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~あずさ40歳の恋~(だいたい2000字小説)

これは「40歳の時の恋」のお話し…
その頃の私は夫婦仲があまり良くなく、憂鬱になりながらも二人の子供達の為(私自身の為だったかもしれませんが)家事や仕事で毎日を忙しくしていました
ある日、職場に若い男性が入って来た

松本ゆうじ 20歳

私達は「ゆうじ君」と呼ぶようになった
彼は、仕事の覚えも早く、動きも良く、機転も利いた

「あずささん、これはここでいいですか?」
彼は私を下の名前で呼んでいた
「うん、そこでいいよ」

昼休みは近くのカフェで一緒にランチをしたり、たわいのない話をした
そのうちに、私の心の中に彼が住みついた
そして職場に行くのが楽しみになった
逆に家に帰ればまた険悪な毎日が…

そして、とうとう私は離婚を決意した
わかっていた事だが、うまく行っていない結婚生活だったとしても辛かった
それでも二人の子供の為に働かないといけない
私は毎日職場に行った

「あずささん?大丈夫ですか?」
仕事の帰り際、彼は私の不安な気持ちを察して、声をかけてくれた
その瞬間、私の目から涙がこぼれた

私達はそのまま飲みに行った
彼は何も言わず、ただただ私の話を聞いてくれた

数日後私は無事に離婚した
それと同時に職場もやめた

1年後私は同じ職場に復職し、ゆうじ君は別の部署に移動していた
「あっ、あずささん!復帰したのですね」
「うん、ゆうじ君何だか立派になっちゃって」
私達は話も弾み毎日時間が合えば飲みに行ったりカラオケに行ったりする仲になった

しばらくたった頃、彼から交際の申し込みがあった
私は驚きと共に動揺した
何故なら私は彼よりも19歳年上、しかも二人の子持ちだったからだ
長男と彼は3歳しか違わない
彼はその全てをわかった上でどうしても付き合って欲しいと言ってくれた

私達は付き合った
今まで年下の男の人と付き合った事もなく最初は困惑した
若い子の行く場所や音楽やどんな事に興味があるのか色んな発見があり、毎日がとても楽しかった

1年位付き合った頃、少しずつ彼との仲もマンネリ化してきた
それでも、私は変わらず彼との時間が楽しかった
2年ほどたった頃、彼から「別に好きな人が出来た」と言われた
彼女は彼の部署に入って間もなくの子だった
突然の事で私の頭は真っ白になり、次の瞬間暗闇に落とされた

一方では年上の女性らしく物分かりが良い風に振る舞い、一方では絶望の淵に

私は何度か思い直せないか彼に伝えたが、彼は彼女との結婚までも考えていた
彼と彼女を見る毎日はとても苦痛だったが生活の為に頑張って仕事には出かけなければいけない

辛い…悲しい…
職場で仲良くしている二人を見るのはとても辛い

「彼の幸せの為だ。それが一番だから」と私は身を引く

しばらくたつと住んでいた場所からの退去を求められ、と同時に仕事も辞める事にした
他の仕事を探し、住む場所も探し、新しい生活が始まった

私の人生はどうしてこんな事ばかりおきるの?
悲しみで一杯の私だったが、二人の子供達を残して「死」を選ぼうとは思わなかった

その生活にもだいぶ慣れた頃、前の職場の近くで彼とばったりあった
「…あずささん…久しぶり」
彼はちょっと気まずそうな顔をしている
「ゆうじ君、元気だった?」
私はもう何とも思っていない素振りをしてニコッと見栄をはった

彼がその場を離れたがらなかったので、二人でカフェに行き少し話をする事になった
聞けばあの後、結婚まで考えた彼女に二股をかけられて半年後に別れる事になったそうだ
そして、どれだけ私の事が好きだったかを思い知らされ何度も連絡をとろうとしていたらしい
私はその言葉だけで幸せになり、同時にそれなら最初からそんな事をして欲しくなかったという想いは胸の内におさめた

「あずささん、もう一度やり直してもらえないだろうか?もう一度僕と付き合って欲しい」

私はその言葉に心が揺らいだが、もう二度と同じ悲しみを味わいたくはなかった

もう…二度と…

もう一度同じ事がおきたら私はどうなってしまうのだろう
心の葛藤があり、どうしてもその場で返事をすることが出来ない
数日考えさせてほしいと彼に伝え、二人は別れた

彼の事が好きだった事を思い出した
楽しかったあの日々が頭の中に次々とあふれて来た
最初の離婚の時にそばで支えてくれたのは間違いなく彼だった
だけど、楽しい日々を壊したのも彼だ
彼は私からの連絡をジッと静かに待っていてくれた

「やっぱり、彼が好き」
そう思った私は彼に連絡をし二人はまた付き合い始めた

復活し始めはどうしても前の辛さを思い出してしまいその都度訳の分からない不安が込み上げてきた
しかし、彼はそんな私に…そして私の二人の子供達にも誠実に接してくれた

19歳差の私達
周りからはどう見られているのだろうか
そんな事は私達家族にはどうでもよい事だった

そして私は妊娠し、無事に出産した
可愛い女の子だった
私達は5人家族になり、恋から愛に変わった

どうか、この子には私のような辛い思いをして欲しくないと思った
彼は言った
「この子は僕達の子だから、きっと何があっても大丈夫だよ」
そして、私達は正式な夫婦になった

最高の家族の中で私は幸せを嚙み締めた

※友に感謝

ど素人でとても下手かもしれませんが、もし良いと感じていただけましたら、スキやシェアやフォロー頂けると嬉しいです。どうかお願いします<(_ _)>