました。僕はバイトで、妻はそこで上層部の人でした。妻に付き合ってもらうために僕は1ヵ月毎日ラブレターを書いて渡して・・・」

ー!毎日、ですか?

「はい、毎日。それで付き合ってもらうようになったんですけど、渡したラブレターの中に、「自分はいづれすごい作家になるから」って書いてたんですよね。途中からもう音楽の仕事って諦めてたんです。それで、本好きだし作家になろうかな、と思って。

「僕は有名な作家になるから、あなたは年取ったら印税の桁が増えていくのを確認するだけでいいから」って書いてしまったんですよ。
25歳の時ですね。妻は8つ上なんで、33歳。

僕はフリーターで、妻は僕よりも収入があって、子どももいて。
今考えるとあの時よく妻は付き合ってくれたな、と思うんですよね。」

ーおお、、、、

「それで、書く仕事はするけど、とりあえずお店は始めようと話していました。それでここを始めたんです。

でも、3年に一回くらいで妻が「このままバーのマスターで終わっちゃうの?」って聞くんですよ。「書くんじゃなかったの?」「印税生活させてくれるんじゃなかったの?」って今でも言うんです。
今本出ても言うんですよ。本当に笑。それで頑張ってます。」

ーお、おくさま・・・!!!!妻力すごい!

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「もうお店を始めた当初は音楽ライターやりながら小説書いてこうかな、って思ってたんですね。音楽ライターの仕事はたくさんきたんですよ。CDのライナー書いたりとか、、いろいろやってましたね。」

ーそれでも、飲食というか、バーをやろうと思われたんですね。

「そうですね、バーはやろうと思ってました。僕がお店を始めるときは当時どっちかっていうとカフェが流行ってたんですね。カフェブームがくるちょうど前だったんです。
それでカフェをするのがおしゃれだった時なんですけど、昔喫茶店で働いたことがあって、夕方16時くらいの時間ってスタッフのほうが多いときってあったりするじゃないですか。。バーでお酒中心したほうが儲かるんだ、と思って。
その前に僕料理とかやればよかったんですけど、料理とか勉強してやるの、なんか遠回りだなって思っちゃってはやくお店やりたかったんで。だったらお酒かな、と思って。」

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ー本で紹介されているロンパーチッチやPigalleなどご夫婦で経営されているお店は少なくないですが、夫婦ゆえ難しい部分もあるかと思うのですが

「僕、夫婦でひとつの仕事をやるのって正直あんまり勧めないですね。
うちはそんなにケンカしないんですけど。やっぱり絶対ケンカすると思うし。周りの話を聞いていると大体、やっぱり売上が悪くなるとすごいケンカするんですよね。」

「それからクリエイティブな仕事とかで女性がメインで働いて、男性がそのサポートするって形にしているご夫婦が知り合いにいたんですけど、やっぱり男性がサポート側にまわるとどうしても良くないですね。

男性がなんか変な感じになっていっちゃうんです。ひねくれちゃうんですよね。本当不思議なんですけど。」

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ーこれまでもずっと続けれてこられたことって、他にもありますか?

「僕、習慣化したら続けられるんです。
例えば、今noteずっと毎日つけてるんですけど、その前からfacebookを2011年の3.11以降、ずっと毎日休みなくつけてたんですね。なので習慣にしてしまえば僕は続けられるんですよね。

あとは今、お酒やめようと思ってて。それが習慣化できそうです。
本当はもう一切断酒にしようと思ってたんですけど、断酒はちょっとつまんないな、って妻と話し合って。これまでずーっとお酒は飲んでたので。一週間に一回は飲んでいいことにしています。」

ー一週間に一回なんですね

「決め事があって、外食では飲んでもいいことにしてます。あと日曜と祝日は家でも飲んでいい。それ以外は飲んじゃだめなんです。」

ーまだまだ色々とお伺いしたいです。ありがとうございました!


インタビューを終えた後、「ぼくの取り柄はこだわりがないことなんです。休日の過ごし方すら自分では決めてないんです。」と笑って仰られていて、奥さまの妻力の高さとおふたりのバランスの良さがお店の魅力のひとつなのではないかと感じました。

クリスマスのお忙しいところ、お時間をくださった林さん。本当にありがとうございます!!!


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