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父の日に枯れ紫陽花を

自分を自分で救う手立てなんて
6月を27回迎えたって見つからなかった
薬と酒と人の声で紛らわせる寂しさなんて、最早一瞬で
まさか自分がこんなにも寂しがり屋なことすら気付きもしなかった
一人っ子だから一人で大丈夫、一人がいいの、むしろ一人が

子供の頃自分より先に母が眠っただけで、私はなんであんなに泣いていたの?

家族が増えた
嬉しくて愛おしくて、おかしくなりそうだ
母と私だけで完結したと思った血の繋がりが、潮を満たして、いよいよ私の肉体全てを浸した
限界だ、私は溺れてしまったの
受け止めきれるわけなんてないのに、私は気丈でいなければいけなくて
泣き喚いてどれほどぶっ殺したくても、沈黙を貫いたままお前を許さないといけない
お前の泣き面も、赦しを乞う姿も、私に半分流れる血も見られないまま、私はいい人間になっていかないと
正解、分からない
気付けばまた酒を飲んでいた
そんな一気に辞められたら世話ないです
日本酒に炭酸も、きっと当たり前に親しまれることでしょう
蚊の鳴く音、雨の囁き、6月なんて
6月なんてよ

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