記事一覧
父の日に枯れ紫陽花を
自分を自分で救う手立てなんて
6月を27回迎えたって見つからなかった
薬と酒と人の声で紛らわせる寂しさなんて、最早一瞬で
まさか自分がこんなにも寂しがり屋なことすら気付きもしなかった
一人っ子だから一人で大丈夫、一人がいいの、むしろ一人が
子供の頃自分より先に母が眠っただけで、私はなんであんなに泣いていたの?
家族が増えた
嬉しくて愛おしくて、おかしくなりそうだ
母と私だけで完結したと思った血
私の傷を弦に見立てて押さえるあなたが、狂おしいほど愛おしく、殺したかった
こんなに細い身体を、一体どうやって抱いたの?
骨が軋む音がする
内臓が掻き回されて、見えない血が飛び散った
どれだけ乱暴に抱いたっていいよ
ただお願い、あんまり痛くしないで
涙も、傷も、便器にぶち撒けた胃液も、
見えない命を殺したって、
愛と信じたくて、愛と呼んだ
大切にされていないなんて、まさかね
そんなの知ったら、私死んじゃうよ
綺麗に並んだ錠剤が、ゆらゆらと燃えていた
声を殺して泣くなら駅の
Innocence -明日のわたしへ-
未公開のものばかり
楽しんで頂けたら幸いです
そして今回の記事をもちまして、Innocenceは一旦お終いにします
こんなに愛してもらえるとは思わなかった
驚いているけれど、すごく嬉しい、ありがとう
時間をかけ、この作品たちと向き合って、やっぱり私は私なんだと
本当はこう生きたいや、心の中の小さな私を、一滴のしずくほどでも具現化できたのかなと思っています
写真を撮ってくれたひとさん、撮影させてくれ
亡霊もその香りに陶酔するのか
噎せるような金木犀の香りに誘われて、道行く人は頻りにその木を見上げる
足元にひっそりと立つ、枯れた彼岸花には目もくれずに
でも私は確かに見えた気がした、あの赤々とした亡霊たちが
弦が切れるその日を待って。
足の裏に張り詰めた弓の弦がある感覚が、子供の頃から2.3ヶ月に1度の周期である。
それは今にも切れてしまいそうで、歩くのすら恐れを伴う。
切れても構わないと、思い切り走ってみたり、背伸びをしてみるが、切れた感覚は一度もない。
きっとこれは切れない弦なのだろう。
でもたった一度、この弦を切ってみたくてしょうがなくなる。
切れたらどうなるのだろう。
血が大量に出て、何かしらの筋が切れているのは安易に想
Self direction portraits:02
東京、お前が私を壊した
山手線に飛び乗って半周、私はずっと泣いていた
乗り換えた電車の中でも、真っ暗な家のトイレでも、声を殺して泣いた
冷酷にも有難いことに、声をかける人などいなかった
この白い便器に、私は何度吐瀉物をぶちまけただろう
吐く度に思う、どうしてこんなに涙が流れるのか
眼球の裏の血管が、ブチブチ音を立てて切れるように痛む
そろそろ目玉が飛び出てくるのではと思う頃、レバーをひねってトイレ